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第27話 思いがけない想い。(4)

思ってもみない方向に話が傾いていた。 あの堅物のウィリアムズはセシルが好きだった、そう彼は言っていた。 「なっなんで、今更になってお前はそんなこと言いやがるっ!!」 「焦っているからだ、セシル。……お前が弟分に抱かれ愛されていることを知って、私は今とても焦っているのだ」 確かにそうだろう。 好きな人が他の男に抱かれていたら、誰でもそんな気持ちになるだろう。 「お前が好きになるのはいつも女性だった。だから私はお前に想いを伝えられずにいた。だが今はお前は弟分に抱かれているのだろう?私が想いを伝えていれば、お前は私に恋愛感情を向けていてくれた可能性もあった。……それを否定出来るか?」 それは否定も肯定も出来ない内容だった。 セシルがレイズナーに抱かれている切っ掛けは右目の傷のせいだ。 だがその切っ掛けが無くても、可愛い弟分のレイズナーがセシルに想いを寄せていることを伝ていたら。 今と同じように一途に好きだと求められていたら、抱かれていたに違いないと今ならそう思えてきた。 だからもしレイズナーと出合わない、自分が海賊の道を歩まずにウィリアムズの想いを知っていたら、違う道を歩んでいたかもしれないとセシルは思った。 「ウィリアムズ、俺はお前の想いには応えられない」 「お前の弟分にも、そう言っているのだろう?」 「!!……ああ、そうだ」 図星を刺されて、セシルは気分が悪くなった。 「セシルよ、弟分にはどう愛されている?」 ウィリアムズの手がセシルの腕を掴んだいた。 「お前には関係ないことだろっ」 「俺は国に残されて、とても辛かった。愛する人に傷を負わせ、もしかしたらその傷のせいで殺してしまったかもしれない、そう思うととても自分が許せなかった!!」 ウィリアムズの手が俺の腕を引いて、そのまま抱き締めた。 「おい、放せよっ!!」 「とてもお前に会いたかった。傷を付けたことも謝罪したかった。そしてセシル、幼い頃から……お前がずっと好きだった。私のその気持ちは、今も昔も何ら変わらない」 その弱々しいウィリアムズの言葉を耳にしたと同時に、セシルは何も抵抗など出来なくなっていた。 ただセシルは砂浜でウィリアムズと優しいキスを交わし、服を乱し抱き合った。 「ここで夜お前と会うときは、私はお前を捕らえない。だからセシル、お前も私と同じ条件でいて欲しい」 「……分かった」 ウィリアムズはセシルを犯した。 拒みきれないセシルは、そのままウィリアムズを受け入れた。

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