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第21話 告白

 告白なんてそんなもんじゃない。ただ、一人になりたくなかっただけだろ。  佳純の言い方でそう思った。 「今日はなんで誠、いなかったんだ?」 「ああ、なんか親の用事だって言ってたな。 あいつお坊ちゃん、だから。」  それぞれの家庭の事情はわからない。 佳純の綺麗な顔に見惚れていた。 いきなり腕を掴まれて 「佳央、俺の事好きなんだろ?」  佳純は俺の目を覗き込んで聞いて来た。 「ああ、好きだよ。綺麗だと思う。 筋肉の躍動が見ていて気持ちいい。」  ハグしてくれた。 「いつもおまえは抱き心地がいい。」  俺は気絶するかと思った。 「遊ばれてんな、俺。おもしろいか?」  真面目に聞いた。 「ごめん、からかってしまった。 おまえ顔に出るからおもしろいな。」  帰る、と言って出て行った。下でお邪魔しましたとか、言っているのが聞こえた。  ベッドに寝転んで、ため息が出た。 「はああ、佳純と二人きり、なんて初めてだった。いつも誠が一緒だから。」  変に期待してドキドキだった。別にどうにかなるわけじゃないのに、変に期待した。  あの手の感触が残っている。 (あーあ、派手なパンツなんか無理だ。 洗濯してもらってる身では、おふくろに変に思われる。) 頭から、佳純の派手なパンツを追い出した。 (誠のことを聞いてもはぐらかされたな。) ホテルで何をするんだ?妄想逞しく、眠れない。  次の日、放課後に女の子から、告られた。 「俺?俺でいいの?」 「はい、遠藤くんに、です。」 そう言って何か手紙をもらった。いつも見学に来る三人組の女子。その中の一人が俺に手紙なんか渡すから、焦った。  一人で考えてしまった。女子と付き合うってのがよくわからない。佳純は女を知っている。  抱くってどんな感じなのか? あの腕で抱かれるのか?あの身体で。 (なんだ、俺、抱かれる方ばかり想像してる。 俺が女を抱くんだろ?佳純に抱かれる女を羨ましがってるのか?) 自分がわからない。    

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