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キミなしでは、もう生きられない・第3話-4
「えっ、ふ、服?」
「プレイ、始まってますよ? この前だって阿方さんは裸だったんですし、恥ずかしくないですよね」
さいしょから全裸なのと自分で脱ぐのは違う。サウナだってそういう場所だから裸になっているわけで、寝室で服を脱ぐなんてこれからセックスをすることに同意したようなものだ、と顔が熱くなった。
「いまさら服を脱ぐだけで照れるなんて、どこまで可愛いんですか。一枚、一枚、ゆっくりで大丈夫ですから。脱いでるところを見るのもボクにとっては癒されるんで」
「俺が服を脱ぐだけで、半藤は癒されるの?」
「そうです。ボクの言うことを聞いて裸になった肌に触れたい。阿方さんはボクに触れて欲しいと思ってくれてますか?」
「そ、それは……」と口を噤んだのは、もちろん見て欲しいし、触れられたいからだ。前回のときのように肌と肌が触れ合って過ごしたいし、できることならいますぐにキスだってしたい。
「Say(ちゃんと言って)」
「あぁっ!」
コマンドを使われると心に隠しておきたい半藤への欲望を見事にさらけ出してしまうことになる。しかし抵抗はできない。言いたくて仕方なくなってしまう──。
「な、半藤ぃ……、服を脱いだら、ご褒美くれる?」
涙が出てしまいそうな気がした。屈辱と羞恥のはずなのに、脱いで褒められたい自分がいる。
「もちろんですよ。阿方さんが脱いだら、ボクはとても良い気分になりますから」
「き、キス……してくれる?」
服の裾を両手で握り締めた蒼真は震える瞳で半藤を見上げた。
「あぁ、もう。阿方さんにとってキスがご褒美なんですね。そんなの嫌だって言ってもしてあげますから。でもその代わり、やめてって言ってもずっとします。キスもそれ以上も」
キス以上のご褒美が待っていることに蒼真は涙を零す。その涙はホッとしたから落ちたのだろうか。それともキスをしてもらえる喜びが溢れたのだろうか。もっともっと欲望を満たしてくれそうな期待で小刻みに震えてしまう。
「さぁ、阿方さん。Strip(服を脱いで)」
目を瞑り、上着をそろりと脱ぐ。そっと目を開けると半藤がまばたきもせずに蒼真を見つめて「綺麗な体。じゃあ下も脱いでくれますか?」と囁いた。
「んっ……」
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