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キミなしでは、もう生きられない・第4話-4

 どくん、どくんと心拍数が上がるのが分かる。自分が誰かの所有物になった姿は想像していたよりも衝撃的で興奮する。首輪なんてつけて誰かに支配されている証拠を晒すことに抵抗があるけれど、蒼真の本心は人目があるショッピングモールでペアリングをつけた半藤と手を繋ぎ、カラーをした姿で寄り添って歩きたい。 「ゆっくり選んでくださいね。また決まったらお声がけください」  試着したカラーと指輪を戻し、ほかに気になるものがないか、と半藤が店内を見回った。正直、ほかのものが目に入らないくらい蒼真はリングとカラーが気になって仕方なかった。 「あ、そうだ。阿方さん、ボクと阿方さんのドリンクを車に忘れてきちゃったんで、鍵を渡すんで、取ってきてもらっていいですか?」 「えっ、別にあとで買えば良くない?」 「車内に置いておくと、ぬるくなって飲めなくなっちゃいますし」 「そう? 分かった。取りにいくから店の前で待ってて」  走って取りに向かい、駐車場から戻るとトートバックを下げた半藤が店の前でスマホをいじりながら待っていた。 「持ってきたよ」 「ありがとうございます。ボクのお願い聞いてくれたからご褒美あげたいです」 「ご、ご褒美? ここで?」  ご褒美というワードをキスだと変換してまい蒼真は口元を手で覆った。 「あ、もしかしてキスされると思ったんですか? してもいいんですが、誰が見てるか分からないですし、ふたりきりになったらしてあげますよ」 「あ、いや、そういうわけじゃ……ないんだ」  慌てる蒼真を見て半藤は可笑しそうに顔を緩めた。 「じゃあご褒美は……ランチにしましょうか。阿方さん、お腹減ってます?」 「そういや腹減ったな。半藤は?」 「ボクも空きました。この施設、六本木で有名な焼き肉店が入ってるの知ってました?」  蒼真は「知ってた! 実は行きたかったんだ」と声のボリュームを上げて言う。 「決まりですね。電話して個室が空いてるか確認します」

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