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第21話 海賊と言ったら海と船。(2)

レイズナーはセシルの部屋を後にした。 セシルが拒めばレイズナーはこの船にいられなくなるのは事実な為、レイズナーは何も言えずセシルの部屋を後にした。 こんな拒まれ方をしたのにレイズナーはセシルを憧れずにはいられなかった。 セシルは独裁者で、そしてとても傲慢で我儘だ。 そしてそれを押し通る力やカリスマ性があり、 だからレイズナーはセシルに憧れたはずだった。 「ただ、俺はあんたを知りたかっただけだった」 そのはずなのに、口論になり喧嘩まで発展してしまった。 もう聞かないことにしよう、言わないことにしよう。 セシルにも何か事情があるのだろう。 そう思いながら、操舵室に向かった。

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