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第8話 海に投げ入れたブランデー瓶。(2)

レイズナーはセシルから奪ったブランデーを瓶ごと口を付けて飲んでいたいた。 シルビーがヤキモチを妬いていたように、またレイズナーもヤキモチを妬いていた。 だからといって酒に強いレイズナーは酔ってなどいないシラフなのでこの感情の始末に困る。 シンディを見るセシルの表情は始めてみるもので、本当にただの完璧なヤキモチでしかない。 今ここにあの砂時計があったら、ひっくり返し人前でセシルを自分のものにするのに、などと考えるレイズナーは自分が嫌で仕方がなかった。 「……本気の恋か」 レイズナーも恋をしている。 いや、恋などという甘いものではなく、大人の関係があるつもりでいた。 だから自分はセシルのシャドウで、セシルの盾であり剣でもある。 「……俺が弱いとセシル(本物)まで弱くなる」 レイズナーは残ったブランデーのキャップを閉め、瓶ごとそのまま海に投げ入れた。

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