6 / 17

第6話

今日は、俺と新條が、セックスする日だ。 朝起きて、その事実を受け止めるのにずいぶん時間がかかった。 まず昨日はほとんど寝れていない。ゲイのAV動画など見て予習しようと思ったら色々な、なかなかなやつを見てしまい眩暈がしてしまったのと、俺がちゃんとできるんだろうかというプレッシャーで気分が悪くなり、なかなか寝つけなかったからだ。 明け方になってようやくうとうとしたくらいの時に携帯のアラームで目が覚めた。そしてベッドの上に半身を起こして、考えに耽ること三十分。 どんなに考えても、今日は新條とラブホに行く日で間違いなかった。携帯を見れば、新條からの「駅に10時でいいんだよな?」というメッセージが来ている。 「その時間に行く」と返して時刻を見れば九時になっていた。慌てて準備していた服に着替える。前回のデート(?)の反省を生かし、少しはましな服を準備していた。黒いTシャツの上に、ネイビーとグリーンの薄いグラデーションのような生地のシャツだ。パンツはブラックデニムにした。形はストレートのものだ。 少し考えて、下着の替えをバッグに押し込んだ。 「よ!」 新條はいつもと変わらない顔で待っていた。いつも先に来てくれている。待たせてしまっていることに罪悪感を感じたが、別に遅れたわけではない。でも、俺も新條を待っていたいから、次があるならもっと早く来よう、と思った。 「待たせたか、ごめん」 「いや、俺んち駅に近いし。気にすんなよ。行こうぜ」 今日の新條はオフホワイトに黄色い線の模様が入っている大きめのTシャツに膝丈のハーフパンツだった。足元は黒っぽいスニーカーで、ふくらはぎが見えている。 ‥エロい。 俺はぶんッと頭を振った。いかん、脳内がエロに侵食されている。とにかくホテルに着くまでは平常心を保っておかないともたない気がする。 出来るだけ新條の足の方には意識を向けないようにして、「じゃ、じゃあ、いこか」とカタコトになりながら駅の構内に入った。 三つ先の駅の周りは、結構いろいろな建物がごちゃごちゃと建ち並んでいて、昔ながらの繁華街、という感じだった。目指すホテルはその繁華街を少し行った先にある。ヨシ、行くかと気合を入れた時、新條が言った。 「あ、ごめん、そこのサンドイッチ屋に寄っていい?なんかうまいらしくてさ」 新條はこの駅周辺の店なども少し調べていたらしい。駅から三分ほどのビルの一階にあるサンドイッチ屋は、色とりどりのサンドイッチが並んでいて、確かにうまそうだった。惣菜系も充実していたが、フルーツサンドも置いてある。 「中で食うのに買っていっていい?」 と言って新條はいくつか買っていた。俺も惣菜系のやつとみかんのサンドイッチを買った。 サンドイッチの袋を下げて歩きながら新條は言った。 「念のためにさ、昨日の夜からあんまり食べてねんだよ。だから後で食べたいなって」 ‥新條が、俺とセックスするために、絶食してくれている。 俺はもう、この時点で泣きそうだった。新條から熱烈な愛の告白を受けたわけではない。このセックスは新條によれば「確かめてみる」ためのものだ。 だが、俺は新條が、俺のためにそこまでしてくれたことが嬉しくてたまらなかった。ここで泣くわけにはいかない、と思って上を向き、ずずっと洟を啜った。 入る時にもしげしげと色んなものを見つめ、部屋に入ってからもあちこちを見て回った新條はわかりやすくはしゃいでいた。 「広いな!テレビでか!‥風呂も広い!風呂マットがでかい~!」 新條、それは、風呂マット、っていうかさ、多分、ベッドみたいなもんだと思うぞ‥。 色々見て回った新條は、ぽすん、と大きなベッドに腰かけた。そして俺を見上げた。 「笹井、どうする?」 俺はごくりと唾を飲み込んだ。 「新條、俺が、いろいろしても、いい?」 ぼそぼそとそういう俺に、新條はにっと笑った。 「おう!任せる!」 