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第29話※

太陽は脱いだ服を小脇に抱えている。 思わず、「服、頂戴」と声が出ていた。 「服?」と、彼は小首を傾げる。 僕はこくこくと頷き、「脱いだ服欲しい」と言った。 太陽は少し考えた後、「ああ、巣作りか」と呟いた。 以前、高校で『巣作りを見ることは、大抵のαは好むが、苦手な人もいる』と習った。 もしかしたら、太陽はあまり見たくないのかも…、と落ち込む。 すると彼は「それはいつか見せてほしいけど、今は本体がいるんだから俺に甘えてほしいんだけど」と微笑んだ。 嫌じゃない人だ、とホッとする。 僕は多分、巣をよく作ることになりそうだから。 「早く…」 僕を熱い視線で見下ろすだけの太陽に焦れて、僕はお尻を突き出し、右手の指を後孔に入れる。 ぐちゅっと、シラフなら耳を塞ぎたくなるような音が出た。 太陽は「やばいかも…」と呟き、僕に覆いかぶさる。 「これ、噛みちぎっちゃったらごめん」と言い、ネックガード越しに首筋を噛んだ。 太陽の香りでどこもかしこも敏感になっている僕は、その小さな刺激だけで、後孔をきゅんとさせた。 「俺にも触れさせて」と言って、彼が僕の指ごと手を後孔に入れる。 僕のより、太く長い指が僕の中を刺激する。 「あっ…、きもちい…」 優しく労わるような愛撫に僕は、身も心もとろとろに溶かされていく。 普段のヒートの時とは比べ物にならないくらい気持ちが良くて、何より多幸感が凄い。 好きな人に慰めてもらうのって、こんなに気持ちいいんだ… ぽやぽやしながら喘いでいると、太陽が「ごめん、俺もう入りたい。いい?」と僕に訊く。 僕が頷きながら「欲しい」と言うと、急ぐように彼が下を脱ぐ。 長大なソレの先が、僕の後孔にあてがわれる。 早くそれが欲しい僕は、自らお尻を突き出す。 「こら、だめ」と、彼が軽くお尻を叩いた。 それが直にお腹に響いて、僕は「ああっ」と声を漏らして見悶えた。 太陽が「傷ついちゃうといけないからゆっくりしたいのに…、統和はお尻を叩かれただけで感じちゃうんだね」と意地悪そうに言った。 「いいよ。太陽くんなら痛くされても良いから…、入れて」 そう告げると、彼は性急に僕の中に屹立を突き入れた。 体をかき分けるように入ってくる圧迫感と、自分では届かなかった気持ちのいいところを無理やり突き上げられるような快感に、僕は思わず絶叫した。 「統和が悪い」と言って、僕が繰り返す「待って」という言葉を無視して、ガツガツと僕の中を貪る。 僕は、気をやらないようにするので必死だった。 どれだけそうしていたのか、彼が僕の中に精を放つまでに、僕は何度も絶頂し、液体という液体を全身から溢していた。 布団も体もぐちゃぐちゃだ。 とうに体には力が入らず、太陽が僕の腰を掴んでいることでやっと膝立ちができていたのが、彼が脱力したことで、べちゃりとうつぶせにベッドへ倒れ込んだ。 そのまま肩で息をしていると、彼の手が、僕の体を反転させ、仰向けにされた。 「今度は統和の顔が見たいな」 そう言って太陽は怪しくほほ笑むと、僕の膝を抱えあげた。 「ま、待って!ちょっと休憩しよ!僕もうぁっ!?」 ドチュっと音がして、彼の剛直が僕の最奥に届く。 僕は声にならない声を出して背中を反らし、全身を痙攣させた。 快楽なんてもんじゃない、暴力だ。 「ごめん、待てない。 気持ちが良すぎる…、統和、統和、好き」 僕も何か答えなきゃ、と思うのに、悲鳴のような喘ぎ声しか僕の口からは出ない。 膝を限界まで僕の方へ倒れさせ、いわゆる種付けプレスのような格好で、太陽が僕の奥へ奥へとピストンをする。 気持ちが良かったことと、必死な太陽の顔がすごくかっこよかったことだけは覚えている。 けれど、今まで自分の温い自慰でヒートをやり過ごしていた僕は、太陽から与えられる暴力的な快楽に耐え切れず、意識を手放した。

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