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【番外】キリアダンで蒼が2か月弱の眠りから覚めた夜のお話*

◆◆◆◆ 『分かった事、分からない事、分かってしまった事(*)』の前半で 抱き潰されたと説明されていた、蒼とセリクのR18シーンです。 興味のない方は飛ばしてもらってOKです。 ◆◆◆◆ セリクはその日も、眠るアオイの傍でキリアダンの書庫から借りてきた本を読み耽っていた。 次第に日が傾いてきて、手元の字が追いづらくなってくる。 ランプを取ってこようか、と顔を上げた時、アオイが小さく動いた気がした。 アオイは、キリアダンでの披露を兼ねた冬祭りの開催式典を終えた後で、長い眠りについてしまった。 「ギリギリまで起こすなよ」と言われていた護衛騎士達は、出立式が間近に迫ってきて、明日には起こそうか、明後日にはどうしても起こさねば……なんて相談を隣の部屋でしていた。 僕はアオイの顔をそうっと覗き込む。 僕が見つめる前で、アオイは静かに紫色の瞳を開いた。 「アオイ……」 アオイが目を開いてくれた。 僕をまた見てくれた。 それがどうしようもなく嬉しくて、あっという間に視界が涙で埋まった。 「……んだよ、セリク……。お前オレの事ずっと見てたのか……? 暇人だな……」 まだ眠そうな声。 ちょっとかすれたその声に、僕は慌てて尋ねる。 「お水飲む? 喉乾いてない?」 だってアオイは2か月近くも、何も口にしないまま寝続けていたんだから。 だけどアオイはちょっとだけ苦笑してから「だいじょーぶだよ」と言った。 ああ……、アオイとケイ様は、本当に僕達とは違うんだ……。 それは良いことのはずなのに、僕にはなんだか苦しく感じて、余計に涙が零れた。 「アオイ……」 縋るようにアオイを呼ぶと、アオイは大きなあくびをしながら起き上がって両手を広げる。 「ほら、来いよ」 許されて、僕はアオイの胸に飛び込んだ。 「っ、アオイ……っ」 子どもみたいに泣きじゃくってしまう僕を、アオイは小さな手で何度も優しく撫でてくれる。 あったかい。優しい。アオイの手だ……。 「んな泣くほどの事かよ。ちょっと寝てただけだろ……?」 「……っ、だって……、ケイ様も、寝てるし、アオイもずっと、動かない、し……っ」 僕の言葉は言い訳にもなっていなかったのに、アオイは僕の涙を優しく指で拭ってから言った。 「そっか……。そりゃ悪かったな」 「わ、悪くないよっ。アオイは寝てただけだもんっ!」 僕はアオイがどんな顔でそう言ったのかが気になって、慌てて顔を上げる。 だって今のアオイの声は、苦しそうだったんだ。 アオイは僕の勢いに驚いたみたいに目を丸くしていた。 それからくしゃっと顔を顰めて苦笑する。 「んだよ、じゃあ文句言うなよな」 苦笑でも、アオイが笑ってくれたことが嬉しくて、僕は「うんっ」と答える。 その時、ガチャ、と扉が開いてロイスが顔を出した。 「アオイ起きたのか!? 体調はどうだ?」 「別に悪くねーよ。つかノックくらいしろよ」 「ああ悪いな。けどお前も起きたらすぐ知らせろよ。こっちはお前をいつ起こそうかって揉めてたんだぜ」 「なんだ、もうそんな頃だったのか? こいつが重くて立てねーんだよ」 言われて、僕は慌ててその腕の中から抜け出そう……と、したのに、なぜかアオイは僕の頭をぎゅっと抱きしめてしまう。 「夕飯持ってくるか?」と尋ねるロイスにアオイは、皆が済んでるなら要らないと答えて「明日の朝には顔出してやっから。もう今夜は誰もこっちに来んな」とロイスを追い払った。 再び2人きりになった寝室で、僕はアオイの腕に頭を抱き込まれたまま尋ねる。 「……アオイ……?」 アオイは腕をゆるめて僕の顔を両手で掴むと、僕の顔をじっと覗き込んだ。 「寂しかったか?」 紫の瞳が僕をじっと見つめている。 「っ、そんなの、寂しいに決まってるよ……」 またじわりと滲んでゆく視界で、アオイが僕の涙を優しく拭う。 ……そんなに優しくされたら、涙止まんないよ……。 ボロボロと涙をこぼす僕の耳元にアオイが顔を寄せて言う。 「オレが慰めてやろうか……?」 「ぇ……?」 それって、その……。 「ほら、部屋の音消せ」 アオイに促されて確信する。 アオイは僕に、してくれるって言ってるんだ! 僕は慌てて部屋に遮音の空間魔法をかけて、手早く服を脱いで自分のナカを洗浄魔法で洗い上げる。 アオイは僕の目の前で、下ろしたままだった長い髪を後ろで一つに括っている。 旅に出た頃はまだ不慣れな様子だったその仕草も今ではすっかり身に付いていて、流れるようなその動きと少し伏せたまつ毛がすごく綺麗で、僕はアオイから目が離せなくなってしまう。 僕は、気づいた時からずっと受け入れる側で、人に触れたいというか……入れたいと思うような事はこれまでずっとなかった。 だけどアオイくらい可愛い子なら、皆が触れてみたいと思うんだろうな、なんて。 アオイを見ていると、僕にもそんな気持ちが理解できそうな気がしてしまう。 けど、そんなことアオイが知ったら、きっと気持ち悪いと思うんだろうな。 