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キミのすべてを、受け止めたい・第1話-9

「んっ、あ……」 「可愛いです。キスしたくてちょっとだけ舌が出ちゃってる阿方さん。そんなにボクとキスしたかったんですね。後輩といっしょにいるときもボクのこと考えてくれました? もっとメッセージくれるかと思ったのに、ぜんぜん寄越さないから淋しかったんですよ」  嫉妬してくれる姿に蒼真は心臓がうるさいくらいに騒ぐ。自分が半藤を淋しくさせてしまったことに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。 「ごめん……もっと早く切り上げるべきだった」 「ちゃんと報告してくれたのは嬉しかったです。阿方さんの行動をぜんぶ知っていたいから──。もちろんボクと会えなくてひとりでしたくなったときも、ちゃんと教えてくださいね?」 「……ん」  まるで性欲までコントロールされているようで蒼真はぞわりと腰の奥が疼くのを感じた。あまりひとりですることはないけれど、もししたくなったときは半藤にどう報告すればいいのだろうか。 「事後報告ではダメですよ。ちゃんとする前に教えてくださいね。仕事中で返事できないかもしれないけれど」 「恥ずかしいな……」  寝る前だろうか、起きた直後だろうか、それとも遠征中で会えないときだろうか──。  想像しているうちに蒼真は自分が前を大きくしながらスマホで報告している姿を思い浮かべてしまうとズボンの中が苦しくなった。 「あれ? もしかして妄想しちゃったんですか。勃ってますよ? それもすごく硬い。まだキスすらしてないのに」  服の上から握られ、蒼真は「あぁっ、気持ちよくなっちゃう」と口走る。 「直接触ってないのに、敏感すぎません? もっと可愛い声聞きたくなっちゃったから、阿方さんの寝室行きたいです」 「そ、そこのドア」  リビングの手前にある部屋を指す。半藤は「じゃあ行きましょう」と言って寝室のドアを開けて、すぐに蒼真をベッドに押し倒した。 「さすがプロ。ベッドが高級だ。スポーツ選手がよく使ってるマットレスですね」  深く沈み込むわけでもなく背中を支えてくれるマットレスが快感の期待に震える蒼真の背中を押し返す。 「strip(服を脱いで)!」  服を脱ぐように命令された蒼真は頭の芯がぼんやりして心地よくなる。Tシャツを脱ぎ捨て、ズボンを下ろすと「ちゃんと下も脱いで偉いですね」と頭を撫でられた。 「な、半藤ぃ……、もっとぉ、命令ちょうだい」  そう言った途端、ふたたび叶野の言葉が耳の奥に甦る。そうだ、今日こそちゃんと記憶したかった。半藤と抱き合った感覚を。 「いいですよ、また阿方さんがふわふわになるまで、たっぷり命令して可愛がってあげます」  どんな命令を出そうか迷っている半藤に蒼真は「ちょっと待って」と手のひらで彼の口元を押さえた。 「今日はコマンド無しで……そ、その、え、エッチしたいな」 「えっ、だって、さっき、もっと命令って言ったのは阿方さんですよ?」 「半藤に命令されると気持ちよくなっちゃって……ついお願いしちゃうんだ。でもサブスぺ入ると半藤に抱かれているあいだの記憶がなくなっちゃうから……嫌なの」  どんな顔で言ったのか自分では分からないが、半藤がきょとんとクールな切れ長の目を丸くしてしばらく動かない。 「な、半藤? 俺、なにか変なこと言った?」 「いえ、大丈夫です。ただ、どうしてそんな愛らしいこと言うのかなってフリーズしてしまいました」  ふわっと半藤が笑顔を見せたかと思ったら、そのまま口づけされた。 「じゃあ今夜は恋人バージョンで抱きますね」  半藤も着ていた服を素早く脱ぎ捨てると一秒たりとも惜しいというような速さでふたたびキスをされた。 「ちゃーんと覚えてください。ボクとのエッチ。コマンドを使わなくても気持ちよくさせてあげますから」  静寂の寝室に半藤と口づけする音だけが響く。さっき咬まれた箇所を半藤は指でなぞりながら、もう片方の手のひらで胸を弄った。中心の尖りが硬くなり敏感に半藤の指先を感じ始める。 「んっ、はぁっ、そこ、き、気持ちいいかも」 「かも、じゃなくて気持ちいいはずですよ。こんなにピンって弾くことができるくらい硬くなってますから」  何度か指でつままれたあと、ぬるりと舌で舐められた。 「あんっ、やぁっ、そんな……とこ舐めても何も出ないし……」 「男でも感じるようになるんです、ここは」  片方だけでは終わらず、両方の尖りが赤く腫れあがるくらい吸われた。そのまま舌はみぞおちを通過して蒼真の反り上がっている下半身に到達する。 「胸だけ弄っただけなのに、先っぽかがこんなに濡れてますね。胸だけでいけるように育てたいなぁ」  先走りが根元まで垂れているのが分かる。半藤の舌は先端の割れ目から根元まで裏側を辿って下降し、臀部へ続く道にぶら下がるふたつのふくらみを何度か口に含んだ。 「そ、そんなこと……舐めなくていいって」  意識があると恥ずかしさが上回って両脚を閉じて隠したくなる。しかし半藤にそれを許されるわけもなく開くように促された。 「ふだんならコマンドでしっかり見せてもらうけど、しっかり阿方さんの意識がある状態で脚を広げてもらうとその照れた顔がめちゃくちゃそそります」  なにもかも丸見えだ。臀部の奥もきっと見えてしまっているはずだ。こんな姿をいつも自らしていると思うと恥ずかしくて両手で顔を覆った。 「ダメですよ、顔を見せて。あ、命令みたくなっってしまいましたが、ボクによーく見せて欲しいんです」  そろそろと手を外すと半藤は「ちょっと待っててください」と言った。床に置かれた彼のショルダーバックから半藤は何かを取り出す。 「こっちは予備を持ってたけど……。あ、阿方さん、ローション持ってたりします?」 「えっ、あ……あるけど」  ベッド脇の棚を開けて、蒼真はローションを取り出して半藤へ渡した。口元には避妊具を咥えている。その姿だけで使ったこともない尻の奥がぎゅっと締まる感覚になる。 「あれ、開いてないってことは……」  うっかり喋ってしまった半藤はぽろりと口元から避妊具を落とした。ぴたっと腹の上に乗ったそれを確認した蒼真はこれから半藤が中へ入ってくることを期待してしまう。 「もしかして……阿方さん」  半藤に渡したローションはひとりで使うために用意したものではなかった。半藤と付き合うようになって、いつかはひとつになることを想定して準備したものだ。 「な、半藤とエッチしたくて……買った」 「ほんとうに? ボクが阿方さんの中へ入ることを想像して買ってくれたんですか?」  その通りだ、と蒼真は頷く。 「あぁ……好き、大好き。阿方さんってどうしてこんなにボクのことを乱すんですか? これはボクと最後までしたいって思ってくれたってことですよね?」  唇を噛んでから、そうだ、と小さい声で告げた。恥ずかしすぎて穴の中に埋まりたい気分だ。せめて使っておくべきだったと後悔しても手遅れである。 「後ろ使うのはじめて……でしたよね。それだけでも嬉しくてどうにかなりそうなのに、ボクのために準備しようとしてくれた阿方さんをどう可愛がったらいいでしょうか……」

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