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キミのすべてを、受け止めたい・第4話-3

「唇だけだと阿方さんのとっても可愛らしい声が聞けないから……他の場所も吸おうかな」  そう耳元で囁いた半藤は舌先を耳朶へ移動させてなぞる。耳たぶの裏を尖らせた舌が這うと全身が悦を得て鳥肌が立った。 「耳のうしろは阿方さんの匂いがすごく出てるや。ずっと嗅いでいたい──」  後頭部と首の付け根あたりに鼻先をつけた半藤は首へキスを繰り返す。 「体が商売道具の阿方さんに痕をつけたらダメだって分かってるけど……きょうは我慢できない」  唇で小さな範囲の皮膚を啄まれ、ちくっとした痛みが走る。それは半藤からの愛情なような気がして、もっと味わいたいと脳が叫ぶ。 「あぁん、もっと……もっと、ください」 「お願いされなくても、いろんな場所にたくさんあげますよ。十年かけて阿方さんを手に入れることができたんですから。どうにかして消えないような痕を残したくて仕方ないんです」  半藤は蒼真のTシャツを捲り上げて胸を弄る。すでに両胸とも先端の突起が赤く腫れて半藤に吸われたいと待ち構えているかのようだった。 「あ、キスだけで、こっちも硬くなってますね」  ぴん、と半藤の人差し指で胸の突起をはじかれると「あんっ!」と自分では出したこともない声が飛び出した。その声を聞いた半藤は舌先でぬるりと胸の尖りを舐める。溶けそうなアイスをすくうように何度も何度も生温かい舌が往復する。 「ほら、すごくぷっくりしましたよ。これでもっと感じやすくなるはずです」  そう言った半藤は口を窄めて突起を吸う。びりびりと快感が全身を駆け巡り「いいっ! なかふじぃ、気持ちいいよぉ。もっと吸ってぇ」とどんどんとワガママになる自分が現われた。 「阿方さんのとろんとした顔、たまらないです。ぜったいにボクだけにしか見せないでくださいよ!」  歯を立てて、胸の突起を甘噛みされた蒼真は「あぁんっ! ダメっ!」と急激に込み上げる射精感に腰を浮かせて耐えようと努めた。 「あー、コマンド使いたいけど……阿方さんの意思だけで、いっちゃう姿、見たいなぁ」  耳元で囁かれた蒼真は勃ちすぎて痛い部分がさらに大きくなるのが分かった。もう限界だ、と思った瞬間、反対側の尖りをさっきよりも強めに咬まれた。 「うわぁ……ん……ごめんなさい」  思いっきり下着のなかで達した蒼真は両手で濡れた箇所を隠す。グレアをあびたときは違う。今日は明らかに精を飛ばしてしまった。 「あぁ、ボクの命令ではなくて、ボクとの行為でいっちゃったんですね?」  どれどれ、とハーフパンツを下ろされ、ボクサーパンツ姿にさせられたそこは想像よりもはるかに濡れていた。 「ずいぶんな量で、さすがのボクも驚きました」と下着を脱がし、蒼真のまだ落ち着かないものを半藤は握る。 「あっ、いやっ! 出たばっかりだからぁ!」  敏感なそこを上下に扱き始めた半藤の表情に笑顔はない。 「ボクだけが知ってる阿方さんを見たいんです。サブスぺ入る前にボクに初めての経験させられた記憶を残したい」  ぐずぐずと再び先端が濡れはじめると、まだ白い液体が混じっている。自分の出した液体は潤滑油となり、半藤が扱くスピードが水音となって部屋じゅうに響いた。

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