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第6話

「園田くんも…、今も唐揚げ好きなんだね」 「覚えててくれたのは嬉しいけど…、園田くんって呼ぶの辞めない?」 そう言われて、僕は何が気に食わなかったのか分からず、脳をフル回転させる。 「え、えっと…、園田さん?」 僕がそう言うと、さらに眉根を寄せた。 「前みたいに太陽って呼んでよ。 なんか距離感じて嫌なんだけど」 と不貞腐れている。 なるほど、そういうことか。 「ごめん。なんか会ってない期間が長くて、呼び方忘れちゃったみたい。 太陽…、くん」 「前は呼び捨てだったのにね」 と寂しそうに太陽が呟く。 そうは言っても、前と今じゃ全然違うし… あの頃はお互い子供だったけれど、今はずっと大人の姿になっている。 僕が何も言えずにいると、彼は少し溜息を吐く。 呼び捨てで名前を呼ぶだけなのに…、彼を呆れさせてしまったらしい。 「じゃあさ、これから会う回数増やしたら、また仲良くしてくれる?」 「い、いいけど…、でも…」 と僕が言い淀むと、「嫌?」と太陽が視線を鋭くする。 「嫌なのは太陽くんのほうでしょ? Ωの僕は嫌だって言ったじゃん」 と僕が言うと、彼は目を見開いた。 「…、統和が知らせずにいなくなったのってそれが原因?」 静かに訊かれて、僕は首肯した。 「ごめん…、まさかそんな言葉覚えてると思わなかった…、 あれはそういう意味じゃない。 俺が統和を嫌がるだなんてあり得ないから」 じゃあいったいどういう意味なんだ…?と思いつつも、自分が勘違いをして彼を避けてしまったことを申し訳なく思った。 せめて、連絡先くらいは伝えてから引っ越すべきだった。 「勝手に勘違いしてごめんね。 こんな僕で良ければ…、また仲良くしてください」 と僕が言うと、太陽はさらに目を(みは)った後、 「俺のほうこそよろしく」と笑顔で言った。 4年越し?の仲直りが出来て良かった。 それに、自分が嫌われたわけではなかったことにホッとする。 こうして太陽と再会できて本当に良かった。 僕はそう思っていた。 それから、太陽からメッセージが来ることが増えた。 たいていが昼ご飯を一緒に食べよう、とかだったけれど、休日にも何回か一緒に出掛けた。 以前のように…、とまではいかないけれど、友達には戻れた気がする。 それにしても、大学生になってもこうやってアクティブに誘ってくれたり、僕みたいなのを気にかけてくれたり、彼の好きだったところが全然変わってなくて安心する。 最初は気まずかったけれど、また仲良くなれてよかった。 そうこうしているうちに、大学生になって初めてのヒートが来た。 学校にはヒート休暇の申請をして、一緒に授業に出ている遊馬(アスマ)にも連絡をした。 熱さに見悶えながら耐えていると、携帯に通知が入った。 ぼんやりする頭で、なにか大学から申請に不備があったみたいな連絡かと思って画面を開く。 それは太陽からのメッセージだった。 『今日は昼会える?』 待たせるのも悪いかと思ってすぐに『ごめん。ヒートが来ちゃったから1週間くらい休むと思う』と返した。 『そっか、大変だね。 家族がいるから大丈夫だと思うけど、何か欲しい物とかあったら連絡して』と返ってきた。 優しさに胸が温かくなった。 太陽のことを考える。 太陽は優しくて、僕がもたもたしてても怒らないし、いつも陽だまりみたいな匂いがする。 子供のころから変わらない温かな匂いに、最近は少しムスクのような匂いが混ざっていることに気付いた。 太陽に会いたい… そう考えた瞬間、ぎゅんと下腹部が熱くなり、思考が溶けそうになる。 欲しい、αが欲しい。 太陽の精が欲しい。 疼く後孔に今すぐぶち込んでほしい。 そんな思考が脳を支配して、僕は思わず濡れそぼる後孔に指を入れる。 僕なんかの指では到底満足できそうにもない。 今すぐにでも太陽に縋りそうになるのを必死に理性で押さえつける。 もし、そんな気持ち悪いメッセージを送ったら、せっかく修復した関係が壊れてしまう。 僕は携帯を手を伸ばしても届かない場所へ放り投げた。 そこから3~4日は以前よりも重いヒートに苦しめられた。 こんなに重かっただろうか… ヒート明けの定期健診で医師に言わなきゃな、なんて苦しみながら思った。

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