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第2話
ー1時間後ー
「ぜえ、ぜえ、も、もう歌えねぇっス……」
「おんぎゃああああああ‼︎‼︎」
「頭が……おかしくなりそうだ……。んっ? おいヤス、なんか臭わねえか?」
「え……? ほんとだ、臭うっスね。……」
おそるおそる赤ん坊のオムツをめくると、案の定大きい方が見えてきた。
「アニキいいいい‼︎‼︎ オムツ、替えのオムツはどこっすか⁉︎⁉︎」
「あるわけねぇだろんなもん! お前買ってこい!」
「分かったっス、その間このガキ頼みます」
「えっ? いや連れてけよ!」
「ハァ⁉︎ うんこ出てるガキ連れて買い物なんか行けるわけないじゃないスか‼︎ アニキなら行けるんスか⁉︎」
「うぐっ……、じゃ、じゃあ俺が買いに行く!」
アニキはコンビニで3枚入りのヤーミーのオムツを買ってきた。
「助かったっス! で、どうやって拭くんスか?」
「ああ? トイレットペーパーだろうが?」
「んなわけないでしょうが。普通は、あのなんか、おしり拭きとかで拭くんスよ。甥っ子が生まれたときにやってましたもん」
「知るか! 最初に言え!」
「言わなくても常識ってもんがあんでしょうが!」
「分かったよ、買ってくりゃいいんだろ」
「ダメっス、ガキも俺ももう限界っス! 今日はトイレットペーパーで拭って、残りはシャワーで流すっス」
「おうそうか、ならそれで」
「は? なにサラッと押しつけようとしてんスか? アニキがやるんスよ」
「ハァ⁉︎ なんで俺がんなことしなきゃなんねぇんだよ、ふざけんなよ‼︎」
「そりゃこっちのセリフですよ、アニキが買い物行ってる間、ギャン泣きのガキ見てたの俺っスからね‼︎ てか買い物だってコンビニ行くだけなのになんで40分もかかったんスか。漫画の立ち読みでもしてたんでしょ⁉︎」
「うっ……」
図星を突かれたのか、アニキはしぶしぶヤスの指示通りに赤ん坊の世話をした。
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