俺は、一度目をつぶって深く、深呼吸をした。そして新條の眼鏡を取り、前髪を押し上げて顔を見た。 小さな鼻に薄く散っているそばかすがはっきり見えた。少し小さな黒い目がおれをまっすぐに見ている。いつもは隠れている細い眉毛も見えた。 眼鏡をベッドサイドに置いて、前髪をあげたまま俺は新條にキスをした。身体が震える。柔らかい唇が当たる。 「ん‥」 新條が息を洩らす。そのまま後ろのベッドに押し倒した。 柔らかい唇を何度も吸って舌でなぞる。 やばい。気持ちいい。ちんこガチガチだ。 ずっと唇を吸っていたら苦しかったのか新條が「ふは」と唇を開けた。俺はすかさず舌をねじ込んだ。 新條の熱い口内を舌でなぞる。この熱い中を全部味わいたかった。上顎のところを舌先でくるりとなぞって、歯の生え際もなぞる。それだけでぞくぞくとした。 「ん、あ」 新條が色っぽい声を出す。ちゅっという音を立てて唇を離して顔を見た。そばかすの周りが少し赤くなっている。新條の顔を両手で挟んできらきらした目を見つめた。 「‥嫌か?新條」 「嫌じゃない。‥気持ちいいよ、笹井。‥もっとしよう」 新條はそう言って俺の首に両手をかけぐっと引き寄せて、今度は自分から舌を挿し込んできた。 お互いに舌を絡ませる。もう、それだけでイキそうだった。きもちい。きもちいい。ずっとキスしてたい。 「にいじょ、好きだ、好き」 「ささ、い、」 俺は新條の服を脱がせていった。Tシャツを上からすっぽ抜いて、ハーフパンツと下着も一緒に引き下ろして抜き、その辺に投げ捨てた。 全裸の新條は、しなやかできれいだった。薄く割れた腹筋と白い肌、すらりとした手足。 そして新條の新條は、ちゃんと反応していた。そしてなかなか立派な新條だった。 俺が感動してじっと見ていると、新條はぐっと俺に抱きついてきた。 「恥ずかしいな、笹井も脱げよ」 そう言われておれもあわてて全部脱いだ。ちんこはガッチガチで、下着がもう先走りでエライことになっている。替えを持ってきててよかった、と心から思った。 俺の裸を見て、新條は言った。 「やっぱかっこいいな、笹井。男らしいって感じ」 「新條も、かっこいいよ‥そして綺麗だな」 俺はそう言ってもう一度新條をベッドに押し倒して首筋に唇をつけた。少し舌を出して首から胸へと這わせていく。 乳首まで来て、少し濃い肌色のそれを強く吸った。 「んぅ」 新條が息を吐く。俺は構わず舌先で乳首を転がして何度もきつく吸った。 「あ、ささい、なんか‥いい、かも」 「感じる?」 「‥かも」 そう言われたので、今度は新條のちんこを触りながら乳首を舐めた。新條のちんこもすっかり固くなっている。掌全体で握り込んで上下にゆるゆる擦る。親指の先で時々鈴口をぐりぐり撫でると新條が身体をびくんと震わせた。 「あ、それ、いい」 そう言われた時に軽く乳首を噛んでやった。 「んあ!」 また新條の身体が震えた。俺の頭を新條の腕が抱きしめている。その事を嬉しく感じながら舌先で乳首を何度も舐めさすり、ちんこをしごいた。 「あ、ああ、あ、ささ、い、それっ、イク、から、だめ、あ、」 「イッて」 俺はそう囁いてまた乳首を軽く噛んだ。びくびくと何度も新條の身体が震える。もう片方の乳首にも吸い付いて舐めてやる。今まで舐めていた乳首は左手で強く摘まみ上げた。 「ああ!」 ぐっと新條が顎を上げている。 新條が、俺の手で感じている。 その事がたまらなく嬉しい。 俺は夢中になって乳首を吸って摘まんで、新條のちんこをしごき上げた。 「ああああ!い、いく、いくっ、て、ああ!」 がくがくっと大きく身体を震わせて、新條は俺の掌の中に精を吐き出した。 枕もとのティッシュでそれをふき取り、新條のちんこも軽く拭いてやる。ぴく、とちんこも震えた。 「‥俺、ばっかきもちい、の、やだ‥」 新條がぼそりと言う。どんな顔で言っているのかが見たくて、新條の顔を覆っていた腕をどかした。 