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キミなしでは、もう生きられない・第4話-7

「あの時の中学生って……!」  練習中にずっと蒼真のことを見てる中学生がいるぞ、と野球部の仲間から耳打ちされて、ちらっと見たことを思い出した。  日が暮れてナイター照明が点いてからも帰らない姿にさすがに心配になったので、蒼真はその中学生に声を掛けたのだ。 「そう、それがボクです。あのとき阿方さんから声を掛けてもらったことで、志望校に決めたし、なんならそのときからずっと……好きなんです」 「あ、あのときから、ずっと……?」 「阿方さん、ボクになんて言ったか覚えてます?」  半藤には申し訳ないが覚えてなかった。  早く帰れ、とかではないはずだ。  帰りが遅くなると親も心配するだろうと思ったから、そんなようなことを言ったのかもしれない。  口ごもっていると半藤が遮るように告げる。 「受かったら、いっしょに野球やろうな──」  半藤はそのときのことを思い出したのか瞳を潤ませて蒼真へ顔を近づけた。焼き過ぎた肉が白い煙を上げて半藤の顔がぼやける。 「その夢は叶わなかったけれど、いま、ボクは阿方さんの恋人としてキスできる位置までこれた」  抵抗などできる時間は与えられずに半藤の唇が短く重なる。  恋人として、初めてのキスになるのだろうか──。 「好きです。ずっと好きだったんです。Subとしても、野球選手としても、阿方さんというひとりの人間としても」  離れた唇が恋しくて見つめてしまう。  なにげなく声を掛けたひとことでずっと自分のことを好いてくれているなんて、嬉しいという言葉では足りないくらいだ。  誰かに一途に愛されたい。  たったひとりに縛られて、尽くして生きてゆきたい。  それがSubの本能だ。  その願いを目の前にいる半藤航希が叶えてくれるかもしれない──。

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