「えっ、えっ、半藤の裏と俺の、う、うらが擦れて……き、気持ちいい……んぅ！　ダメ、いきそ」 「阿方さん、ボクも……こんなに早くいくの初めてです。大好きな阿方さんのとボクのを握っているだけでおかしくなる」 　半藤は擦る手を早めた。それでも蒼真は命令がないと頂点に向かえないので、半藤の唇に強く唇を押し当てて命令を待った。 「んっ、んっ、い、いきたいよぉ……なかふじぃ……！」 「はぁっ、可愛い声出さないで。いっしょにいきたいから……！」 　険しい顔で見下ろしている半藤に蒼真は胸がうるさく鳴る。これが「好き」という気持ちなのか──。半藤と離れたくないし、この気持ち良さを伝えたくて蒼真は叫ぶ。 「す、すき、好きだよぉ、なかふじぃ……！　いっしょに気持ち良くなりたいの」 「あぁ、サブスぺ入ってる阿方さん、こんなに可愛いなんて想像してなかったな……。ボクのほうが限界だ」 　当たっている半藤のものがじわっとさらに大きくなると同時に蒼真も腰が浮いてしまいそうなくらい急速に快感が駆け上がる。でもまだ命令が来ていない──。 「Cum(イッて？)!」 「あっ、あっ！　んーっ！　な、なかふじ、大好きぃ！」 「ちょ、ちょっと……大好きとか言わないで！　あぁ、ボクも出ちゃいますから」 　自らの腹の上に蒼真は白い熱を放つと、半藤に顎先を掴まれて「口開けてください」と言われた。 　すぐに温かいものが口内にどろりと流れ込む。 「んっ、はぁっ……」 　零さないように蒼真は半藤の精液をぜんぶ飲み込んだ。甘いミルクのように体の隅々まで行き渡る感覚に、これでしばらく薬が必要なくなる、と安堵した。 「阿方さん……とってもとってもいいこ。好き、大好き、ボクのパートナーにぴったりすぎます。ホントになってほしいな……」 　半藤の声が遠のいてゆく。まだひとつに繋がったわけでもないのに、どうしてこんなに満たされるのだろう。 「でもサブスペースに入ったってことは、ボクのこと信頼してくれたって思っていいのかな」 　蒼真は何も考えることのできない脳内のまま、半藤の癒されるトーンのボイスをかすかに感じながら目を閉じた。