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第23話 命を繋ぐための秘めごと♡エピソード1
注意書き:この回はR18の描写が含まれます。
苦手な方はご閲覧をお控えくださいますようお願い申し上げます。
(……寒い)
春は、暗闇の中で一人、震えていた。
底知れない冷えが、体の芯から湧き上がってくる。
(ここは……どこだろう……)
寒くて堪らない。
自分の体をかき抱くように抱きしめた。
ふと、遠くで誰かが呼んでいる声がした。
聞き覚えのある声。
その声に、胸の奥が、切なさと愛しさで締め付けられるように苦しくなる。
けれど、誰なのか思い出せない。
時折、身体の奥が温かくなる瞬間があった。
だが、それはすぐに掻き消され
再び凍えるような寒さに襲われる。
(……嫌だ)
ここには、いたくない。
再び、身体の奥に小さな熱が灯った。
今にも消えてしまいそうなその熱に、
必死で縋り付く。
(待って、消えないで!)
――ベッドの上で、春は反射的に手を伸ばしていた。
その手を、
蓮の、大きく温かな掌が包み込む。
「……体が、動くようになってきたな」
低い声音に安堵の色が滲む。
蓮は視線を落とし、再び春の素肌に唇を落とした。
命の巡りを辿るように、唇を滑らせ、力を注ぎ込んでいく。
――最深部で繋がるには、まだ早い。
まずは、命をつなぎ留めることが先決だった。
体中にキスの雨を降り注ぎ、
それと同時に、素肌を介して直接
力を体内へと送り込む。
やがて、春の口から、
かすかな吐息が漏れ始めた。
閉じられていた瞼が、
ゆっくりと持ち上がっていく。
数回瞬きをして、
ぼんやりと空間を見つめる瞳は、
焦点があっていない。
この時の春は、自分があられもない姿で
蓮に組み敷かれていることなど、
想像もしていなかった。
首筋に唇を押し当てられ、
舌の柔らかな感触に、
春の体が小さく震える。
「ん……な……に?」
くすぐったさに身じろぎすれば、唇をふさがれた。
「ん……」
覚えのある、感触だった。
(……れん、さん?)
息を吹きこまれて、体がわずかに軽くなる。
それでも、体の奥に巣食う、凍えるような寒さは収まらない。
「れ……んさ……ぼ、く」
言いかけた言葉は、再び蓮の唇に呑み込まれた。
息を吹き込みながら、
角度を変えて、何度も唇を奪われる。
「……ん…ぁ……まっ……」
呼吸をしようと開いた唇の隙間から、
舌をねじ込まれた。
無意識に逃げようとした舌に
蓮の舌が絡みついて、
そのまま撫で付けるように愛撫される。
「……っ……ん」
口腔内をうごめく舌の感触に、
ぞくぞくとした甘い痺れが沸き上がる。
春はたまらず
蓮の胸を押しのけようとした。
なのに、力が入らない。
唇が解放されると、
春は大きく息を吸い込んだ。
呼吸を整える間もなく、
体に重みがかかる。
「……な、に……?」
見上げた先で、
蓮のまっすぐな視線とぶつかった。
春は、そこで初めて、
自分の上に、
蓮が覆いかぶさっていることを知る。
心臓が、恐ろしい速さで脈を打ち始めた。
「感覚も……戻ってきたようだな」
低く落とされた声。
何が、なんて問い返す余裕はなかった。
逃れようと身を捩った途端、
全体重をかけて、押さえ込まれる。
「やだ……重いよ。蓮さん、どいて……」
「暴れるな。余計な体力を使うと、修復が長引くぞ」
告げられた言葉の意味がわからない。
不安げな顔で見上げれば、
「ひっ!」
突如、胸の突起を掴まれて、
春の口から小さな悲鳴が漏れる。
乳首に触れる指の感触は、あまりにも生々しくて。
春は、自分が何も身につけていないことに
ようやく気付いた。
「なっ、なんで、裸!?
――って、やっ、やだ、何して」
蓮が、乳輪を撫でつけてくる。
執拗に、何度も。何度も。
「やっ……やめ」
咄嗟に連の手を抑えるが、
指に力が入らない。
反対側の突起を口に含まれ、
春は驚愕に目を見開いた。
「……っ、 や……ぁ!」
強く吸い上げ、
舌全体で押し潰すようにされて
口から、甘い悲鳴がこぼれてしまう。
「な……んで? こ、なこと」
舌で嬲られる感触に耐えながら
必死で言葉を紡ぐ。
蓮は、顔を上げると、まっすぐに春の瞳を見据え、
短く告げた。
「……命を、繋ぎとめるためだ」
その言葉に、心臓が、どくりと音を立てる。
「……命、を……?」
呆然と呟きながら、春は蓮を見つめた。
春の瞳は、どこか傷ついたように、悲し気に揺れている。
蓮は何かを言いかけ、
そのまま言葉を飲み込んだ。
「お前は、何も考えなくていい。
……すぐに、ラクにしてやる」
言い終わると同時に、
蓮の手が、
春の自身を強く捉えた。
「……っ、や……!」
突然の刺激に、春の体が大きく跳ねる。
軽く上下に擦られただけで
硬さを増していくのがわかった。
蓮の手が、それを容赦なく嬲っていく。
「や……っ、あ!……あ、……ん、あぁっ!」
下腹部に沸き上がる
ぞくぞくとした疼きに、
甘ったるい声が口をついて出る。
自分でさえ、滅多にやらない行為を。
他人の――
しかも、蓮の手で施されている。
その事実に
春は羞恥心でどうにかなってしまいそうだった。
「あ……あぁ……っ……も、やめ……」
やめてほしいのに、
自慰とは比較にならない気持ち良さに
身体がいうことをきいてくれない。
手の動きに合わせて、
腰を、ゆらしてしまいそうになる。
蓮は、動きを止めることなく
春の耳元で低くささやいた。
「……溢れてるな」
先端から、とろりと、
先走りの液が零れ落ち、
蓮の手を濡らしていた。
こみあげてくる射精感に、
春の眉が切なげに寄せられる。
「蓮……さん……っ、もう……」
体が熱くてたまらない。
荒れ狂う欲望を
全て吐き出して、らくになりたかった。
「いかせてほしいか?」
蓮が、掠れた声で言う。
どこか余裕のない、そんな声。
ぞくりと、春の肌が粟立った。
「……お、ねが……」
わけもわからず懇願する。
もう、限界だった。
――蓮が、小さく笑う気配がした。
次の瞬間、
「あ、ぁあっ!」
先端を、親指の腹でぐりっと刺激され、
強烈な快感が体を貫いた。
そのまま、激しく上下に扱かれて、
春はのけぞりながら
びくびくと体を震わせ続ける。
「あ……あぁ……あ!」
(いい……気持ちいい)
あまりの気持ち良さに、
もう、何も考えられなかった。
「あ……あぁ……っ……め、……いっちゃ」
(も、我慢、出来ない)
激しい射精感がこみ上げてきて、
「あ!……いっ、いく……いく……いっちゃう」
「いいぞ」
耳元で低く、囁かれる。
それを、合図にしたかのように、
「っ……あ、 ああぁ……っ!!」
切なげな声と共に、
蓮の手の中に、勢い良いく欲望を解き放ったのだった。
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