真っ赤になって、目が潤んでいる。 かわいすぎる! 「にいじょうっ!」 「んんっ!」 俺はめちゃくちゃに新條にキスをした。もう顔じゅう舐める勢いだったと思う。でも新條は全然嫌がらずにそれを受け止めてくれた。なんなら自分から舌を出して俺の中も舐めてくれた。 ひとしきりキスをしてお互い息が荒くなった時、新條が言った。 「じゃあ、そろそろ笹井のちんこの出番だな」 新條の言葉に、俺はまたごくりと唾を飲み込んだ。俺の目の前に横たわっている新條の半開きの唇が、唾液で濡れていて艶っぽい。 「‥一回、抜いとく?」 新條は上気した顔でそう言ってきた。そしてそっと手を下の方に移動させて俺のちんこを触った。 「ちょ、待っ‥」 生ちんこを新條の手でそっと握られた瞬間、俺は、イッてしまった‥。 「‥‥‥」 「‥なんか、すまん」 謝る新條の手を、俺は無言で拭いた。すっげえ出てる‥。 「恥ず‥なんか、かっこ悪いな、俺」 気合を入れてないとちょっと涙が浮かびそうな俺に、新條は優しかった。俺が拭いた手で顔を引き寄せて深くキスをしてくれた。 「んっ、あ」 舌を挿し込んで絡ませて強く吸う。くらくらするくらい気持ちいい。ぞくぞくとした快感がしたから登ってきて、また俺のちんこは臨戦態勢になった。 太ももに当たる感触でそれがわかったのか、新條は小さく笑いながら言った。 「問題ないじゃん笹井、勃ってる」 「‥新條、触っていい?」 「どこでも、触って。‥肌が触れてるときもちいな」 そう言ってくれる新條がもうかわいくてかわいすぎて。 一度新條の身体をぎゅうっと抱きしめた。新條も俺の身体に腕を回して抱きしめてくれる。 気持ちよくて幸せだ。 そしてベッド横に置いていたバッグからローションを取り出した。口に入っても害のない、オーガニックのちょっと高いやつ。 掌に出して手を合わせ、少し温める。そして新條の後孔にその手を伸ばした。 後孔の周りをくるりと指でなぞる。何度かなぞってからゆっくりと指を入れる。するりと中に入っていった。 「痛くない?」 「‥ん」 新條の身体の中に俺の指が入っていることが信じられない。あまり興奮しすぎないようにこっそり息を整えつつ、中をくるくるとかき混ぜる。柔らかい腸壁が俺の指にまとわりつく。少し引っかけるようにして二本目を入れた。抵抗なく入る。 新條は、本当に俺のためにいろいろ準備して拡張してくれたんだと実感した。昨日はアナルプラグまで入れてきてくれてた。さすがにそれはやりすぎだと思ったが、新條の気持ちを考えると言えなかった。 だって俺は嬉しかったから。 二本の指で新條のナカを擦る。前立腺を探す。新條にも気持ちよくなってもらいたい。 「‥新條、拡張してる時、前立腺てわかった?」 「ん‥そうかな?ってとこはあったけど、気持ちいいってよりは、なんかぞわぞわする、みたいな感じだった」 「そっか、もう少しナカ触るぞ」 「ん、あ、ささ、い、なんか、笹井に触られてても、きもちいいぞ」 ‥煽ってる?煽ってるよな? もしくは俺の理性を試してるよな? 俺は目の前にあった新條の乳首をまた強く吸って舌で転がした。 「ふあ!あん、あ、それ、も、いい」 新條が艶めかしい喘ぎ声を出す。甲高い声なんかじゃなくてちゃんと男の声なのに、色っぽくてちんこになんかクる。 新條のナカをぐぽぐぽ指でかき回す。少しナカに入った腹側の方に、気持ちふっくりしている部分があってそこを指で押してみた。 「ひあっ!」 びくん、と新條の身体が跳ねた。ここかな。 その少し膨らんだところを二本の指で挟むようにして押し込み、擦る。新條の身体は面白いようにびくびくと跳ね動いた。 「ああ、あ、さ、さい、あああ、ソコ、だめ、なんかおれ、ああ」 俺は顔を新條の腹の方まで下げて新條のちんこを見た。亀頭からとろりと先走りが零れている。それを舐めとるようにして舌を滑らせた。 「ひゃっ、ああ!」 