8 / 9

8.

「あの様子をずっと見ているつもりですか? それともあちらの方で遊びますか?」 その言葉を半分聞かず、じーっとままのことを見ていた時だった。 「大河様、伶介様が来ましたよ」 「⋯⋯⋯!」 ピンッと、背筋が伸びた。 扉の方へ顔を向けるとそこにいたのが。 「たーちゃん、こんにちは!」 ぱあっと満面な笑みを見せる友だちのだった。 途端、駆け出しその手を取った。 「えへへ、あえてうれしい」 にこにこと笑うれいすけはぶんぶんと手を横に振っていた。 「姫宮さん、それから御月堂様も。こんにちは。今日も仲良くなさっているようで」 「あ、松下さん⋯⋯」 「まぁ、な⋯⋯」 くすくすと笑う”れいすけまま”に見られて、ままとやつは頬を赤くして顔を逸らしていた。 それをちらりと見ていると、「たーちゃん」と呼ばれた。 「たーちゃんにあって、すぐにいいたいことがあったんだ」 ふふんと鼻歌を歌うようにはこう言った。 「たんじょうびおめでとう!」 わぁと万歳するように──手を握っているため一緒にする形になったが──両手を上げたれいすけは喜びの声を上げた。 目を丸くした。

ともだちにシェアしよう!