アオイは「こんなのオレじゃねーし」とその姿を厭っているようだから……。 そんなことを思う間に、アオイは自身の両手を浄化してから、僕のナカを浄化する。 僕はこの、アオイがその手を綺麗にしてくれるのがいつも嬉しかった。 なんだか、僕のこと大事にしてくれてるみたいで……。 ケイ様に拾われるまでは汚れた手で触れられることは茶飯事だったし、そんなこと気にするような人もいなかった。 「お前、前触られんのって嫌か?」 「え? ううん、嬉しいけど……」 でも僕は後ろだけで十分イケるし、必要ないよ? と答える間もなく、アオイは僕の前を浄化して僕のに触れる。 「っ……」 僕のは既に期待でゆるく持ち上がりかけていたけど、アオイの指に撫でられると途端にぎゅんと熱くなってしまった。 アオイは細い指を僕のに絡めて、その輪郭をなぞるように優しくなぞる。 ほんのそれだけで、僕のは恥ずかしいくらいガチガチになってしまう。 うう、なんで……? 僕、こんなに優しく触られた事なんてないよ……。 僕のがみるみる育った事に気を良くしたのか、アオイはニヤリと悪い顔で笑う。 「んだよ、こっちもイイんじゃねーか」 それはまあ、僕も男だから、そっちが嫌だって事はないけどさ……。 アオイは頬の横に下がった紫の髪をスッと耳にかけながら、僕のそこに顔を寄せる。 「え……?」 次の瞬間、僕のそこにぬるりと温かなものが触れて、僕は思わず身を引いてしまう。 「ア、アオイっ、なんでそんな……」 アオイは僕の態度が気に食わなかったのか、じとりと紫の瞳を半分にして僕を睨む。 「慰めてやるっつったろ?」 「で、でも、そんなとこ、汚いよ……」 「汚ねーわけねーだろ、オレが浄化してやったんだから」 「で、でも……」 「なんだ、嫌なのか?」 「嫌じゃ、ないけど……」 僕の言葉に、アオイはまた僕のものへと舌を這わせる。 「っ……、ぁ……」 ど、どうしよう。 すごい、あったかくて、ぬるぬるして、気持ちいい……。 僕はドキドキいう心臓を必死で堪えて言う。 「せ、聖女様は、清らかじゃないと、ダメなんだろ……? こんな……こんなことしちゃ……ダメ、だよ……っ」 「別にこんくらいいーだろ。入れようって話じゃねーし、余計な心配すんな」 アオイが唇を僕のに触れたまま喋ると、ブルブルと小さな振動が伝わって……っ。 「ん、あぁっ」 後ろにもまだ触れられてないのに、声を上げてしまったことが恥ずかしくて、僕は目を伏せる。 「……もしかしてお前さ、こーゆーことされんの初めてなわけ?」 し、した事ならいっぱいあるけど、こんなの……された事ないよ……。 僕が仕方なく頷くと、アオイは「ふぅん……?」と呟いて、僕のをパクッと口の中に入れてしまった。 「ア、アオイっ!?」 戸惑う間もなく、僕のそこはあったかいアオイの口の中でぬるぬるにされて、アオイの細い指が遠慮なく巻き付いてそこを扱く。 「んっ、ぅ、ぁ、っ、んんんっ」 アオイから与えられる初めての刺激は、くらくらするくらい気持ちよくて、あっという間に追い詰められてゆく。 っ、なんで、僕なんかに、アオイがこんな事……っ アオイにこんな……嫌なこと、させたくないのに……。 だって、僕は喉を突かれると吐きそうだったし、男達のは苦くて嫌な匂いがしたし、息も苦しくて何度も死にそうだと思った。 ちょっとでも歯が当たれば殴られたし、僕はその行為には嫌な思い出しかないのに……。 恥ずかしくて、申し訳なくて、どうしたらいいのか分からない。 「ぅ、んんっ、ぅあ、ぁ……っ」 それなのに、アオイは頭を振って水音を立てて、僕をグングン良くしてしまう。 僕のお腹の奥が熱く疼いてきて、そこにも欲しくてたまらなくなる。 「ぁあ、んっ、こんな、のっ、良すぎるぅ、ぅぅうっ」 その頭に触れる勇気もなくて、でも腰を振るわけにもいかなくて、僕は一方的に与えられる快感に翻弄されて涙を零した。 「や、出ちゃ、……っ出ちゃうよぉっ」 涙声でうったえれば、アオイはサッと可愛い顔を離した。 アオイが手で包むその中に、僕は僕の欲を吐き出してしまう。 それをアオイは、まるで最後まで出せるようにするみたいに、ゆるゆると優しく扱いてくれる。 「ご、ごめん、アオイ……」 アオイは両手で僕のを包んだまま、浄化をかけて綺麗にしてくれた。 「ばーか、謝るとこじゃねーんだよ」 そう言ってアオイはニッと笑うと、綺麗になった手で僕の頭をくしゃくしゃと撫でてくれた。 なんでだろう。アオイは最初よりも機嫌が良さそうに見える。 アオイは苦しくなかったのかな。 僕のを咥えて、嫌じゃなかったのかな……? なんでアオイは僕に、こんなに優しくしてくれるんだろう……。 アオイは他の人にはもっともっと、冷たいのに。 「後ろもしてやるからな」 言ってアオイは僕の後ろへと細い腕を伸ばす。 アオイの声はいつもよりちょっと優しくて、すごく嬉しくなる。 待ち望んだアオイの手はあまりに気持ち良くて、僕はこの夜、アオイを求め過ぎてしまった。

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