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キミなしでは、もう生きられない・第2話-9
「あ、明日から丸二日休みなんだ」
「そうでしたね。ちなみにボクも休暇を申請済みです。だから阿方さんとずっと一緒にいられる」
信号が青に変わり、アクセルを踏んだ。すでに下半身に熱が集まってしまったことを知られたくない一心で内腿に力を込める。
「ねぇ、阿方さん。前回は我慢させちゃったから、今夜はいっぱい気持ちよくさせてもいいですか?」
半藤の言葉に、だめだ、と蒼真は脚の力を緩める。完全に勃ち上がってしまった。それに半藤の手のひらがすでに蒼真の太ももに触れている。気づかれるのも時間の問題だ。
「だって、まだなにもしてないのに、ここ、大きくなっちゃてますし」
ツンと膨らんだ生地越しに半藤はそこを擦る。
「あぁんっ! やめろよぉ」
うっかりまた声を出してしまい、口を噤む。
「いま刺激したら、ズボンを汚しちゃいそうだから家まで我慢しますね」
満足そうに笑いながら半藤は手のひらを下半身から離す。もっと欲しいと思わせるのが上手い、と蒼真は乱れた呼吸を整えるように溜息をついた。
「どこに向かってると思います?」
「……分からない。ただ川沿いだってことだけは理解してる」
「もうすぐ着きますから。そこの路地入ってくれます?」
「ここ? ずいぶん細い道だな」
「住宅街なんで。あ、そのマンションの前で。すぐ横にコインパーキングあるんで、そこに停めてもらっていいですか? もちろん支払いはボクがします。うちのマンション、駐車場がない単身者向けの建物なので申し訳ないですが」
「えっ、それって半藤の部屋に行くってこと?」
はい、と当たり前だと言わんばかりの返事をして半藤はシートベルトを外す。エンジンを切ると夜の住宅街に響いていたマフラー音が消えて静寂が戻った。
「さぁ、二日間、たっぷり可愛がってあげますからね」
マンションの入口に立つ蒼真の腰を半藤に抱き寄せられた。顔が近づいたと思ったら、ぺろりと首筋を舐められて「うっ」と声を押さえる。とまどう蒼真のことなどお構いなしにマンションのオートロックは解除され、半藤は慣れた手つきでエレベーターの階数を押す。十階だての細長いマンションの最上階。エレベーターのなかでも半藤は後ろから蒼真を抱きしめて「ボクだってドキドキしてますから」と小さな声で言った。
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