319 / 336

【サブ】俺とクロイスの、新しい関係(3/4)*

 〈引き続きヒアッカ視点〉  驚いた俺に、クロイスはにっこり微笑んだ。  クロイスはいつもと同じ、可愛い笑顔なのに。  なぜか、もうどこにも逃げられないような、完全に囲まれてしまったような、そんな予感がする。 「じゃあ質問。友達ってどんなことする関係だと思う?」 「え、と……、一緒に遊んだり、一緒に飯食ったりする……関係」 「恋人ってどんなことする関係だと思う?」 「デートして……エッチして、好きだって言う……関係……?」  ……あれ? 「デートって、具体的にはどんなことするの?」 「一緒に出かけたり、飯食ったり……、遊んだり? ん? 友達とあんま変わんねーな」 「じゃあ、友達と恋人で、違うところはどこ?」 「エッチしたり、好きだって言うとこか」 「そうだね。じゃあ、僕達は今、何してるの?」 「えっ………………」  俺達は、今……クロイスの部屋で、体を繋げてて……。 「ヒアッカ、僕のこと好きでしょ?」 「……っ」 「僕も好きだよ、ヒアッカの事。大好き……」  クロイスがぐっと首を伸ばして、俺の唇に柔らかな唇でそっと触れる。  俺のナカでクロイスのが存在を主張する。 「んっ……」  ああ、クロイス背が伸びたな……。  あん時はまだ、ちょっと届かなかったのにな……。 「俺も、好きだよ、クロイス……」  手を伸ばして、クロイスの頭を引き寄せて、深く口づける。  そうか……。  そうだったんだ。  俺の、クロイスへの『好き』は、俺の知らない『好き』だったのか。  だから、今までと全然違う気持ちになったんだ。  クロイスが笑ってくれるだけで嬉しくて、クロイスに触れてもらえると、世界が鮮やかに見えた。  でも、クロイスのちょっとした言葉や態度で、急に不安になったり、悲しくなったり、嫌な気分になったり、悔しかったり、自分が情けなくなったりして……。  もう嫌だって気持ちに、何度もなった。  俺の知らない俺の心が、俺の言う事を全然聞いてくれない自分が、怖かった。  つーか、こんな、めちゃくちゃに感情を振り回されるようなのが、恋心ってやつなのか?  世の中の恋人達ってのは、思ったよりもずっと大変なんだな。  クロイスが、ふふッと笑って俺のすぐ近くで「何その感想」とこぼした。  鼻が触れ合うくらいの距離で、いつも春空みたいなクロイスの瞳が、普段より少し濃い色で俺を覗き込む。 「ねぇ、分かった……? ヒアッカはもう、僕の恋人なんだよ?」 「こいびと……。俺が、クロイスの……」 「そうだよ。だから、もう僕以外の人と2人きりで会ったりしちゃダメだよ? 恋人の僕が嫌な気持ちになるからね?」 「わ、分かった」  コクコクと頷く。  確かに俺も、クロイスが他の奴と2人きりで会ってたら、嫌な気分になる。  そっか、これが恋人に対する『好き』ってことか。  恋人に対してなら、おかしい気持ちじゃねーんだ。 「あとね、僕はブラウさんの事それなりに『好き』ではあるけど、それは友達としての『好き』だからね? 恋人のヒアッカに勘違いされたら悲しいから、間違えないでね?」 「ぇ? ……あ。お、おう……」  そういやそうだった。  なんかもう、色々ありすぎて、すっかり忘れてたな……。  クロイスは少しだけ困ったような顔で、クスッと笑う。 「ヒアッカらしいよ」  そう言って、俺にもう一度唇を重ねてくれる。  柔らかな感触に、心から満たされて、ホッとした。  そうか……。  