7 / 8
第7話
ー1ヶ月後ー
ママンからの返信。
『いつもお世話になっています。私、ついに決意しました。この度、看護学校入学に向けて勉強に励むことに致しました。やっぱりお金は、自分の力で稼がなくちゃいけないと思ったんです。学校に行って看護師になって、しっかり稼いで、そのお金であの子を迎えに行きます。その日まで、どうぞよろしくお願いします』
その日はちょうど、ボンが初めて立った日だった──。
ー三ヶ月後ー
「ほら、あんよは上手! あんよは上手! パパたちはこっちでちゅよ〜!」
手を広げて待つアニキの胸に、ボンがぼふんと抱きついた。
「やったー! 十歩も歩けたっス〜!」
「うちの子は天才だぁ〜!」
ー1年後ー
「どうも、今日からお世話になります。ボンは保育園は初めてなもので、どうぞ宜しくお願いします」
「はい! 私たちが責任持ってお預かりします。お父さんもお父さんも、お仕事がんばってきて下さいね!」
ー四年後ー
「ながいようで、みじかかった、ほいくえん!」
「ほいくえん!」(合唱)
「うぅ……ボン……立派になって……」
「アニキのお陰っすよ……」
「何言ってんだ、ヤスがいてくれたからだろ……」
ともだちにシェアしよう!

