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ままをこまらせたくない、だからうんと大きく頷くと、「いい子」とふわりと笑って、頭を撫でてくれた。
ままがにこにこしてくれた。
それを眺めているともぐもぐとゆっくり食べていたままが、「食べさせていいよ」と言ったタイミングで自分のハンバーグを差し出した。
「ふふ、元々美味しいハンバーグだけど、大河にあーんしてもらったらもっと美味しく感じるね。ありがとう、大河」
ふふ、と顔を綻ばせた。
目が大きくなった。
あーんしただけでこんなにも素敵な笑顔を見せてくれるなんて。
「姫宮様⋯⋯!」とままの後ろで感激しているあんののことを尻目に、目の前の思わず見てしまう顔を見つめていた。
「ん? 大河、どうしたの?」
首を傾げて、優しい声で訊ねてくるままに全力で首を横に振って姿勢を前に戻した。
どきどきする⋯⋯。
足の間に両手を突っ込んで俯いていた。
「大河がままのことをあーんしてくれたから、今度はままの分のハンバーグであーんしてあげるね」
そう言って、「はい、あーん」としてくるのを素直に受け入れた。
「ちょうどいい温かさになってたかな。美味しいね」
うんうん、と頷き、やや早食いになり、ごくんとした後、ご飯を口に入れた。
ままの分のハンバーグもご飯もなくなり、ごちそうさまをし、ゆっくりのんびりとままとお話しをしていた。
きょうはままとなにしようかな。
『ハニワのだいこうしん!』をいっしょにみようかな。ままをかいて、あげようかな。よろこんでいるかおがみたい。
たんじょうびぷれぜんとでもらったもので、あそぼうかな。いっしょにあそびたい。
なにしようかな。
「姫宮様、御月堂様が来られましたよ」
あんのの言葉で わくわくしていた気持ちが消えてしまった。
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