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暴かれる欲(R-18)

 蒸し暑い中でも夜の街はどこか居心地が良くて、通い慣れたラブホテルももう言ってしまえば庭の様なものだ。  カラコンを外し先にシャワーを浴びた自分はどうせこの後熱くなるからと部屋に備え付けてある空調のリモコンで室温を低めに調節してベッドに横たわる。脱いでしまうのに着るのも面倒で腰にタオルを巻いただけ。入れ替わる様におどおどする秋をバスルームに放り込んだ後シャワーの音が聞こえてさて、とベッドの頭の部分に置いてあるアメニティに手を伸ばす。コンドームが数枚とローションの入った袋が二個。迷わずローションの袋を摘み取り迷いなく封を切る。腰に巻いていたタオルを解き膝立ちになるとローションを手に馴染ませて意を決して下肢に手を伸ばす。 「きつ……」  専ら抱く方ばかりで後ろは殆ど使った事は無い。それでも経験がある分慣らしておかなければ後程痛い目を見るのは自分だとも分かる。まして相手は童貞、テクニックも前戯も期待していない。  まずは一本、中指を挿入してぐるりと中で回す。久々の異物感に吐息が漏れた。浅く抜き差しを繰り返してもう一本突き入れると自分の腹側に指先を折り曲げてある場所を探す。 「ふ、っ……ぁ」  そう、確かこれだという感覚が走る。前に抱かれた時は夜遊びを始めたばかりの頃、思いがけず当たり寄りの男を引いたおかげで色々と教えられた。これが前立腺という男の泣き所だという事も身をもって。  時折前立腺のしこりを掠めつつ、三本目の指を挿入して中でバラバラに動かし慣らしていく、秋の性器がどれ程のものかは知らないがある程度慣らしておけば苦労はない筈だ。  息を詰めながら慣らしているとシャワー音が止み、程無くしてバスローブを纏った秋が出て来た。ベッドの上で自ら慣らしていたのを見た秋が顔を真っ赤にして視線を泳がせているのが面白くて気を良くする。くちゅ、とローションで滑った穴から指を見せ付ける様に引き抜いてゾクゾクとした感覚が走るのに酔う。 「秋」 「智也さん、その……」 「やっぱ無理……って訳じゃなさそうで何より」  手招きすると素直に秋は寄って来てベッドに乗る。その際にバスローブの合わせ目から開けて見えた性器は少し勃起しているのが伺えて口元が弧を描く。バスローブの紐を解いて脱がせると思いの外鍛えられた肉体が現れる。秋の半勃ちの性器に触れて数度扱き、顔を寄せて唇を舐めて舌を見せ付け先端に口付けた。 「とっ智也さん!?」 「スるんでしょ?イケナイコト」 「はひ……」  沸騰しそうな程顔を紅潮させて秋が挙動不審になるのをククッと喉で笑い、そのまま性器を口に含んだ。まだ膨張し切っていないそれは辛うじて口に収まるサイズだがこれ以上となると流石に難しいかもしれない。裏筋を舐り上げてカリ首を唇と舌で虐めてやるとじわりとカウパーが滲み出る。それを啜ってから喉奥まで咥え込み唇で性器を扱く。 「ともや、さん……ッ」  だいぶ膨張しきつくなって来た頃合いで一度口を離し唾液とカウパーで濡れそぼるそれを握り擦った。睾丸が持ち上がり早く出したくてたまらないとカウパーを垂れ流す性器は想像以上にデカくはてさて……と一瞬後悔するがまぁどうとでもなれという結論に至った。 「イきたくてたまらないってツラしてカワイイ」 「あっ、それ以上触られたらっ、出ちゃいますって……!」 「いいですよ、無様などろっどろのイき顔見せて下さい?」 「ちょ、だめです……イっちゃ……ぅ、むり、イく――!」  最後のとどめとばかりにカウパーを垂れ流す鈴口に吸い付き手で強く扱き上げると勢い良く精液が口の中に吐き出される。それを二度に分けて飲み干し、顔を上げると舌舐めずりしてから口内を見せ付けた。 