15 / 16
第15話 真っ白な世界 ***
「……希翔の望む通りにするよ?」
「……ぁ、う……」
けど、言えなくて。
俺は腕をどかせて、すがるように國臣を見上げた。
國臣は、ちゅぽん、と折角入れたバイブを引き抜く。
「……物欲しそうな顔してるね。こっちに、する?」
國臣が俺に見せつけたのは、一回り大きなサイズのバイブ。
それを目にした俺の喉が、ごくりと唾を飲み込む。
肛門が勝手に、ヒクヒクと蠢いたのを感じた。
「……希翔はわかりやすいなぁ。可愛い。大好き」
「……っっ」
「ほら、入れて欲しかったら、自分に埋まっていくところしっかり見てて?」
「~~っ!」
國臣が手を伸ばし、直接俺の穴にローションを垂らしていく。
ハチミツをかけられたホットケーキの様に、直ぐに溢れた液体はつつー、と広がって俺のお腹やお尻、背中にまで流れていく。
「……美味しそう。じゃあ、希翔が欲しがってるヤツをあげるね」
ぬぷ、ぬぷ、と。
先端を何度か出入りさせて、ローションを馴染ませる。
「……一生懸命咥え込もうとしてる」
太さのあるバイブが、肛門の入り口を通過するのは最初しんどい。
俺は、極力力を抜くように意識したが、それでも質量感のあるそれが侵入してくる度、勝手に肛門はすぼまりを強くした。
「く、んんっ……、は、ぁうッッ」
「……良いよ……上手。あぁ、こんなの見たら、早く突っ込みたくなるな……」
堪らない、と言ってうっとりしながら俺の穴に呑み込まれていくバイブを、二人で見つめる。
バイブが俺の尻穴を押し広げながら入ったり、強い抵抗にあって退却したりを何度も繰り返し、とうとう前立腺の裏側をバイブの先端がぐっと押し付けた。
「んくぅ……」
快感という痺れが身体に広がり、俺は眉をひそめる。
「……ここだね。沢山、可愛がってあげる」
「あぁっ……!! あ! あッッ!!」
ポイントを見つけた國臣は、容赦なく嬉々としてそこを責めあげていく。
ぢゅっぷ! ぢゅっぷ! ぢゅぽ!! どちゅ! どちゅん!!
「ぁあ"ッッ!! う"ッッ!! ひぃっ……!!」
仰け反る事も出来ず、逃げる事も出来ず。
ただひたすら、責め苦のような酷い快楽だけがもたらされた。
「希翔、希翔……、その顔、ヤバイ……もっともっと、アクメして」
「~~ッッ!! ぅ、あ……ッッ!! ぁん!! ぁあん!!」
片手でアナルを堀られながら、もう片手でペニスを握られ、ぢゅ! ぢゅ! としごかれた。
その下、ぷるんぷるんと震える袋を、舐めあげられる。
「ぁ、それ、駄目ぇ……!!」
どぴゅ、と俺が精子を放っても、國臣は手を緩めない。
バイブを引き抜き、俺の膝裏をしっかりと抑え。
屹立した自らの肉棒を、俺の穴に埋めていく。
「ぁ、あ、ぁ、ん……ッッ」
「……く、ここまでやっても……キツ……っ」
俺は、目の前でバイブではなく、國臣のペニスが俺の後孔にめり込んでいくのを、初めて見た。
國臣の顔は紅潮し、慎重に、けれども急くようにその先を求めている。
その光景に、ゾクゾクとした一種の興奮の様なものが俺の背中を走り抜けた。
國臣が、俺に欲情して、俺を欲しがって、俺を犯している……望まれているのが自分だという事実が、気持ち良くて。
ぐぽっ! ぐぐっ、ぬちち……ぐぽっ!
國臣が少しスムーズに出し入れし出すと、そこから先は早かった。
直ぐに腰がぶつかる程に、奥まで突き入れられる。
ばちゅ! ぱちゅん!! ぱん! ぱん!!
「あッッ!! ぁあん!!」
國臣の先端が、何度も何度も俺の弱いポイントを突いてくる。
ちんこを擦られてないのに、ちんこの根元にゾワゾワした感覚が集まってくるのを感じる。
「希翔、希翔……!! すげー、良いっ」
「ぁ、俺、もぉ……っっ」
目の前がチカチカして、涙が溢れ、愛しげに見つめてくる國臣の顔すらぼやけてくる。
「希翔、イくの? 俺に掘られて、イっちゃう?」
「わ、かんな……っっ」
でも、気持ち良い。気持ち良い、気持ち良い……!!
どちゅ! どちゅ! どちゅ! どちゅ!
ぱん! ばちゅ! ばちゅ! ばちゅん!!
「ィイ……ッッ、気持ち、イ……ッッ!!」
「凄い、締め付け……ほら、沢山、イって……!!」
「ぅあ、あ、あ、ぁあ"──ッッ!!」
國臣が、穴の奥の気持ち良いところを突いた後、亀頭でぐりりっと押し潰すようにした時、俺の何かが弾けた。
全身に力が入り、國臣のペニスをしっかり締め付けると、そこから快感の渦が広がっていく。
「……ぅ、ぁ……」
「……可愛いアへ顔」
身体は弛緩しながら、ビクッビクッとたまに弾け、俺は快楽の波が勝手に引くのを待つしかなかったのだが。
「ほら、何度でもイって」
「~~ッッ!」
俺の締め付けに耐えた國臣が再び律動を始め、イったばかりの俺は再び快感の渦に投げ込まれる。
「ひぃっ……!! く、ぅはぁ……ッッ」
「またイった? 良いね、イキ地獄に堕としてあげる」
待て、とか。
おしまい、とか。
抜いて、とか。
お願いする余裕も頭もなく、俺は國臣に何度も真っ白な世界へ連れて行かれた。
ともだちにシェアしよう!

