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俺は昼間と同じようにシュウ殿の股間に口をつけた。 そしてサイドテーブルの棚にひっそりと置かれてあった香油の瓶に手を伸ばす。 乱れた部屋の様子を見て、気を利かせ用意してくれたんだろう。 経験値がゼロに近い俺だが、色々考えてコレの使い方をなんとか推察できていた。 シュウ殿のモノに舌をはわせながら、自分のすぼまりに香油をなじませる。 多分、中までした方がいいんだろうけど、そんな器用なこと俺には難しい。 シュウ殿に気付かれないといいけど……。 そう思ってこっそりしてたつもりだけど、バレバレだった。 まあ、シュウ殿のモノに這わせる舌がいちいち止まるんだから当然かもしれない。 シュウ殿の上で顔に尻を向けて四つん這いにさせられてしまった。 「続けていいですよ?」 シュウ殿のモノを舐め続けていいってことだろう。 でも……。 いつもは武器を握るごつごつした指が、香油をまとって穴のフチをゆるゆると滑っていく。 シュウ殿に恥ずかしい格好をさせられて、見られて…触られて…たまらなくドキドキして震えが止まらない。 ちゅばっとシュウ殿の先端を口に含むが、指が滑る感触に気を取られてそれ以上何もできなくなった。 「んぁっ……」 指の先端が入ってくる。 自分の指とは全く違う、太くてマメの跡のあるゴツい指だ。 その違いに胸が高鳴る。 どんどん香油が足され、中に指が分け入っていく。 自分でもこんなにあっさり入るとは思わなかった。 でもそれも香油のおかげだ。 もう一本指を足そうとしているが、なかなか入っていかない。 すると期待に濡れる俺のモノをシュウ殿がさすり始めた。 「あ……っ」 すぐに気持ちよくなってしまう。 四つん這いを保てず、上体はシュウ殿にもたれ、腰は快感にクンクンと跳ね上がる。 「んぁ!急にダメです!あ…そんな…んん!」 香油の絡んだ手で前を触られ、そのヌメリが一気に快感を引き出していく。 「シュウ殿、ほんと…やめてくださいい!!!!イってしまう……イク!ぁぁうう!」 逃げようとするが、ぬめぬめとした手で追い立てられれば、激しく腰を振り立ててあっさりとイってしまった。 ぐったりとつぶれた俺に新たな感覚が……。 さっきまで進入を拒んでいた穴が、シュウ殿の太い指二本によって裂けそうなくらい割り開かれていた。 「ええ!? 指がいつの間に?」 「今、ご自分で腰を振って、くわえ込んでしまったんですよ」 言われてみれば腰を振っている最中、お尻がキツくはあったけど……。 いや、きっと何かシュウ殿の狩りや武術のスキルが活かされてるに違いない。 そうじゃなかったら……なんだか自分が情けない。 そのままシュウ殿にそこを丁寧にほぐされる。 香油のチャッチャという音が聞こえてくるのが恥ずかしい。 中でシュウ殿の指がこすれるたびに、刺激でビクビクと腰が弾んでしてしまう。 ゴリゴリした感触に、香油のすべらかな感触が交じって、わけが分からなくなった。 ほんのり熱を持ったヒリつくような痛みもある。でも気持ちが良い。 俺はシュウ殿のモノを口にくわえっぱなしなのも忘れ、指の感触を必死で追っていた。 口からシュウ殿のモノが引き抜かれる。 振り返ると手で口元を拭われた。 「なんて顔をしているんですか」 俺は……尻に指を入れられ、うっとりした顔でモノにしゃぶりついたまま、ヨダレを垂らしていたのか……。 最低だ。酷く見苦しかったに違いない。 あまりの醜悪さにシュウ殿が萎えていないかが心配になった。  けれどすぐに後ろに硬いものがあてられ、その心配は払拭される。 シュウ殿のモノが入口をゆるく撫でた。 そして俺は今、ものすごく緊張している。 ……この緊張は…期待だ。 めりめりと割り開かれる感触があった。しびれるように熱い。 シュウ殿が…シュウ殿のモノが俺を……。 頭に血が上っているのか引いているのか、とにかく頭が真っ白になる。 激しく打つ鼓動の音すら遠い。 痛みは熱として感じられ、ただ後穴の熱さと割り入ってくる圧力だけを感じる。 しゅうどのが…おれのなかに……。 ああ……。 身体の中を嵐のように感情の渦が巡る。 「んぁっ、んぁっ、ふくっ!」 苦しそうに喘ぐ自分の声もどこか遠い。 身体は苦しがっているのに頭は幸福に満たされ、完全に乖離していた。 「イチハ殿、辛いですか?」 そう聞かれ、首を横に振っていた。 「んぁっ…!だいじょうぶです…しゅうどの…好きに…しゅうどののすきにしてくださいっ……」 こんなところに受け入れるなんて勿論初めてだ。しっかり指でほぐしたとはいえ、正直かなりキツい。 