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第13話

目が覚めるとそこは薄ピンク色の天井だった。 「……ん」 体も瞼も重い。腕はまったく動かせない。 「目が覚めたかい?」 頭を左に動かすと、あいつは寝ている俺の横に座っていることがわかった。 「……てめえ。なんか、した、だろ」 「ちょっとね」 睡眠薬か何かを水に混ぜられたのかもしれない。おそらくトイレに立った時に。正常に働かない頭を一生懸命動かし、異常事態にやっと気づいた。俺、裸だ。 「なん、で?俺、服、着てないの」 「脱がせた」 「なん、で」 薬のせいなのか呂律もうまく回らない。 「ここがどこだか分かって言ってるのか?」 そう言ってこいつは自分のズボンとパンツを脱ぎ捨て自身の局部を露出させた。そして俺の口を無理やり指でこじ開け、ちんこをずぼっと突っ込んできた。 「がっ」 俺は一気に吐き気が押し寄せてきた。くさい。ちんかすや毛やら尿のにおいがして、鼻下にこいつの陰部まわりの毛があたってとても気持ち悪い。 「歯ぁ立てるなよ。丁寧に舐めろ」 そんなこと言われてもやりたくないことはやりたくない。俺は抵抗するために歯をがちっと立てた。 「…いった。クソガキ、歯ぁ立てんなっつっただろうがっ」 ボカッと一発、頭を殴られた。痛い。その瞬間思った。そうだ、こいつはそういうやつだ。 「わからねぇ頭の悪いクソガキはこうだ」 するとこいつは俺の喉元近くまでちんこを奥に突っ込み、抜き差しを始めた。 「はっ…がっ…んっ……ヴぉぇっ…」 嫌でも舌とちんこがガシガシとこすれる。 「あー…いいっ、久々のフェラさいこぉー」 こっちは人生最悪の日である。 「あー…あっ、イく、イく、イくぞ」 こいつは俺の口からちんこを抜き、右手でちんこをこすりながら俺の顔に精子をぶっかけた。 「あっ…あぁ、きもちいぃ」 「……さいってい」 ほんのり感じる生温かさと生臭さがさらに吐き気をもよおす。 「さて、本番だぞ」 そういうとこいつは棚の上にあったローションを取り出して自分の指や手のひらにかけた。俺はまだベッドから動けないままだった。そのまま俺は足をM字に開かせられケツの穴にローションがどろっとかけられた。 「ッ…!つめたっ」 「我慢しろクソガキ。今からいいようにしてやるからよ」 こいつは指を俺のケツ穴に一気に二本突っ込んだ。 「いっ…!や、やめ」 「お前オメガなんだからさぁ。おとなしくしてろって」 どかっと腹を殴られた。痛い。 「顔はやめといてやるよ。あとで誰かに言われると面倒だからな」 乱雑に指を出し入れされ、どちゅ、ぬちゅ、とローションの音がした。さっぱり気持ちよくなんかない。不快でしかない。指を出し入れされている最中、下を見るとこいつのちんこが自分の視界に入り、さっき抜いたばかりなのに再びたっていたのが見えた。きもい。キモイ、キモイ、キモイ! 「さぁオメガのサクノスケ君。おまちかねのちんぽだよ」 こいつは俺のケツ穴にちんこを無理やり、ぐりぐり突っ込んできた。指での慣らしも適当だし雑で穴は全然ほぐれていなかった。そこへクソみたいなちんこを無理に突っ込んできたからとても痛みを感じた。痛みで言ったら殴られるほうがもちろん痛いけど、精神的にクソみたいな人間のちんこが自分の体に入っているということを考えると最低最悪だった。 「いっ…クソ野郎」 「自分が生まれてきたことに感謝しろよ。俺がいたからお前が生まれてきたんだぞ!」 ドカッ、バギッ、バチッ。また腹や胸を殴られさらに顔を平手でビンタされた。ぬちゅ、ぐちゅ、どちゅっ…。気持ち悪い水音が部屋の中に響き渡る。俺は耳をふさぎたかったが腕がまったく動かない。両足はこいつの両手にしっかりと抑えつけられケツの穴はしっかりと露出している。こいつの腰の動きはとても乱雑すぎて俺はケツの穴付近の皮膚がめくれそうだった。痛い。ただひたすらに痛い。 「はぁ、はぁっ。オメガのケツマンコさいこぉ。親の役に立ってることに感謝しろよっ!」 気づかぬうちに、いつのまにか俺は目から涙が流れていた。俺は今日母親をこいつから守りたくて来たのに、今自分がこいつにこんな屈辱的なことをされているなんて、とてもじゃないが一片たりとも考えたくなかった。俺は自身の精神が限界を迎え、ケツの痛みも辛すぎて、思考することを手放した。しばらくこいつは腰を好きなだけ振った後、ぐいっと腰を俺のケツに当てがい、ケツ穴に精子を放出した。 「ふぅっ…ふぅ……」 「う、うぅッ……」 涙があふれて、溢れて止まらなかった。こんな、きったない、クソ野郎の、実の父親に犯されるなんて。なんて汚らわしい、汚らしい、人生最悪の日。 「ごめん、先輩…」 「…あれ?なんだ、やっぱ好きな人、いるんじゃん」 「……」 「はぁ。じゃあ、俺はやりたいことやったから着替えて帰るよ。あ、ホテル代は一応俺が出す。ここに置いとくから」 そういってあいつはベッド横のコンドームや照明がある机の上にお札を数枚置いた。俺は、というとまだ動けなかった。体が重くて仕方ない。 「妊娠されたら困るからアフターピルは必ず飲めよ。じゃ、また連絡するから」 そう言い捨てると、あいつは服を着てバッグを持ってばたんと扉を閉め部屋から出て行った。俺はベッドにだらんと横になったまま、ぐずぐずとしばらく泣いていた。 …十分くらいだろうか。あいつが部屋から出て行ってから少し時間がたったあと、やっとゆっくりとなら体が動かせるようになった。俺は起き上がり殴られた腹や頬をさすった。痛い。顔に跡が残らないといいけど。そんなことを思いながら、俺はその時はたと気が付いた。自分のケツの穴を見て精液がしっかりと中に出されていることに今更気付き動きにくいだるい体を必死に動かし、風呂場へとかけこんだ。体を洗う前にいち早くケツの穴の精子を指で掻き出した。きもい、きもい、きもい!あんなやつの精液が自分の体の中に入っているなんて最悪の最悪だ。俺はシャワーヘッドをケツの穴近くまで持っていきひたすら必死に穴の中を洗った。もしかしたら妊娠してしまうかも…そんな考えが頭の中をよぎる。嫌だ、嫌だ、そんなの絶対に嫌だ!そう思うとまた自然に涙が出てきた。ごめん。ごめんなさい。先輩。俺は心の中で先輩に謝ることしかできなかった。俺はここを出たあとすぐさま医者へ行きアフターピルを処方してもらうことを考え、全身をくまなく石鹸で洗った。 ラブホテルを出た後、時刻は深夜二時だった。この時間はいつもバイトにいくために起きはじめる時間だった。今日も配達がある。休みたくない。あいつのせいでなんて絶対に休みたくなかった。医者が開くのは八時。俺はバイト終わりに医者に行ったあと、あの計画を実行しようと決めた。俺は先輩に向けて、原稿用紙と謎を置いていくことにした。先輩にこの思いが伝わりますように。先輩が俺のことを見つけ出してくれますように。そう願いを込めて。

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