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もっと*

「…………っ……ん……っ」 強烈な圧迫感に、思わず息が詰まる。 俺は意識して、息を長く、ゆっくりと吐く。 きっと俺が腹に力を入れてしまうと、リンも入れづらいだろうから。 「痛む、ところは……、ございませんか……?」 いやいいから。 そんな苦しそうな声して、俺のこと心配しなくていいからさ。 「だいじょぶ、だから……、もっと、全部、入れて……?」 俺が促せば、リンはまたおそるおそるとそれを進める。 「っ、ぁ……」 先の太い部分が飲み込まれて、ボコリとした感触が内側を擦る。 「ぁあっ」 思わず揺れた俺の腰に、リンがまた動きを止める。 「痛くは……」 「痛くないっ! も、痛くないから……早く、きて……っ」 じわじわと迫り上がる感覚が、堪え切れない。 切なさに涙が滲む。 今にも腰を振ってしまいそうで、でもそしたらまだ浅いリンのそれが抜けてしまいそうで……。 どくどくと心臓が速くなって、身体中が熱を持つ。 リンのそれを、早く奥まで欲しいと、俺の身体は切実に訴えていた。 俺に急かされて、リンが少しだけ速度をはやめる。 「あ……ぁぁ……んっ、ぁぁああん……っ」 ずぶずぶと入り込むリンの物は俺の中をいっぱいに満たして、俺はたまらなく幸せになった。 ぐちゅ、と奥にリンの物が当たる。 ずっしりとした質感が腹の奥に伝わる。 甘い甘い刺激に、それだけで俺の身体はビクビクと跳ねた。 「ぁ、気持ちい……、リンの……」 上がる息の合間から伝えると、リンの腰が小さく揺れる。 「あ、の……」 言いづらそうなリンの声。 この体勢だと顔が見えないから辛いな。 「申し訳、ありません、もう……」 ああ、イキそうなのかな。 あれだけ我慢してたもん、遠慮しないでイっていいのに。 「きていいよリン。俺の中に、出して……?」 俺の言葉だけで、リンの物はビクリと震えて一回り大きくなる。 「ぁ、ありがとうございますっ」 リンは感謝の言葉とともに腰を揺らし始める。 リンが俺で感じてくれてるなんて、すごく嬉しい。 「ぁ、あ、ぁあっ、んっ、あっ、イイっ、リン、気持ちいぃよ、っ」 あくまで激しくならないように、リンはゆっくりと俺の中を突く。 それが焦ったくて、もっと早くしてほしくて、俺は身を捩る。 「んっ、リン、もっと……、早、く……ぅ」 それでもリンは気持ち程度にしか速度を上げてくれない。 もっと乱暴にしたって、俺は壊れないのに……。 だけどリンの熱量はすごくて、ずくずくと内を擦られて繰り返し奥に触れられれば、俺の方が先に追い詰められてしまう。 「あっ、あぁっ、んんんっ、ぅ、あ、ぁあ、……っ、イキそ……」 奥が熱くて、リンのが当たるたびに目の前で光が弾けるくらいに気持ちいい。 「ケイト様……っ」 後ろから、ぎゅっと抱きすくめられる。 「ぁあんっ」 奥をぐっと押さえられて、そのまま優しく揺さぶられれば、俺の中に溜まった甘く痺れるような感覚がじわりと溢れ出した。 「ぁ、あ、あああっ、んんんんんんんっっっ……っっっ」 ぎゅううと腹の奥から順に身体中がそこへと集まるような感覚。 俺の前からも、1度も触られないままに白濁が吐かれる。 「っ、く……っ」 リンの苦しげな声が漏れる。 絞られる俺の内側で、リンの物がもうひと回り怒張する。 「ぁっあぁあああああああああっっっ」 ぎゅうぎゅうと収縮する俺の内側で膨らむリンのものに、突き刺さるほどの快感を感じる。 けれど、リンは俺を案じてか動きを止めてしまう。 「や、やめな、で……、もっと、きて……っ」 涙に滲む声で縋れば、リンは弾かれるように動き出す。 「んっ、あっ、あぁっぁああんっっ」 リンのそれから熱いものが迸る。 