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第7話
「んふっ、んっ」
艶めかしいユラールの息のような声に、身体の奥がカッと熱くなる。そのままユラールの首筋に唇を這わせ、ところどころ甘噛みした。
そこから引き剝がすようにユラールの服を脱がせた。衣服と俺の手が肌に触れるたびにユラールは「あっ」と短く喘いで俺の理性をゴリゴリ削ってくる。
そうして露わになったユラールの鍛えられた美しい裸身に、俺が愛撫を加えるとユラールの身体はぴくぴくと跳ねる。首筋から胸の方に唇をゆっくりと這わせて移動し、小さな粒を思いきり吸った。
「ああっ!」
ユラールは喉を反らせて喘いだ。俺はしつこくユラールの乳首を舐め転がした。だんだんと小さかった粒が芯を持ち出して来て、大きく育ってくる。舌先で転がし歯を立てると、ユラールの腰が揺れる。
「やっぱ、かわいいよ、ユル」
「そっ‥んっ、あっああ、」
ユラールの顔も身体も、赤く染まっていてエロい。どこまで俺に頑張らせるつもり?頑張っちゃうよ俺自分の体力の限界に挑んじゃうよ。
お互いの肌が全部くっつくように、ぴったりと身体を重ね合わせて抱きしめる。唇で何度も首筋を擦り、抱きしめている先の手をユラールの身体に這わせた。熱くて滑らかで、そして愛おしくて。
そうしてるだけでもイキそうになる。
あの夜俺は何を言ったんだろう。
いつも冷静で落ち着いているユラールが俺の身体の下で、こんなエロい顔になるほどの事を、俺は言ったんだろうか。
あの日のことを覚えていない自分が恨めしいし、何なら妬ける。
あの朝まで、俺はユラールの事をいいやつだ、好ましいなとは思っていたが、こんなにかわいいやつだとは思ってなかった。
あの朝俺がかわいいと思ったように、覚えていないあの夜にもかわいいと思ったんだろうな。
ユラールのちんこをさぐる。めっちゃ硬くなってて先走りで濡れている。かわいい。俺に触られて勃たせてるってのがかわいい。
握りしめてゆるゆると扱いてやるとビクッと大きく身体をくねらせた。
「あ、だっ、だめ、あ、しゅれ、んっ」
ぬるりとしている亀頭を親指でぐりぐりと刺激すると、ユラールの身体が強張っていく。大きな快感で身体に力が入っちゃってるその様子もかわいくて、顔を胸の方に滑らせ乳首をかぷりと噛んでやる。
「ひいっ」
ユラールが喘いで喉を反らした。構わず乳首を舌と歯で扱きながらちんこも扱いてやる。
「あ、ああ、いっ、いい、あ、しゅ、れんっ、いく、いくッ、でちゃ」
俺がじゅうッと強く乳首を吸いながらちんこを激しく擦ったのと同時に、ユラールはどぷりと精を吐き出した。なかなかの量が出てきて俺は満足する。
荒い息をついて身体をぐったりさせているユラールの顔を見れば、快楽に蕩けたような顔でぼんやりとしている。
俺はたっぷりと出てきたユラールの精液をそのままユラールの尻の方に塗りつけた。そのまま指を一本つるりと滑り込ませる。赤く染まった身体がまたビクッと震えた。
「あ、だめ今、イッたばっか、あ、あああ」
俺はぬるつく指でユラールの後孔の中を探って、イイところをひっかく。少しだけぷくっとしているそこは敏感に俺の指の刺激を受け取った。
「ひあ!あ、ああ」
ユラールの嬌声を聞きながら、俺はにやにやしてそこをしつこく弄った。時折指をぐるりと回しながらほぐして、また指を増やす。二本は入った時には二本のゆびでユラールのイイところを挟んでぐりぐりと擦ってやった。これは刺激が強かったようで、ユラールの身体が大きく跳ねた。
「いあああ!いいッ、そこだめ、つよ、いぃ」
少し涙声になっているユラールがまたクソかわいいなと思いながら、もう片方の手でゆるく自分のちんこを擦った。きもちいい、やべえ、これはやべえ。
