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第25話 思いがけない想い。(2)
セシルはウィリアムズに自分だと分からないだろうという距離に腰を下ろした。
「今日は海軍に友がいるという仲間が俺の身近にいるんだ。その仲間が、残させた者達がどうしているか知りたいと話していた」
「そうか。友は元気にしているのだな」
「元気すぎて、暴れたりないそうだ」
ウィリアムズの声色はとても落ち着いているように感じたセシルは物心付く前、昔を思い出していた。
幼い頃から一緒にいた幼馴染みだと懐かしく感じ、少し切なさを感じた。
「私の友は毎日何処かで暴れているようだが、あいつならそれだけでは足りないと言いそうだ」
毎日暴れている『キャプテン・セシル』はセシルのシャドウ(影武者)のレイズナーだが、それをウィリアムズに言うわけにはいかないセシルは言葉を飲んで、当初の目的のことを聞いた。
「それで、……残された者達はどうしているんですか?」
ウィリアムズは少し間を置いてから、静かにゆっくりと話を再開した。
「妹はずっと嘆き悲しんでいる。愛する友を傷付けた私を、きっとエリザベスは許さないだろう」
「何故、……あんたの妹の話をする?」
「セシルが一番に気になっているのは、愛する私の妹エリザベスのことだと思っているからだ」
「俺には何がなんだか……」
セシルは分からないふりを続けたが、ウィリアムズはそれを許さなかった。
「最初から私だと気付いているのだろう、セシル」
「お前も最初から俺だと気付いていたのか、ウィリアムズ」
ウィリアムズはセシルに微笑みかけていた。
その表情は、幼い頃と何も変わらないものだった。
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