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第5話 親友として、好きだった ***
「……ふーん? 今のところ、かな?」
「や、やめろって……ひああああッッ!!」
國臣が、容赦なく俺の尻にバイブを出し入れする。
その先端は、先程身体が反応した部分を的確に突きまくっていた。
「ぁん!! ぁ、ああッッ!! ぅあ……ッッ」
ビクンビクンと身体の反応を押さえきれず、俺はガチャガチャと手錠を鳴らす。
精を出し尽くしたと思っていたのに、俺のちんこは熱を取り戻した。
ぐちゃ! ぐちょ、ぐちょ、ずちっ! ずちょ! ぶちゅ!!
卑猥な水音をたてながら、尻からバイブで押されたソコが、重たくなかなか弾けなそうな快感を溜めていく。
「な、なんか、来そ……っ」
「……」
俺がそう言うと、國臣は急に突っ込んでいたバイブを抜き、俺の身体を抱え込んだ。
え、と思う間もなく、お尻をひたりと屹立した國臣のペニスにあてられる。
「ちょ、國お──ぅあ"あ"ッッ」
みちみちと、バイブなんか比にならない、いまだかつてない程の圧迫感が尻穴を蹂躙していく。
「あっあっ……ッッ」
二人して額に汗しながら、ゆっくりゆっくり慎重に俺の身体を落として國臣との距離が一層近くなった。
「ふ、は、ん、く……」
はふはふと息を逃しながら、なんとか尻穴が裂けないように、必死に力を逃す努力した。
俺が努力すればしただけ、ずぶ、ずぶ、と俺の重みで國臣のペニスが埋まっていく。
「……」
「……入っ、た……」
俺 がなんとか痛いのを我慢しているのに、感激した様な國臣の声に苛つきより呆れる。
……あー、もう。
ヤられてしまった。
これは間違いなく、セックスってやつだ。
ほぼ投げ遣りになりながら、律動を開始した國臣の動きに合わせて、穴が痛くないよう腰を振る。
ヤられたもんは、仕方ない。
自分としては、尻が裂けないように、そしてさっさと終わりにして貰う為に善処すべきだ。
「……エッロ……」
俺が腰を振るのを見て、國臣が瞳を妖しく光らせる。
ちげーよ!
そういう意味で腰振ってる訳じゃねぇ!!
そんな俺の想いもむなしく、國臣が体位を変え、本気でピストンを開始した。
ぐっと押されて、ずるっと抜けていく……それを何度も繰り返されると、排泄感にも似た気持ち良さが、俺の腰に響いてくる。
「も、尻、めくる、なぁ……ッッ」
やめろと言っても、國臣が止まる事はなくて。
結局、ペニスが出入りする事に快感を覚えるまで、俺は國臣にずっと犯され続けた──
***
「巨根で絶倫で遅漏は最悪だな」
まさか自分が女の気持ちを味わう羽目になるとは思わなかったが、嫌味を込めて國臣に言う。
くそー、指の先すら力が入らねぇ。
「どうも」
「誉めてない」
「そっか」
ニコニコ笑う國臣は、俺とは真逆で上機嫌だ。
そりゃあんなに何回もヤれば満足だろうよ!!
……ただ、俺は本当はわかっている。
つまり、短小について気にならなくなったからこそ言える軽口なんだと。
まんまと、國臣のお陰で短小も悪くないな、なんて思えるようになった。
巨根の絶倫遅漏男よりはマシかもしれない。
「……俺の気持ちは変わらない。希翔にトラウマなんて忘れて、セックスは最高だってわからせたい。……あ、俺とのセックス限定だけど」
うつ伏せになって、両手両足を投げ出した俺の尻から流れる白濁液を嬉々として拭う國臣。
抵抗する気力もない。
「……國臣の気持ちは、まぁわかった。かなりの荒療治だっだけど、あのトラウマなんかもう頭の何処にも存在しないくらい衝撃的だったしな。……で、お前俺をどうしたいの?」
「……これからも、付き合いたい」
「無理なお願いだな、それは。絶交だ」
「……」
「國臣さぁ、もう少し視野を広げたら?」
「……どういう意味だ?」
「國臣は、多分刷り込み状態なんじゃねーの? 初めて仲良くなった友人が俺で、友情と恋慕を勘違いしてるっていうか……」
「……俺だって、最初はそう思ってた。でも、暇さえあれば希翔の事を考えるし、会いたいのもお前だけなんだ」
「俺が一番仲良いからじゃなくて? つまらない授業中なんて、俺だってお前と抜け出してゲーセン行きたいなー、なんて考えるしさ」
「……俺がオナる時のオカズはいつも希翔だし、チンコが勃つ相手も希翔だし、抱きたいと思う相手も……」
「あのさ! 俺はお前の事そういう風に考えられないし。正直お前とは……友達としても、厳しいよ」
俺だって、國臣の事、好きだったのに。
親友としては、これ以上ないくらいに好きだった……だから、悲しくて泣きたくなる。
シーツに、生暖かい水が吸い込まれていった。
「……どう、したら……」
國臣が、掠れた声で呟いた。
お前が招いた事態だろ、と呪いの言葉を吐くのをぐっと堪える。
「……お前が普通に、俺を忘れて……彼女とか出来たら、友達には戻れるかもな」
親友は無理だろうけど。
俺だって、親友から裏切られた感でいっぱいいっぱいなんだ。
だから、出来たら距離を置きたい。
また、笑って話せるようになるまで。
「そ、か」
「……」
悪い、とは言わなかった。
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