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キミなしでは、もう生きられない・第1話-8

「んっ……。半藤だって勃ってるじゃん」 「当たり前です。ずっと阿方さんとプレイしたかったんだから勃たないわけないでしょ。ボク、自慢じゃないけど、阿方さん以外で抜いたことないんですよ?」 「えっ、ちょっと待って……俺をオカズにしてたってこと? それも十年間ずっと?」 「はい。こっそり高校まで行って練習を見たり、プロに入ってからは試合にも足しげく通っては、いろんな妄想を繰り広げました」 「そ、そんなに見られてたのか……、んっ」  仕事柄、どこで誰に見られていても不思議ではないが、自慰の妄想に自分が使われているのは驚きだった。  しかしそこに嫌悪はなく、むしろ反射的に喘ぎ声が出そうなほど感じてしまった。 「もちろんこういう仕事しているんで、Subの方に簡単なケアをしたりしますが、パートナーは阿方さんだって決めてたんで」 「半藤はどうして俺のことそんなに……」 「それは阿方さんがボクとの出会いを思い出すまで教えません」  半藤の手のひらで握られたそれは意地悪く擦られる。  いちど我慢した射精感が早急に戻ってきてすぐに漏れそうだ。 「あっ、あっ、そんなに扱いたらダメだって……! それ以上されると……出ちゃう──」 「出したらダメですよ。我慢して? 今日はイクことは許しません。それにそのときはボクが命令しますから。まず今日は身体の回復が先決です。エッチは阿方さんが元気になったらたっぷりしてあげますからね」 「え、エッチ……って。あぁっ」  そうは言うものの、半藤は刺激を緩めるつもりはなさそうだ。  意識を違う方向へ巡らせて荒くなった息を整えよう必死になる。 「でもいつから俺がSubだって……知ってたの? プロになったときだって限られた人間にしか伝えなかったのに」 「ほんとうに覚えてないんですね。十年前のこと。ボクは最初に会ったときから阿方さんがSubだって知ってましたよ」  まるで思い出せないことに困った蒼真は眉をひそめて「ごめん」と目を逸らすと半藤は耳朶を舌でなぞり【悪い子】と囁く。 「阿方さんはボクにとって最高のSubなのに。どうして忘れたんですか?」  そう言って半藤はたらりと蒼真の口内に自らの唾液を垂らす。 「あぁっ」とSubの本能が勝手に舌でそれを絡め取り、ごくりを飲み込む。 「ちゃんと覚えてくださいね。ボクの味を」  喉を通過して下降する半藤の体液は、あれだけ重たかった身体を軽くさせた。  脳内は甘ったるく溶けそうなくらいふわふわしている。 「阿方さんのこと、ボクのものでいっぱいにしたいなぁ」  お互いに身体は興奮しているけれど、これ以上のプレイは蒼真の明日の練習に響くと言って半藤は下半身から手を離して終わりにした。 「もっとしたいのはボクもですから。でも今日はおあずけ」  舌で耳の外側をなぞり、耳たぶを咬まれた。  甘い愛撫が高ぶりの熱を冷ましてくれず収まらない前が苦しい。  それでも欲を放つことは許されなかった。  やんわりと熱が引いたあと彼にすっぽりと包まれる。  そのまま夜が明けるころまで、半藤は頭を撫でてくれた。  その行為に蒼真はどんな充電器よりもふんわりと心身が満たされることを知る。  あれだけ欠かせなかった抑制薬を飲むことなど微塵にも思い出さずに朝を迎えた。

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