早くユラールの中にぶち込みたい。でも痛い思いはさせたくないから、後孔に入れている指をかき回してほぐしていく。イイところを擦ったり入り口辺りをぐるぐると撫でたりしていると、ユラールから苦しそうな声が聞こえてきた。
「も、いい、いいから、挿れ、て、早く、ねえ」
「煽るな、よっ‥」
ユラールの唇からこぼれ出る淫蕩な願いに応えるべく、そのしっかりと筋肉の乗った下肢を広げその間に自分を挟みこんだ。ぬかるんだ蕾に俺の切っ先をあてがう。ぷちゅ、と湿った音がした。
「‥は‥あ」
ユラールが息をのむのを聞きながら、ゆっくりと腰を押し進めた。じゅぶじゅぶとユラールの後孔は俺をのみ込んでくれる。熱く、柔らかな内壁が俺自身を包み込んだ。
「うっ、あ、きもちいい、ユル」
奥までぴったりと押し込んで少し待つ。ユラールの激しい息遣いが聞こえる。左手でユラールの割れた腹筋をそろりと撫でた。
「あひっ、あ、」
そんな刺激にも身悶えるユラールを、かわいい、と思いながら俺は腰をグラインドし始めた。始めはゆっくり押し引きして、少しずつその律動を速めていく。ぐじゅぐじゅと俺の陰茎が内壁を擦るたびにユラールは嬌声を上げた。
「うあ、ユルだめだって、締まる‥ッ」
「あんっんっ、ああ、しゅれ、あ、いい、」
ユラールが必死に手を伸ばしてしがみつこうとしてくる。激しく腰を動かしながら俺は身体を倒してユラールの頭をとらえ、深く口づけた。お互いの熱い舌が絡む。
「ふう、ん、む」
思い切り舌を吸い上げてから離してやり。額に頭をつけた。息を弾ませながら激しいグラインドを繰り返す。
「あああ!あ、あ、」
びゅくびゅくとユラールの陰茎が震えて精液を吐き出した。するとそれにつられて内壁もぎゅうっと俺のものを締めつけてくる。その快楽に負けて俺もユラールの中で弾けた。
ユラールは肩口の寒さでふと目を覚ました。重い身体を少しねじると、横ですうすう眠っている筋肉質な男の顔が見える。目を閉じていると、髪色と同じ濃いキャラメル色の睫毛の長さが際立っていた。浅黒い肌によく映える黄色い瞳は今は見えない。
精悍な顔にキャラメル色の髪がしどけなく垂れさがっていて、男の色気が匂っている。このたくましい男が自分を激しく求めてくれたことを思い出すと、ユラールは頬が熱くなるのを感じた。
後孔にはまだこの男の逸物が挿入っているかのような感覚がする。食事をするのも忘れてお互いを貪り合ったせいで、身体のあちこちが軋むように痛い。
だが、肌に気持ち悪いところはなくさらさらとしている。自分が力尽きて寝てしまった後にシュレンが拭いてくれたのだろう。
チャラついている、と噂のこの副長が、実は誰よりも気を配れる人物で隊員のことをよく見ていることを、ユラールは知っていた。自分だけを見てほしいのに、この人はいつもみんなをよく見ていて、その時ちゃんとそいつが欲しい言葉をくれる。
そんな姿を見て何度嫉妬しただろう、
決まった恋人を持たずその場限りの関係を楽しむことしかしないと聞いて、じゃあ俺でもいいじゃないかと何度思ったか知れない。
でも、声をかけられなかった。
高位貴族出身の自分を疎む声があるのもわかっていたし、そもそも自分が愛想のいいタイプではない。
自分とのあのわずかな邂逅を、シュレンが覚えているとも思っていなかった。この男は息をするように親切を振りまいて、人を誑していくのだ。一夜の相手でもいいからシュレンに抱かれたいと思っている隊員は少なくなかった。
ただ、シュレンは絶対に隊員とは関係をもたなかったから皆諦めていただけだ。
そして、ユラールもそのうちの一人だったのだ、あの夜までは。
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