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キミのすべてを、受け止めたい・第6話-4

 中国地方で三戦行ったあと、大阪と名古屋で三つずつ試合をしてようやく東京へ戻ってきた。  そのあいだも毎晩、半藤へは試合後に必ず連絡してコミュニケーションを取った。離れているときほど、言葉は大切だ。蒼真がいちばんそれを体感したから、相手からの連絡を待つのではなく自らアクションを起こしたのだ。 「蒼真さん! こっち!」  新幹線が東京駅に着く時間を事前に連絡をしていたので、半藤が東京駅の地下駐車場まで自分のSUV車で迎えに来てくれていた。きょろきょろと車を探していた蒼真へ窓を開けて待っていた半藤が声を掛ける。 「航希! ありがとう、迎えに来てくれるなんて」 「そんなの当たり前です。一秒でも早く蒼真さんに会いたいんですから」  荷物を荷台へ載せて助手席に乗り込んだ蒼真は十日くらいぶりに目の前にした半藤の姿に胸が鳴る。いつもハーフアップの髪は下ろしてあり、ラフな表情が甘く感じた。 「あ、ちゃんと付けてますね、Good! 蒼真さん」  半藤は蒼真の首元に付けられたカラーを人差し指でなぞる。電話越しでは簡単なコマンドを聞いていたが、直接下される甘やかしはすぐに体に火をつけた。 「んっ、だって、航希が付けて欲しいっていうから……」 「なんか可愛い声になっちゃってますよ。どうしよ、もう我慢できないや。禁欲生活良くないなぁ」  そう言って半藤はすばやく蒼真の無防備になっていた唇へキスを落とす。 「あっ、やっ」 「だからいまそんな声出さないでください──」  半藤は真顔でエンジンを掛けて、すぐに駐車場を出発する。  日曜日のナイターの翌日、つまり月曜日のランチどきに帰京したので、オフィス街はかっちりとしたシャツを羽織った人々が行き交っている。半藤のSUVは颯爽と大通りを駆け抜け、ひとことも喋らず笑顔もなく運転を続けていた。 「オレんちも、航希んちもこっちじゃないよな」  見慣れない道路を突き進む車に蒼真は不安になる。なにも喋らないのも気になって仕方がない。 「えぇ。家まで我慢できないんで、ホテル行こうかなって」 「はっ? ほ、ホテル?」 「蒼真さんはボクと久しぶりに会って、したくならないんですか? ボクはもう限界です。すこし抜いておけばよかったかなって自分で禁欲するって言っておいてアレですが、後悔してます」  銀座のど真ん中を抜けて新橋あたりで車はホテルの駐車場へ入ってゆく。 「チェックインすらもどかしい──」  車を降りて事務的に受付を済ました半藤はエレベーターに乗り込むといきなり蒼真を壁に押し付けた。 「六階まで待てないんで」  強く唇が重なり、鼻息を荒くした半藤がすでに勃ち上がっている下半身をぐりぐりと蒼真へ押し当てる。  久々に嗅いだ半藤の香りが愛おしい。もうこの匂いだけでじわりと下着が濡れたのが分かる。半藤だけではない、蒼真もきちんと言いつけを守って、ひとりで慰める行為はしなかったのだ。  早く、早く、中に欲しい。  臀部の奥がなにかを待つように勝手に疼く。口元は半藤の唾液を吸い取るようにじゅるじゅると音を立てて口づけに呼応する。  エレベーターのドアが開くと到着を待っていた他のカップルにその姿を見られたが、半藤は見せつけるように蒼真のカラーを指で引っ張り、入れ違うように降りた。  そのままキスを繰り返しながら部屋に辿り着くと半藤はベッドの淵に腰かけ、「Kneel!」と命じた。 「あぁんっ!」  ぺたんと座り込んで、半藤を見上げるとリードが蒼真のカラーへ付けられた。 「おいで、蒼真さん。いっぱいいっぱい、めいっぱい甘やかしてあげる。ちゃんとボクの言うこと聞いて、ひとりでしなかったんですよね? その姿を見ると」  そういう半藤の目線は蒼真の股間へ向けられている。気が付けばズボンまで分かるくらいに濡れてしまっていた。

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