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第27話 ぴったり密着、心も翻弄 ※R-18
「……涼太くん、大丈夫?」
「……う、ん……」
小さく頷くと、瑞樹はふっと笑った。
「すごく可愛かった」
「……っ、言うな、恥ずかしい……」
顔を瑞樹の胸に埋めると、頭を撫でてくれる。
「……涼太くん、もしかしてキャパオーバー?」
「当たり前だろ。初体験でこんなの、ハード過ぎる……」
「でも、気持ちよさそうだったよ?」
「そ、それとこれとは違う!」
布団を引っ張って顔を隠そうとする俺を、瑞樹が押さえる。
「逃げないで」
「逃げるわ。つーか、お前余裕ありすぎだろ!」
「余裕ないよ。めっちゃドキドキしてる」
「どこがだよ。さっきからニヤニヤしてるくせに」
「だって涼太くんが可愛すぎるから、楽しくて」
「楽しむな!」
俺が叫ぶと、瑞樹は笑い出した。
「あはは、やっぱり涼太くん最高」
「笑うな。マジで恥ずかしいんだよ!」
「ごめんごめん。でもさ、涼太くん」
「……なんだよ」
「俺、まだイってないんだけど」
そう言われて、ハッとする。
そういえば……。
「……っ、そ、それは……」
「どうする?」
ニヤニヤしながら聞いてくる瑞樹。
くそ、こいつ、絶対楽しんでるだろ。
「……し、知らない」
「知らないって言われても困るんだけど」
「だって、俺、もう……」
「もう?」
「……力、入んない……」
小さく呟くと、瑞樹は「あー」と納得したように頷いた。
「そっか、初めてだもんね」
「……うるさい」
「じゃあ、俺が動くから、涼太くんは寝てて」
「は?」
「このまま、俺だけイくから」
「ちょ、待て、それって――」
言い終わる前に、また中に入ってくる。
「あっ……!」
瑞樹はゆっくりと腰を動かし始めた。
「あッ、だめっ! あっ……、まっ、あっ……」
「涼太くん、力抜いて」
苦笑いしながら抱きしめられ、さっきより勢いをつけて腰を打ち付けられる。
「ひゃ、あぁっ! そ、あっ、そこ……」
「ん、ここ?」
「は……あっ! ……んっ……」
腰を引っ張られて敏感なところを刺激されて、思わず腕で口を押さえる。
「手どけて」
「んッ、あ、……っ!」
瑞樹に勝手に腕をどけられて、叫ぶ寸前で何度もキスされる。
「……っ、ん!ッ、んっ、」
その間も、俺のいいところを責めるのはやめてくれない。
キスの間に息を吸おうとしても、すかさずまた塞がれる。
息が詰まりそうで、思わず顔を逸らすと――今度は突然耳を噛まれた。
いったん抽挿のペースを落とされたけど、すぐにまた速さが増す。
腰を引き寄せられると、閉じられていた最奥まで侵入してきた。
「あぁ! 奥、だめっ、だめぇ!」
「……俺も、やば……い」
瑞樹の声も切羽詰まってて、俺の心臓が跳ねる。
一気に射精感が襲ってきて、必死に抵抗するけど、突き上げられる腰の快感でうまくいかない。
「や、ッ、あ、はあっ……」
首を振って、シーツをいっぱいに握りしめて逃げようとするけど、瑞樹はしっかり腰を掴んで離さない。
「もぉ、やだやだ、あっ、瑞樹! あ、あ、あっ」
揺さぶられて気持ちよすぎて、いきそう。
いきたい、でも怖い、いきたくない……!
そんなぐちゃぐちゃな気持ちを知ってか知らずか、瑞樹は容赦なく突いてくる。
「ん、……あ、ん……っ」
「涼太くん、その声……やばい……」
瑞樹の声が掠れてきて、表情も少し崩れてくる。
「み、瑞樹……」
「ん……?」
「お前も、……気持ちいい……?」
「……っ、当たり前だろ」
そう言って瑞樹は俺にキスをした。
深くて、でも優しいキス。
「……っ、涼太くん……一緒にいこ」
俺の耳元で囁くと、そのまま耳朶に軽い痛みがきて、快感が背中に走った。
「あっ……あぁっ……!」
瑞樹の動きが少しずつ速くなって、そして――ぎゅっと抱きしめられて、瑞樹が体を震わせた。
「……はぁ、……はぁ……」
肩で息をする瑞樹。俺も同じように、息が荒くなってる。
俺の根元まで入っていたモノがゆっくりと引き抜かれていく。
ちょっと名残惜しいと思ったのは……内緒だ。
「……瑞樹」
「……ん」
「重い」
「……ごめん」
初めてだったのに、ぐちゃぐちゃに攻められた。
でも大好きなんだよな……って思う。
布団の中で、もぞもぞと瑞樹に近づいて、ぎゅって抱きつく。
瑞樹も、くすっと笑いながら俺を抱きしめ返す。
二人で体をくっつけて横になると、瑞樹の腕が自然に俺を包み込む。
布団の中の柔らかい温もりと、まだ残る快感が混ざって、なんとも言えない幸福感。
「ん……じゃあ、ゆっくり休もうか」
「うん……」
瑞樹の腕に包まれたまま、俺は深く息を吸って、吐きながら体を委ねる。
耳元でかすかに聞こえる瑞樹の呼吸が、まるで心臓と一緒に鼓動しているみたいで、なんだか妙に安心した。
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