俺の内側にリンの熱が広がる感覚が、たまらなく気持ちいい。 「は、あっ、ぁあっ、ぁああああっ、んんっ。ぅああんっ」 あまりに強烈な快感に、俺は抱かせてもらっていた枕に縋り付く。 「ぁぁあぁぁぁぁっっ」 頭を振って、それでも受け止めきれない快感に、俺はぎゅっと目を閉じる。 内側が蕩けそうに熱い……。 何度も小さく跳ねる俺の身体は、いつまでも快感の余韻を残している。 「ケイト様……」 リンが俺を慰めるように、背中から優しく抱きしめてくれる。 背中に感じるリンの肌はしっとりと濡れていて、2人の間で2人の汗が混ざり合う。 「ん……、リン……、すごい、気持ちよかったよ……」 俺の言葉に、ふふっとリンが笑った気配がする。 「リン、顔を、見せて……?」 「はい、ケイト様」 ひょこっと俺の隣に背を屈ませて現れたリンは、やっぱりすごく幸せそうに笑っていた。 「リンも、気持ちよかった……?」 俺の言葉にリンは青い瞳を丸く瞬かせる。 それから、蕩けそうなほど甘い笑顔で「はい」と言った。 「嬉しいよ……」 幸せな気持ちで胸がいっぱいになると、じわりと涙が滲んだ。 名残惜しそうに俺の背に口付けを落としていたリンが、「抜きますね」と言う。 俺は「うん」と答えたけれど、それがずるりと抜き取られてしまうと、途端に寒々しいような寂しさを覚えた。 もう……これで終わりなのかな……。 もうちょっとだけ、したかったな……。 俺の後ろを手拭いで拭ってくれているリンの顔を見上げる。 リンが気づいて「ケイト様……?」と尋ねる。 「もう、おしまい……?」 首を傾げると、リンの顔が一瞬で真っ赤になった。 「ケ、ケイト様がお望みでしたら、何度でも致しますっ!」 その言葉に、胸だけじゃなくお腹の奥も熱くなる。 「ありがとう、嬉しいよ……」 俺の感謝の言葉に、リンのものがグンと立ち上がる。 俺にはそれがとっても嬉しい。 「今度は、リンの顔見ながら、したいな」 リンは俺の求めに青い瞳にうっすらと欲を滲ませて「はい」と応えてくれた。 ありがとう、リン。 いっぱい優しくしてくれて、いっぱい大事にしてくれて、本当にありがとう……。 俺、一生忘れないから。 リンの事も、今夜の事も、一生覚えてるからね……。 *** 私にそのお身体を許してくださったケイト様は、本当に可憐でお可愛らしかった。 私のもので悦んでいただけた事に、無事役目を終えることができた事に、私は心底安堵していた。 そんな私にケイト様は仰った。 今度は私の顔を見ながらしたいと。 こんな僥倖が起こり得るのだろうか。 私はあまりの喜びに震えながら、ケイト様のお身体にそっと手を添えて仰向けにする。 ケイト様は私と顔を合わせると、はにかむように「ふふ」と笑った。 恥ずかしそうで嬉しそうなその笑顔に、胸がぎゅうと音を立てる。 ああ、この方が……私を求めてくださるなんて……。 喜びに背を押されるようにして、私は私へと差し出されたケイト様のお身体へと覆い被さった。 ケイト様がごくりと喉を鳴らしてくださった事が嬉しくて、その期待にお応えしたいと願いながら、音を立てた首元へと口付ける。 「……ん……」 ケイト様の柔らかな唇から、甘い声が小さく漏らされる。 私はその反応に少し驚いて、ケイト様の首筋にも唇を寄せてみた。 ふるる、と小さく揺れたその黒く控えめなまつ毛に、私は期待を込めてそっと彼の首筋に舌を這わせてみる。 「んぅ……、ぁ……」 ケイト様は私の期待に応えるように、甘い声を零してくださった。 頭の隅に、今日アオイ様にいただいたばかりのお言葉が蘇る。 『後は!? まだ聞く気かよっ! もうとにかくどこでも撫でたり舐めたりしてやりゃいーだろっ!? 反応見て、相手に合わせてやれよ!!』 