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キミなしでは、もう生きられない・第3話-7

 瞬きなんか忘れてしまったかのようにずっと蒼真を見つめる半藤に扱かれると先端から溢れ出している先走りで水音がリズミカルに響く。好きとか愛されるとかそういうことから遠ざかっていた蒼真は求められる悦びを全身で感じた。  ひとりでしてもこんなに早くに限界は来ないというのに、蒼真は急速に込み上げた射精感に堪えられない。 「あぁっ! な、なかふじぃ、ダメ、ダメ、い、いくっ! いっちゃうからぁ!」 「まだダメです、阿方さん。我慢して。ボクが許可したらいってください」  半藤の名前をずっと呼びながら、命令を待つ行為すら気持ち良い。達したくても達せない状態に蒼真は脳内がとろとろに甘い蜜をかけられたような痛みなど感じない世界へ堕ちてゆく。 「き、気持ちよすぎて、なんか変。なかふじぃ、もっとぉ、もっとして?」 「あれ、阿方さん、もしかして……サブスペース入ってます?」 「わ、わかんないけど、なんかふわふわしてる。天国ってこんな感じかな」  これまでの人生で感じたことのない酔いとも違う酩酊状態が続く。半藤の唇にキスをしながら、体を預けて全身が溶け合ってしまうかのようにひっつく。 「うわぁ、可愛いなぁ、阿方さん……もっと命令したくなっちゃったなぁ」 「お願い、もっと、もっと下さい──」  ふっと半藤はスイッチが入ったかのように蒼真をベッドへ押し倒す。 「Roll(ごろんして)」 「はぁい……! んっ、これでいい?」  仰向けになり、猫が気を許しているときのように甘えた格好になった蒼真は自ら両脚を左右へ開く。なにもかも丸見えの姿なのに羞恥はひとつもない。 「あぁ……、もう、ほんとに抑制剤なんて気休めにしかならないな!」  半藤はそのまま蒼真へ覆いかぶさり、キスをしながら自らのものと蒼真のすこしも収まらない反り返ったものをいっぺんに握る。

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