でも、ここで辛いなんて口にしたら、止められてしまうかもしれない。 それはいやだ。キツくてももっとシュウ殿を感じていたい。 「本当に大丈夫ですか?」 「んんっ…このくらい…だいじょぶです…大丈夫だから…しゅうどの…もっと…んぁっっ!」 「………そう…ですか……。やはり慣れていらっしゃる……。ならば遠慮なく」 少しづつなじませるようにな動きから、急にぐっと押し込まれる。 中の熱が一気に上がったように感じられた。 ぐっぐと押されて上体は完全に伏せ、シーツにつかまってどうにか耐えている。 けど、すぐに力が入らなくなり、ただゆさゆさと揺すられるだけとなった。 気持ち良いとか、良くないとか、そんな事はもう、まったくわからない。 シュウ殿と一つになれた幸せに頭がぼーっとなる。 「あふっ…しゅうどの…おれ…おれのなか…だいじょうぶですかっ?ちゃんと…きもちいい?」 「ええ、熱く絡み付いてくる。すごくいいですよ」 その言葉に、ぼーっとしたまま頬が緩む。きっとすごくだらしない顔になってるはずだ。 「はぁっ…うれし…ぁあ…おれ…うれしいれす……。んくぅっ」 しばらく後ろから突かれていたが、ごろりと仰向けに転がされた。 「あ…かお…やだ……」 だらしなく緩んだ顔をシュウ殿に見られたくない。 「顔を見ながらは嫌ですか?」 そう聞かれて、ぼーっとした頭にも少し引っかかるものがあった。 「おれのかおがだめです…しゅうどのはだいじょうぶです」 「どうしてダメなんですか?」 「だって…だらしないかお…はずかしい……」 「たしかに…すごく淫らな顔をなさってますね。イチハ殿」 思わず手で顔を隠す。 その手を外され、また押さえつけられた。 目の前にはシュウ殿の顔。 セクシーな目元のほくろ…それからたくましい唇に目を奪われる。 唇を合わせたい。なのに押さえつけられてるから動けない……。 「しゅうどの…きす…して……」 シュウ殿の目がちょっと笑った。 「きす…してくらさ……」 言いかけた言葉はその唇に吸い込まれる。 シュウ殿がそのまま律動を始めた。 後ろからされるのとはまた感覚が違う。 中はより苦しくなるけど、胸や腹など身体がふれ合って気持ちがいい。 抱きつきたい。 「んぁ…しゅうろの…はなして…はなして……」 「どうしてです?」 「ぎゅってしたい…ぎゅってするから…はなして……」 だだをこねるように身体をよじって腕を放してもらい、その胸に抱きついた。 シュウ殿の鼓動と熱が伝わり幸せが増す。 「まったく……あなたは……」 シュウ殿が激しく俺に口づけた。 口内をなぶられる。ねっとりとしたキス。 気持ちがいい。 口内を犯される。 さわりもしないのにキスだけで俺のモノがギュと熱を持って立ち上がった。 「ぁ…んあぁ!」 息がこぼれる。 うねるような興奮が身体の隅々にまで伝わっていく。 キスで快感を覚えるたび、後ろをぎゅっぎゅと締めてしまう。 その度にシュウ殿を強く感じて、切ない疼きが走った。 「はぁっはぁっ!」 すがりついて必死でキスに応える。 無意識で腰をうねらせ自分の立ち上がったモノをシュウ殿にすり付けた。 シュウ殿の腹で俺のモノがクチュクチュと濡れた音を立てている。そしてその動きで後ろの穴もより刺激された。 その感覚に夢中になってしまう。 「ぁんんん…しゅうどのぉ…はぁう…!ぁっ」 「ずいぶんと気持ち良さそうですね」 シュウ殿が俺の中をゆっくりとこねる。 「ぁい…きもち…です…ぁぁあんんん!きもち…いい、ぁいい。しゅうどのぉ…おれもう!」 「もう?まだ早いですよ?」 からかうようにクッと突かれると、中にあきらかな快感が生じる。 その快感にすがるように、ぎゅうっとシュウ殿に抱きつき、唇をむさぼる。 「ぁ…ごめんなさい…でもおれ…きもちいの…しゅうどのが…ぁっ!きもちいい…からおれ…んんぁ!」 「私のせいですか?」 「ぁん…だって…だって……。くちも…おしりのなかもしゅうどのが…きもちよくしたから…!」 小刻みに中を突かれるたびに、どんどん快感が増していく。しかも、前にも巧みに刺激が伝わってたまらなくなった。 「あなたがして欲しがったのでしょう?」 「だって…ああ!ほしいけど…もう…もうむりです…イイの!…きもちイイからっ!もう!もう!」 「もう少し我慢できませんか」 「んん!むりぃ…らめれす…いくから…イク…んぁ!いくっ!」 一応我慢しようとはした……。 けど、シュウ殿に突き上げられ、光が弾けるような快感を感じた瞬間、肩にぎゅっと抱きついてその腹に思いっきりすり付け放出してしまった。 「はぁっはぁっはぁ」 すがりついたまま動けない。 