俺とクロイスは、いつの間にか恋人になってたのか……。  ……ん?  それじゃあ、一緒に夕飯食ったのも、手を繋いで買い物したのも、デートだったのか……?  ……デート?  俺、今日、クロイスと初デートだったのか!?  意識した途端、カーッと顔が熱くなった。 「そこで赤くなっちゃうの? 可愛すぎるよヒアッカっ」  クロイスが、俺のこと可愛くて仕方ないみたいな顔で見つめながら、大きく腰を振った。 「ぅぁああっ」  不意に与えられた鋭い快感に声が上擦る。  クロイスに擦り上げられた内側が、ジンジン痺れるくらい気持ちいい。 「ぁ、クロイス……っ、もっと……」 「うん、いっぱい良くしてあげるからね。デートも、これから一緒にいっぱい行こうね」 「ん……」  クロイスの言葉がすげー嬉しい。  そしたら、ぎゅぎゅっと胸が苦しくなった。 「ヒアッカの胸が苦しくなるのも、恋のせいだから、安心してね」  え……。  そう……だったのか……?  これって、そういう……?  クロイスの両手が俺の腰をガッチリと掴む。  手のひらから伝わるクロイスの熱に、俺のナカが期待に震える。  早く、と言おうと開いた口からは、嬌声が溢れた。 「んっ、ぁ、っ、んっ、んっ、ぅ、ん、ふぁ、ぁ、ぁぁっ」  俺が怪我をしないようにとたっぷり香油を注がれたそこからは、粘着質な水音が繰り返し響く。  香油を纏ったクロイスのモノがずぷずぷと出入りする度に、入口が酷く泡立っているのが音でも分かった。 「あっ、あっ、やだ、よ、それ……っ」  や、やだって……。  その音、恥ずかし……っっ。  恥ずかしいと思うほどに、息が苦しくなって、顔が熱くなってしまう。 「ヒアッカの顔、髪と目と、同じ色だね……?」  真っ赤になっている顔を、クロイスに見られんのがさらに恥ずかしい。  腕を持ち上げて顔を隠すと「隠さないで」と優しく指を絡めて避けられてしまった。 「見んな、よ……っ、くそっ……っぁう、ぅぅっ」 「ヒアッカの可愛い顔、もっと見たいんだよ……」  優しい囁きとは裏腹に、クロイスの熱くて硬いモノは、バチュッバチュンッと派手な音を立てて繰り返し俺に突き入れられる。  不意に、ビリッと電気の走るような快感が刺さった。 「ぁああっ、いいっ……、んんんっ、そこ、ぃいっきもちい……っっ」 「……ここだね?」  ぐっぐっと俺のいいとこを確かめるようにクロイスが腰を揺らす。 「あっ、あ、ぁあ、そこ、……や、ぁっ、んんっ、そこ、いい、ぅぅぁっ」  あ、あ、あっ、このまま、イキ、そ……っ。  途端、俺の良いとこばかりをぐちぐちと擦り続けていたクロイスが、一気に腰を引いた。 「ンンンンっっっ」  ずるるるっと勢いよく引かれると、排泄感に似た感覚がゾクゾクと背を震わせる。 「ヒアッカ……可愛い……」  クロイスの囁きとともに、ポタリと俺の内腿にクロイスの汗が落ちる。  人肌ほどのそれは、冷たくも温かくもなくて、クロイスが俺と同じ温度なんだと教えていた。  クロイスの抜け出た内側がヒクヒクとうねって、クロイスを探してる……。  入り口にほんの少しだけ残されたクロイスのモノが、欲しくて欲しくてたまらなくなる。  はぁ、と熱い息を吐いて、俺はねだる。 「クロイス……きて……、おねがぃ……ナカ……に……」 「……っ」  クロイスの青い瞳がギラリと鋭く輝いて、俺を睨むように見据える。  ああ、なんだか食い破られそうだ……。  奥まで突き破られる、その痛みを思うと、ゾクゾクゾクっと恐怖にも似た快感が腹から脳天まで走った。

ともだちにシェアしよう!