31 / 67

第31話 赤髪編  ほとりの居場所

「ほとりをどこに持ってったんだよ!」  ほとりの監禁場所を聞き出す必要がある。  繭から頭だけを出させて、ヘルメットを剥ぎ取った。可愛斗が。  俺以上に激昂している。ほとりと後恐らく、壊れたスマホの恨みも乗っかっているのだろう。目を血走らせ、謎の人物に唾を飛ばしていた。 「ふざけるなよ! ほとりが可愛いからって。あいつは俺のだぞ」 「動くな。やりづらい。それとお前のじゃない」  怒鳴りまくっている可愛斗の指を手当て中だ。放っておいてもいいのだが、こいつの怪我を見ると、優しいほとりはきっと悲しい顔を見せる。  フルフェイスヘルメットの中身は、髭が渋い男だった。若造の怒りなどどこ吹く風といった具合で目を逸らしさえしない。完全に舐められている。 (まあ、見るからにプロだろうしな) 「なんとか言えよ!」  その時、置いてきたルンバさんが帰ってくる。 『ただいま戻りました』  可愛斗の襟首を掴んで玄関まで迎えに行く。 「引きずるなぁああ。何っすんだイケメン野郎」 「ルンバさん。今から訊問する。平和な国の住人には見せられない。悪いんだがこいつを、こいつの家に放り込んできてくれないか?」 『それでしたら頭を開き、脳に直接訊けばよろしいかと具申いたします』  無機質な声に、騒いでいた可愛斗が黙り込む。 「なにこのルンバ……こえぇんだけど。最近のAIって、怖いの?」  俺は首を横に振った。 「ほとりの家を、血で汚せない。頼む」 『かしこまりました。ミチ様。念のため訊きますが、お怪我は、ありませんか?』 「……」  ――これで嘘でも怪我したと言えば、ブチギレるんだろうなぁ。  大人しいので忘れがちだが、俺の星を支配できるほどの生物だ。 「怪我はない」 『安心しました。それでは』 「あ、ちょ!」  可愛斗がルンバに引きずられていく。 「おい、イケメン野郎。……よく分からねぇけど、任せていいんだな⁉」 「大丈夫だ。あとは任せてくれ」  爪が食い込むのも構わず手を握りしめる。  腸が煮えくり返っているのは、俺もなんだよ。 ♢ 「卿次(きょうじ)さんは?」 「あのガキを調教中だとよ」  顔の半分を腫らしたサングラス男は「ははーん」と笑う。 「そういうの好きだ。俺も混ぜてもらおっと」  入ろうとしたが同僚に止められる。 「立ち入りは禁止だ」 「なんでだよ! 俺だってあのガキ玩具にしたいぜ?」 「この作品、R指定されてないから、内部は映せないんだ」 「……すげぇメタいこと言うじゃん」

ともだちにシェアしよう!