そんな俺にシュウ殿がまたキスをする。 …あぁ…シュウ殿にキスをされたら…俺、またわけが分からなくなってしまう。 「ぁああ!」 キスをしたまま、シュウ殿が俺の乳首をもてあそぶ。 だめ…だめだってそれ……。 また一気に快感の渦に飲み込まれる。 「ここも…触るとすごく反応がいい。キスとちらがお好きですか?」 そんな……。 「どっちも……」 「欲張りですね」 「ぁあう…だって…だって…すき……」 甘えるようにキスをねだれば、それに応えながら胸も可愛がってくれる。 「んん…しゅうどの…すき…すき……」 「そんなにココがお好きですか?」 「ん…すきです…すき……。ぁあ!ちが…ソコじゃなくて……」 好きというのはシュウ殿の事です……そう伝えたいのに、キュウと乳首を摘みこねられて、ひと際大きく胸を跳ねさせてしまう。 「やっぱり…あなたはイヤらしい人ですね」 「イヤ…ちがう…っ」 否定をしてみても、胸をいじられイったばかりのモノを限界まで立ち上げてしまっていてはまったく説得力がない。 「こんな可愛らしいところを見せつけられて、わたしもそろそろ限界です」 そんな風に言われて、きゅっと入口が反応してしまう。 「少し乱暴になるかもしれませんが……」 シュウ殿が律動を再開した。 さっきまでと違う、むさぼるような動きでシュウ殿が気持ちよくなっているのが伝わる。 中がどんどん熱くなっていく。 「ぁあっ…すごい…ああっっ!」 視線が絡む。 その目に快感がにじんでいた。 ああ……圧倒的な色気に狂わされる。 シュウ殿が……俺をむさぼっているんだ。 視覚情報で俺の快感が増していく。 快感に溺れるシュウ殿の顔を見てるだけでイってしまいそうだ。 「ぅあんっ!ん!んん!しゅうどの!イイのっ!ああっ…!」 「そろそろです……」 律儀に宣言して強く突き上げられる。 瞬間、頭が真っ白になった。 その後、何とも言えない感覚が体内に広がる。 視線が揺れて、シュウ殿がはっきり見えない。 はぁっはぁっという自分の息がうるさい。 この感覚には覚えがある……。 ……俺、シュウ殿ほったらかしで、またイってしまった! おぼつかない視線でシュウ殿を捉えようとしたら、優しく口づけをされた。 そして強く抱きしめられる。 コレは……俺だけじゃなくシュウ殿もちゃんとイってくれたってことだろうか。 シュウ殿の腕の中が何とも心地よく、幸せでたまらなくなる。 ぐったりした身体から、さらに力が抜ける。頭もまわらない。 「…う…の、す…、キ…スキ…れふ」 「?……れふ?」 好きです。伝えたかったその言葉もきちんと口にできず、けだるい疲れとシュウ殿の腕の温もり、そして幸福感に包まれて、俺はそのまま眠りに落ちていった。 ◇ 目覚めると既に朝で、ベッドには俺一人。 もしかして昨日のことは全部夢……? そんな不安に襲われたけど、身じろぎした時の身体に感じる鈍い痛みにそれを否定される。 かすかに聞こえる気合の声。 シュウ殿は既に庭で朝の鍛錬を始めていた。 一人放置されたわけではなく、長く寝すぎていたようだ。 少しほっとした。 ベッドから下りると、痛むであろうと予想していたところ以外にも色々なところが痛んだ。 今まで一度も酷使した事のない筋や筋肉が軋んでしまったようだ。 時間がたてばさらに色々なところが筋肉痛になってしまうに違いない。 窓辺に寄ってシュウ殿を見つめる。 今日はかつてないほど研ぎすまされたように鋭い動きで、少し怖いくらいだ。 近寄ったら一撃で殺されてしまいそうに感じる。 激しい気迫なのに、それを見つめながらニヤニヤしてしまう。 あの腕の中で、俺は昨日…アレや、コレや、ギュッとして、グッとなって、うはぁ…なのだ! シュウ殿の顔だけ見れたら…そう思って来たのに、あんなトコまで…しかも至近距離で見てしまった……! 思わず両手で顔を覆う。 ああ…もう! 好きです!好きです! 幸せすぎて、森から聞こえてくる鳥の鳴き声が俺を祝福する天上の調べに聞こえる……。 今までの人生で、こんなに浮かれた事はない。 もう、全てが輝いて見える…! いや違う。 シュウ殿が輝いていて、その他のものは目に入らない。 シュウ殿の鍛錬終了を確認してシャワーを浴びた。 自分で身体を洗いながら、快感を呼び起こすシュウ殿の手の感触を思い出し、やっぱりニヤニヤが治まらない。 無駄にバシバシと壁を叩き、シャワーの水流にもだえる。 ニヤニヤしたまま身支度を整え、どうにかニヤニヤを治めようと顔を引きつらせながら俺は部屋を出た。

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