もしかして、そういうことなのだろうか。 私がケイト様のお身体に触れる事は、ケイト様にとって悦びであると……? 私はドキドキ煩い心臓を宥めつつ、ケイト様のふっくらと柔らかく逞しいその胸へと指を這わせる。 今まで何度となく私を抱き寄せ慰めてくださったその胸は、やはり温かく柔らかかった。 少しでも力を入れてしまえば硬くなってしまうはずのそれが柔らかなのは、私が触れやすいように彼が力を抜いてくださっているからに他ならない。 これを……例えば私が揉んでみても良いのだろうか。 私が戸惑いながら顔を上げれば、ケイト様は「ん? いいよ?」とくすぐったそうに微笑んでくださった。 まるで女神様のような慈愛に満ちた微笑みに、私は彼の胸へと顔を埋める。 すり、と頬を寄せた拍子に、私の鼻が彼の胸の先端に触れる。 と、彼は息を詰めてびくりと肩を揺らした。 私はその様子に驚いて彼の胸を見る。 ケイト様の胸の突起は私の視線に応えるようにして、見る間にムクムクと立ち上がり、ぷっくりとどこか美味しそうに膨らんだ。 これはどういうことなのか。 考えてしまってから、それが苦い答えであることを知る。 私は彼の小さな果実を慰めるように、そっと唇で撫でた。 「ぁっ……」 鼻にかかった甘い声と、ぴくりと揺れた彼の腰に、そこが彼にとって非常に敏感な場所であることを知る。 私はそこへと舌を這わせた。 「んっ、あ……っ、んんっ」 彼に教えていただいた深い口付けのように、丁寧に舐めてそっと吸い上げれば、彼の腰がビクビクと跳ねる。 「ぁああっ」 そっと顔を上げればそこには、頬を朱に染めて息を乱した美しい方のお顔があった。 彼が感じているのだと分かると、私の胸に喜びが湧き上がる。 私の拙い愛撫に、彼はひとつひとつ反応を返してくださる。 それが私には、嬉しくてたまらない。 反対側はどうだろうか、彼の反対側の胸を掌で撫でさすれば、同じようにぷっくりと弾力のある粒が立ち上がる。 左右のそれを同時に刺激すると、彼は愛らしいお声を次々に溢した。 その唇がたまらなく可愛らしくて、そっと唇で塞いでみる。 すると彼の甘い声は私の内へと漏らされた。 「んっ、んぅっ、んんんっ、ぅぅんっ」 くぐもったそのお声に、まるで彼が私だけにその快感を教えてくださっているような気がして、私の中心が痛いほどに熱をもつ。 唇を離せば、ケイト様はとろりと熱を浮かべた黒い瞳で私を見つめて、切なげに眉を寄せて私にねだった。 「リンの、が、欲しいよ……」 カッと身体中が熱くなる。 「は、はいっ、ただいま!」 私はいそいそと彼の脚を持ち上げる。 向かい合わせでは、彼の脚をかなり持ち上げなくてはならないが、お苦しくないだろうか。 尋ねようとする私に、ケイト様が両腕を伸ばされる。 ぎゅっと私の頭にしがみついてきたケイト様の、熱い息が私の耳にかかった。 「はや、く……っ」 お待たせしてしまっていた事実を知り、私は焦りながら、まだ柔らかな彼の内へと素早く自身を滑り込ませた。 「ん、っ、あ……っ」 彼の背がぞくぞくと震えるのが彼に抱き寄せられた両腕から伝わる。 「ぁ……気持ちいい、よ、リン……」 それが快感によるものなのだと優しく伝えられて、私は喜びで胸が詰まる。 「んっ、……もっと……、奥まで、来て……」 「はいっ」 彼の求めに応えて、私は彼の奥へと腰を押し付ける。 「あ……っ、ぁあぁ……、んっ、イイよ……、リン……っ」 彼が求めてくださるのならば、私はきっと何度だって応えられる。 こんなに愛らしく淫らなそのお姿を前にしては、むしろ応えられない事の方が考えられないことだった。

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