新條の足ががくがくと震えた。俺はちんこをぱくりと咥えて舌でカリのところをちゅぷちゅぷ刺激しながらナカのしこりを擦った。 「ああ、あ、あ、あ、なんか、あ、くる、くるって、ささ、ああ、ああ!」 俺が唇全体で扱くようにしてちんこを愛撫しながらナカのしこりをゴシゴシと擦り上げると、新條は身体全体をぴんと突っ張らせて大きく喘いだ。俺の口の中に新條の精液がびゅくびゅくと吐き出される。どうしてか何の抵抗もなくごくんと飲んだ。青臭い感じが広がったが、そこまで忌避感がなかった。 新條はそのままがくんがくんと身体を震わせて快楽の余韻に浸っているように見えた。 新條の方に顔を向けて聞いてみる。 「‥イッた?」 「あ、ああ、ん、なん、か、変‥」 そう言う新條の顔は、何だかぽやっとしていて茫然と快感を追いかけているように見えた。 俺は、一度座ってちんこにゴムをつけた。 「挿れていい?」 「ん‥」 まだぽやっとしている新條の足元に座り、その足を大きく広げて俺の膝に足を乗り上がらせた。本当は後ろからの方が辛くないと聞いていたのだが、俺はどうしても新條の顔を見ながら挿れたかった。 新條のちんこはくたりとして薄い精液にまみれている。ぬるついたそれを軽く扱いてやると、また新條は喘いだ。 ローションを足して、新條の孔に入れる。指は楽に三本入る。三本の指をナカでバラッと動かし、時々前立腺らしき所を擦ってやると新條は荒く息を吐いた。 指を抜いて、ちんこを当てる。新條の薄赤い孔はちんこがぴたりと当たると誘い込むようにひくついた。俺はたまらなくなってそのままずん、とちんこで新條を貫いた。 「あああああ!」 新條が叫んで白い喉をおれにさらす。 きもちい、きもちいい。柔らかな新條の腸壁が俺のちんこを包んでいる。ぎゅう、としまってたまらない快感を与えてくれる。 「あ、にいじょ、う、いい、すごく、きもちいい、動いても、いいか?」 「あ、あっ、うん、動い、て」 ゆるゆると俺はグラインドし始める。俺のちんこが新條のナカで扱かれている。たまらなくきもちがいい。気合を入れないとすぐにイッてしまいそうになる。 「新條、にいじょ、きもちいいよ、ああ、にいじょう、は、いたく、ない?」 俺は少しずつグラインドを激しくしながら新條のナカを突き上げる。痛くないか、と聞いているくせに腰を振るのがやめられない。 ぐちゅっぐちゅっといやらしい音が響いている。 「き、もち、いいよ、あ、そこ、そこいいから、ああ、もっと、擦って‥」 そんなことを言う新條に俺はまんまと煽られて、ぐっぽぐっぽとちんこを激しく抜き挿しした。たぶんここ、さっき新條が感じていたしこりの辺りを意識しながら強く突くようにして擦り上げる。 「あああ!いい、イイ、笹井、いいよぉ、ああ、ん、んあ、」 「新條、やばい、俺、もう、イク、かも」 「あっ、あっ、あん、あ、いい、ついて、そこ突いて、いいッ」 激しくなる新條の嬌声に乗って、俺はがんがんに腰を振りたくり、新條を突き上げた。 「あああああああ!」 新條のひと際高い嬌声を聞いた時に、俺のちんこも解放されたようにびゅるびゅると新條のナカで精を吐き出した。 たまらなく、気持ちよかった。これまでやったどんな妄想の新條より、本物の新條の方が百倍エロくて、千倍気持ちよかった。 ゴム越しではあったが、新條のナカに精液を出したということに途轍もなく興奮した。 ずる、とちんこを抜いてゴムの始末をしてからペットボトルの水を飲み、新條の横にごろんと寝た。新條はまだ荒く息を吐きながら薄く目をつぶっている。赤く染まった顔が愛おしくて、横から頬にキスをした。その刺激にビクッと身体を震わせて新條は目を開け、俺の方を見た。 「ささい」 「ん?なんか飲む?」 「‥もう一回したい」 若いって素晴らしい。 俺のちんこは、三回目でも何の問題もなく超元気に、臨戦態勢になった。

ともだちにシェアしよう!