「ゴチソウサマデシタ」 「……えろすぎます」 「もぉっとえっちなコトこれからするんですよ」  秋をベッドに押し倒して馬乗りになり、膝立ちでくちゅ、とローションで慣らした穴を指で広げる。達したばかりだというのに既にまた膨張している秋の性器に臀部を押し付けて腰を揺らし完全に勃起させると穴に当てがった。 「悪いオニーサンに童貞ちんこ食べられちゃう所ちゃぁんと見ておいて下さいねェ」 「ぅぁ……ともやさん……」 「ンっ……デカ、っ」  ゆっくり見せ付ける様に腰を落としてずぶりと秋の長大な性器を飲み込んでいく。想像以上の圧迫感はあれど慣らしたおかげで思ったよりはだいぶスムーズに入った気がする。腹に力を入れてぎゅうぎゅう締め付けると中で秋の性器が脈打つのが分かった。 「俺、っゴムしてない、ですぅ」 「んー?童貞卒業記念で中出ししてイイですよォ、あッ……」  ぱちゅんぱちゅんと飛び跳ねる様に腰を動かして、時折前立腺に当たると快楽に身を捩る。お互い気持ちいいならそれでウィンウィンだ。ただそれだけでいい。一時の快楽に身を委ねて孤独感を誤魔化す為にまた仮面を被る。 「智也さん……ッごめんなさ、とまらない」 「え?――ッッ!?」  肩で息をする秋に腰を掴まれて下から思い切り突かれる。根元まで入っていなかったのか当たってはいけない所まで貫かれて全身が痺れる。 「はぁッ……俺の童貞ちんこ食べてくれてありがとうございます」 「まっ、奥は……ッあっ、ゃア」 「ともやさんも気持ちいいですか……っ?俺、がんばるんで」 「アァっ!それ、以上は……っっ、ひッ……あ――!」  ガクガクと揺さ振られいつの間にか形勢を逆転される。秋の性器が奥の奥を叩く度に今まで感じた事の無い快楽が立て続けに不規則な波の様に押し寄せた。こんなの知らない、なんだこれはと目が回る。もう口を開けば嬌声しか出ず、妙に気を利かせた秋が此方の性器を扱き始めて快楽で滅茶苦茶になっていく。 「ともやさん、っ、ともやさん……!俺の初中出し受け取って下さ……!」 「ぁ……ッ、はぁ、ッ!ンン……だめ、オレも、イく……ぅ!」  背を逸らして達すると扱かれる性器から精液が爆ぜ、奥を何度も叩き付けられ、いつも感じている快楽の度を越えて頭が真っ白になる。くたりと秋に倒れ込むと意外と逞しい腕に抱かれて心がざわつく。 「カラコンしてない智也さんの目、綺麗な茶色で好きです」 「っ、あんまり見ないで下さい、見物料取りますよ」 「あの、非常に申し上げにくいのですが」 「なんです?」 「……もう一回だけ付き合って下さい」  中に埋められたままの秋の性器がまたどくりと脈打ち徐々に膨張するのが分かる。コイツまさか絶倫なんじゃと気付いても後の祭りで、体勢を入れ替えられ気付けばベッドに寝かされてしまった。ちょっとした火遊びのつもりがとんでもない獲物が掛かってしまったらしい。ゆっくりと腰が動かされて奥の快楽を知ってしまった身体は正直に反応する。 「ひ、ァア……!」 「智也さん、大好きです」 「あッ、ア!だめ……これぇ、おかしく、なるぅ」 「おかしくなって……これからは、俺にだけッ抱かれて下さい」 「おく、ッ……きもちぃ!なに、これッあっ、あン……ッッ」  秋の額からぽたりと汗の雫が落ちる、初心なカワイイ秋はどこに消えたと聞きたくなるほど飢えた野獣の様に腰を振り快楽を叩きこまれてもう訳が分からなかった。もう達すると思った時、秋の顔が下りて来て不器用なキスをされる。そうかまだ大人のキスは教えてなかったとぼんやり思いながら絶頂感と共に中にたっぷりと精液を放たれ種付けする様に擦り込まれる感覚に全身を震わせた。

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