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47. ひそかなシチューエション

かくれんぼの最中。屋外だからこれ以上のことはしてこない、一線を越えることはしてこないはずだとタカをくくったのが大間違いだった。 場処を選ばず暴挙に及ぶことは、今に限ったことではないはずだ。 _____________そうだった、こいつはこういう奴だった。 しくじったか……。何て自分は甘い考えだったのだろう。 リヴェラの顔からは後悔の色が滲む。 「ほら、大声出すと気付かれますよ」 耳元で脅すようにシファに囁かれる。中音域の声音にぞくりとしてしまい、震えてしまう。 シファの手がリヴェラの股間をやさしく撫でる。 眼をぎゅっと閉じて、声を我慢して口元を覆ったままリヴェラは真っ赤になってぷるぷると痙攣している。際どいシチュエーションと相まってうるさく鼓動の音が鳴りやまない。 「う……、ああ……」 情けなく声が漏れ出す。撫でるように布越しにソコを触れられ、なぜだか抵抗できない。 いつもそうされているせいか、半ば条件反射になっている。 リヴェラは太腿を動かし、ちょっとでも抵抗しようと試みる。 だが、抵抗もむなしく無意味に終わる。シファの指が危うい部分を辿る。 ぞわぞわとした感覚だけが先走り、理性が邪魔をして思うように快感を掴めない。 抗うように思い切って口を開き、ありったけの声を上げる。 「い、妹たちがいる中でこんなことしてもいいのか、おかしいよ、お前は……!」 _______________それにライラとサフもいる。 木々が擦れる音が微かに聞こえる。人の気配は近くで感じられないものの騒がしい歓声、遠くで呼ばわる声がする。 完全に遠くの方の喧騒が切り取られたように聞こえる。 「分かっているくせに。あなたなら私がこういう人間であることなど百も承知のことでしょう?」 抗議など聞かなかったようにリヴェラの下肢に手を掛けて、しきりにシファは弄ぶ。 「い、や、だ。こんなところで……」 野外で誰が見ているかもしれない場処で悪戯が過ぎる。 止めさせようとして片手で制しながら、もう片方の手で声を抑えるために慌てて口元を手で覆う。間に合わない。 「んんっ、……」 股間を揉みしだかれ、少し声が漏れてしまって焦ってしまう。 ふっ、とシファは相好を崩す。 時々見ることがある、何か企んでいるような含みのある表情だ。嫌な予感がする。 「声を出したくなかったら……こうしましょうか」 「……っ、ん」 シファの顔が迫る。強引に唇で口を塞がれてリヴェラは泣きそうになっていた。 眼尻に涙が浮かんだまま口づけを受け入れ、されるがままに堪える。 柔らかく、(ついば)むようなキスだったけれど、なぜだか苦しかった。 数秒間キスした後で、執拗にソコを責めていた手をシファが離してくれた。 我に返って、バッとシファから距離を置き、すぐにハッと周囲を見回す。 よかった。誰もいないようだ。ほっとする。 それから視線を下ろして、自身の下半身の状態を確認してみる。 よかった。射精してなかったし、下穿が濡れていなくてよかった。 シミにはなっていたけど……って、なぜこんなことまで気を回さなければならないんだと、リヴェラは恥かしさと憤りが込み上げてくる。 「こんなところ、誰かに見られたらどうするんだよ……!」 「まぁ、私は見られてもよかったんですけど……」 薄く笑い、事も無げにシファにサラリと云われてしまい、ぞっとする。 本気?本気なのか? 冗談とも本気ともつかないことだ。……こわいな、なんか。 「そうだ、後で続きをしましょうよ。今夜部屋に行ってもいいですか?」 「そんなこと訊かなくても、来るんだろう……どうせ」 顔を赤くしながらリヴェラは立ち上がり、そそくさとシファから距離を取ることにする。 そうだ、ここを離れよう。散々振り回されて、げんなりとしながら移動する。 背後にシファの視線を感じながらもリヴェラはさっさと退散した。 いつもの気まぐれでからかわれてしまった。 まともに相手にするのが阿保(アホ)らしくなってきた。 草木に覆われた森の中。 幸い周囲は木の陰で見通しが悪い。誰にも見られていないようだ。助かった、かな。 だがリヴェラは気付かなかったのだが、ちょうどそこに通り掛かっていた人物がいた。 隠れる場所を探すために周囲をうろついていたライラだった。 _______________うわ……見てしまった。あんましいいモンじゃねぇな……。 物陰に隠れてリヴェラがシファとキスしていた。その姿を目の当たりにする。 気付かれていないと思っていたのは当人たちだけだ。 _______________野外だから他人に見られるおそれがあるのに、よくあんなことできるよ。 いつもは虚勢を張って堂々としているのに、されるがままでリヴェラは流されていた。 眼をぎゅっと閉じて、顔を赤くして抗いながらも雌のように感じていた姿が脳裏に残る。 _______________あーあ、後味が悪りぃし、気分が悪りぃ。 親友であり幼馴染であるリヴェラがあんな野郎に好きにされていて喘いでいた姿を眼にしてしまい、一国の王として威厳も尊厳も何もあったものではないなと、ライラは嘆息する。 くそっ……なんだかなぁ。 苛々としながらガサゴソと茂みを鳴らしながら進んだせいか、早々に姉妹たちふたりに見つかってしまう。 「……あっ、ここにいた!」 「捕まえよ」 _____________________あー、見つかっちまった。すぐに逃げないと。 ライラは急いでその場を去り、駆けてゆく。

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