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第3話 Tシャツ

 俺たちの高校は、このあたりでも偏差値の低い所らしい。そんなの関係ないって突っ張って来たが、レベルの低い高校は周りを見回しても何の刺激もない。  田舎なので緊張感が無い。 警察から「高校生のカツアゲ事件」の注意喚起が来た。  警察官の言う事には、うちの高校は被害者が多いという。  つまりいつもカツアゲされていると言うのだ。 カツアゲは犯罪だが、被害者しかいないってのはダサすぎる。 「上田、どう思う?」 「いいんじゃない?ブラックリストに載るよりも。」 「上田の家は怖いんだよ。 知ってたら誰もカツアゲなんかしないよ。」 「やめろ、チビ助。」 「チビ助言うな!」 「ははは、ごめんごめん。」  放課後、部活に行くと揃いのTシャツが届いていた。S高サッカー部のロゴが入っている。色は鮮やかな黄色。 「へえ、早いな。費用はどうなるんだ?」 「寄付だって。だからいらない。 今度ちゃんとしたユニフォーム作った時考えようって、顧問が言ってた。」  上田がパッと学ランを脱いで、シャツもボタンを外して脱いだ。上半身裸になった。 「あ⁈ 何?これ本物?」  上田の腰に入れ墨が入っている。 「そうだよ、珍しいか?」 「初めて見た。」  衝撃だった。右側の腰から下に向かってタトゥーが見えた。下着の中に向かって続いている。  トライバル柄というのか、アラベスク模様というのか何だかセクシーな場所に彫られているような。 「すごい、何でこんなところに?」  俺は言葉が出ない。 着痩せして見える上田の身体は、すごい筋肉で引き締まっている。 (なんてセクシーなんだ。夢に見そうだ。)  上田はさっさと黄色いTシャツを着てしまった。隠された身体に残念な気持ちになる。 「佳央も早く着ろよ。真っ黄色ってのも悪くないな。綺麗だ。」  俺の頭から上田のウエストのあたりが消えない。ものすごくセクシーだ。エロ本の女の体よりずっとセクシーで忘れられない。 「なんだよ。あまり見んなよ。スケベだな。」 「違うよ、なんでもないよ。」

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