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第13話 切れてしまう糸
3人で俺の家に来た。ゆっくり話そうと思った。おふくろの晩飯付きで。
今日はカレーだって言ってた。
「美味しい!まさにお母さんのカレーって感じ。
これだよ。」
3人ともすごい勢いでお代わりをして食った。
「ごちそうさまでした。」
誠が片付けて皿を洗った。躾のいい奴だ。
俺の混沌部屋で話をした。
佳純は順子を放っておけない、と言った。事情を聞いて誠が怒り出した。
「ふざけんなよ。順子さんが浮気をして、お兄さんの子供が出来ちゃったんだろ。
お兄さんが結婚するべきだよ!」
涙を流しながら
「ボクの佳純を盗らないで!
ボクから順子さんに言うよ。」
「止めろ.順子は学校も辞めたんだ。
親にも話せないって。
俺が挨拶に行くよ。親に殴られに。」
「いやだ、ボクだけの佳純だ!」
誠を膝に乗せて優しく髪を撫でてやってる。
美しい二人に、思わず写メを撮った。
あとで描きたい。
「結婚なんかしたらもう会えなくなっちゃうよ。
ホテルにも行けない。」
「おまえら、ホテルで何やってんの?
まさか、あの・・・」
「想像するなよ、スケベ!」
俺は焦った。今まで気になっていたが、聞けなかった2人の仲。
(男同士はどこまでなんだ?)
「佳央、今変な妄想しただろ。」
「いや、あの、順子さんの事だけど、
赤ちゃんの父親になる人と結婚できないの?」
「うちの兄貴はクズ野郎なんだよ。
世話になってる大物裁判官の娘と縁談があって、婚約してるんだ。」
「じゃあ、なんで順子さんとそんな関係になったんだよ。」
「ああ、兄貴はふしだらな順子が悪いって言ってるよ。最低な野郎なんだよ。」
「何で佳純が責任取るような事になってるの?
おかしいでしょ。」
「ああ、だけど俺は順子を泣かせたくない。
もう充分泣いたんだ。」
俺はその兄貴って奴をぶん殴ってやりたい、と思った。
「順子さんが本当に好きなのは誰?
本当に好きな人と一緒になるべきだ。」
それは佳純だ、という気がした。
とんだやぶへびだ。
佳純のピアスをずっと見つめていた。
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