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「えっ、それ大河のハンバーグ、だよね? 食べてもいいの?」 んっ、と頷いた。 「大河がそう言うのなら⋯⋯」 ちょっと困ったように眉を下げていたままだったけど、はやくはやくとフォークを振って催促すると、「食べるよ」と苦笑混じりな顔を見せたままは、髪を押さえつつ、口に入れようとした。 やっぱりままの時よりも大きかったようだ。ままの小さな口には入りきらず、口からはみ出ていたハンバーグを手で押さえつつ、少しずつ食べていた。 「まっ、ま⋯⋯っ、おい、し⋯⋯?」 「う、うん⋯⋯おいひい、⋯⋯」 なんとか口に入りきったものを咀嚼しながら、ようやくといったように返事をしてくれた。 ままがたべてくれた。うれしい。 ふっんふっ、と興奮気味に鼻を鳴らしながら、また食べてもらいたいとハンバーグを切り分けて差し出した。 と、ままが、「ちょっと⋯⋯」と小さく零したのと、おぐちが止めたのは同時だった。 「まだママさまの口に入っているでしょ。口の中に入ってないタイミングであげないと、ママさまが可哀想じゃないですか」 「⋯⋯ん」 ままがかわいそう? ままのことを見る。 口元を手で隠し、もぐもぐしているらしいままの表情はぼくの分をあげた時よりも困っているような顔をしていた。 ままをこまらせちゃった。 「⋯⋯ま⋯、ま⋯⋯ご、め⋯⋯」 ゆっくりながらもごめんなさいと言おうとした時、ままが口を動かしながら言った。 「ママも、ごめんなさい。⋯⋯ママね、食べるのが遅いんだ。⋯⋯だからね、大河が食べさせたい気持ちにすぐに応えられない。⋯⋯小口さんが言っていたように口の中がなくなったら、あーんして? ⋯⋯ママがいいよって言ったらね。分かった?」

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