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第31話 赤髪編 ほとりの居場所
「ほとりをどこに持ってったんだよ!」
ほとりの監禁場所を聞き出す必要がある。
繭から頭だけを出させて、ヘルメットを剥ぎ取った。可愛斗が。
俺以上に激昂している。ほとりと後恐らく、壊れたスマホの恨みも乗っかっているのだろう。目を血走らせ、謎の人物に唾を飛ばしていた。
「ふざけるなよ! ほとりが可愛いからって。あいつは俺のだぞ」
「動くな。やりづらい。それとお前のじゃない」
怒鳴りまくっている可愛斗の指を手当て中だ。放っておいてもいいのだが、こいつの怪我を見ると、優しいほとりはきっと悲しい顔を見せる。
フルフェイスヘルメットの中身は、髭が渋い男だった。若造の怒りなどどこ吹く風といった具合で目を逸らしさえしない。完全に舐められている。
(まあ、見るからにプロだろうしな)
「なんとか言えよ!」
その時、置いてきたルンバさんが帰ってくる。
『ただいま戻りました』
可愛斗の襟首を掴んで玄関まで迎えに行く。
「引きずるなぁああ。何っすんだイケメン野郎」
「ルンバさん。今から訊問する。平和な国の住人には見せられない。悪いんだがこいつを、こいつの家に放り込んできてくれないか?」
『それでしたら頭を開き、脳に直接訊けばよろしいかと具申いたします』
無機質な声に、騒いでいた可愛斗が黙り込む。
「なにこのルンバ……こえぇんだけど。最近のAIって、怖いの?」
俺は首を横に振った。
「ほとりの家を、血で汚せない。頼む」
『かしこまりました。ミチ様。念のため訊きますが、お怪我は、ありませんか?』
「……」
――これで嘘でも怪我したと言えば、ブチギレるんだろうなぁ。
大人しいので忘れがちだが、俺の星を支配できるほどの生物だ。
「怪我はない」
『安心しました。それでは』
「あ、ちょ!」
可愛斗がルンバに引きずられていく。
「おい、イケメン野郎。……よく分からねぇけど、任せていいんだな⁉」
「大丈夫だ。あとは任せてくれ」
爪が食い込むのも構わず手を握りしめる。
腸が煮えくり返っているのは、俺もなんだよ。
♢
「卿次(きょうじ)さんは?」
「あのガキを調教中だとよ」
顔の半分を腫らしたサングラス男は「ははーん」と笑う。
「そういうの好きだ。俺も混ぜてもらおっと」
入ろうとしたが同僚に止められる。
「立ち入りは禁止だ」
「なんでだよ! 俺だってあのガキ玩具にしたいぜ?」
「この作品、R指定されてないから、内部は映せないんだ」
「……すげぇメタいこと言うじゃん」
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