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いや、と言う前にそうされてしまい、数秒状況が理解ができなくなっていたが、「ま、ま⋯⋯だっ、⋯⋯こ⋯⋯」となんとか言って足にしがみついて抗議した。 まだだっこしてもらいたい。 「抱っこしてもらいたいの? でもごはんだから、また後でね」 眉を下げてままにそう言われたことで、お腹がその気になった。 「ふふ、もうお昼だからね。お腹空いちゃったよね」 「お腹は素直ですねぇ」 空いた音を聞かれたことがどことなく恥ずかしい。だけど、ごはんはごはんで《《まま》》にあーんしてもらえる。 そう思った時、足早に席に座った。 「ふふ、早く食べたいよね。今日は何かな」 笑みを零し、隣に座ったままが、「楽しみだね」と声を掛けた。 ままと一緒に食べれるのなら、なんでも嬉しいし、美味しい。あと、ハニワのお皿や箸にしてくれたらもっと嬉しい。 早くあーんして欲しい。 「お待たせしました。今日はハンバーグですよ」 にこりとしたがそれぞれの前に置いていく。 "あんの"は、ままのことが大好きらしい。 ままのことを見たら、大きく喜んだり、お外から帰ってこなかったらそわそわ落ち着かなかったりする。けどわーわー騒いでうるさいし、何よりままのことが大好きなのが気に入らない。大好きなのはぼくだ。 でも、"おぐち"みたいにからかってこないから、まだいいかもしれない。ままよりちょっと美味しい料理を作ってくれるし。けど、急にままに抱きついてくるのは嫌だから止めてもらいたい。抱きつくのだってぼくしかやっちゃいけないのに。 「ハンバーグ美味しそうだね」 「ま⋯⋯ま⋯」 「うん?」 首を傾げて、何? と言うままに、あ、と口を開けた。 きょとんとした顔をしていたけれども、「あーんしてもらいたいの?」と微笑んだ。 いつもしていることだから、すぐに分かってくれた。 うん、と頷くと「いいよ」と言ってくれた。

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