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第26話 つがいの絆を深める ※R-18

「……冬馬」 冬馬のシャツをつまむように握ったまま、名前を呼ぶ。 「律……まだ怖いか?」 「……別に」 「嘘だな」 そう言われて、手を離そうとした瞬間――冬馬の指が俺の手を包んで止めた。 「離さなくていい。嫌じゃなきゃ、そのままでいろ」 顔が一気に熱くなる。 冬馬は、そんな俺の反応を見て、少しだけ目を細めた。 「律」 「……なに」 「つがいの絆を、もっと深めよう」 「どうやって……」 「……こうやって」 冬馬の手が俺の頬に触れた次の瞬間、唇が重なる。 深く、ゆっくり、逃げ道を塞ぐみたいなキス。 「……ん……」 息が吸えなくなるのに、不思議と苦しくない。 冬馬の匂いと体温が、頭の中でぐるぐる回る。 口が離れたと思ったら、今度は耳元に唇が触れた。 「律……お前のフェロモン、甘いな。ずっと我慢してた」 「っ、そんな……耳元で言うなって……」 耳たぶが熱くて、身体の奥まで震える。 「俺の匂いとお前の、混ざってる」 「……混ざるって……」 「これが“つがい”ってやつなんだよ」 冬馬の手がそっと腰に触れる。優しいのに、離さない触れ方。 「律……いいか?」 俺が見上げた先の冬馬の目は、真剣で、熱くて―― その視線だけで、呼吸が乱れる。 「……っ」 「ダメなら言えよ。止めるから」 「……いい、よ」 その瞬間、冬馬の腕が俺を強く抱き寄せた。 胸板に押しつけられて、逃げられない。 「冬馬……」 名前を呼ぶと、冬馬が喉の奥で息を呑んだ。 「……冬馬、触って」 俺がそう言った瞬間、冬馬の体温がさらに近くなる。 冬馬の手が、俺の背中をゆっくりなぞったところで――空気が一段濃くなった。 「……今から、上書きする」 「上書き……?」 冬馬の指が服にかかる。 乱暴じゃない。……けど、冬馬が触れるたび、びくっと震えてしまう。 「ここ、触られたな」 「……うん」 冬馬は俺の腰にそっとキスを落とした。 浅く優しく、繰り返し――埋めるように、取り戻すように。 「ん……冬馬……」 「ここも……。律を、ちゃんと取り戻したい」 その言葉どおり、冬馬は俺の体に柔らかなキスを散らしていく。 くすぐったいのに、甘くて、息が漏れる。 「あ……っ」 「全部、俺の痕跡で埋めたい……律が安心できるようにな」 冬馬が首筋に歯を立てる。だけど、驚くほど優しい。 「痛……っ」 「ごめん……でも、お前は俺のものだって、ちゃんと伝えたいから」 噛んだあと、舌でそっと慰めるように触れてくる。 「あっ……冬馬……っ……」 冬馬がゆっくりと俺の奥へ入ってくる。 呼吸を合わせ、痛まないように慎重に。 「んっ……あぁっ……」 「律……大丈夫か」 「冬馬……っ……」 冬馬の腰が動き始める。深いけれど、荒くはない。 「俺だけを見ろよ」 「見てる……冬馬だけ……」 深く触れられるたび、奥が痺れるように満たされて震えた。 「あっ……! 冬馬……!」 「律、お前は、誰のもの?」 「んっ……冬馬の……冬馬だけのもの……」 「……可愛い、律……」 冬馬がぎゅっと抱きしめてくれる。 守るように、包むように。 「お前は……俺だけのものだから」 「……うん……知ってる……」 やがて二人で頂点に辿り着いた。 ぐったりと息を整えている俺の体には、冬馬の痕跡が点々と残っている。 でも、どれも痛みより温かさが勝っていた。 「冬馬……やりすぎだって……」 「……ごめん」 冬馬はまた抱きしめてくる。 大きな体温に包まれながら、胸の奥まで落ち着いていく。 「他の男に触られて……黙ってられるわけ、ないだろ」 「……ごめん……」 「律は悪くない」 額に落ちてきたキスは、少し震えていた。 「もう二度と……他の男には触らせない。俺が守る」 「……うん」 頷いた瞬間、冬馬の瞳がまっすぐ俺を捉えた。 独占欲より、強い愛しさでいっぱいの目。 こんなふうに深く愛される感覚が、胸の奥でゆっくり溶けていった。

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