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第22話 写メ
俺はよくわからない、女の子の事。
「付き合ってください。」
って言われたから
「いいよ。」
って答えた。何をしたらいいのかわからない。
とりあえず部活の見学に来たから送って行った。
隣町の女子校に通っているというので家も近そうだ。電車で二つ目の駅だという。俺は駅近に住んでいるから,駅まで送った。
「電車もうすぐ来るね。じゃあな。」
別れ際に首に抱きついて、ぶつけるようなキスをしてきた。
彼女は手を振って駅に消えた。
「うわっ、積極的。
知り合いに見られなかったかな。
彼女が困るだろう。」
次の日、スマホに写メが公開された。インスタにキスシーン。タイトルが
「飢えた男子校生。いきなり襲われた!」
コメント欄に
「セクハラ案件!痴漢?」
「男子校だから飢えてんじゃね?」
とかで,いっぱいになっている。俺の顔が鮮明だ。佳純に見せた。
「何だよ、これ?
全然エロくねぇ。顔を顔で殴ってるみたい。
ただのぶつかり合い。相手は何か言ってんの?」
メールが来た。
「おはよう。付き合ってるの広めといたから。」
「なんかハニトラまがいだな。」
「部活の時、みんなに話してくれよ。」
放課後になった。拡散されたキスシーンはさほど話題にはならなかった。
絵面が確かにおかしい。口にぶつかって俺はただびっくりしているだけの顔だ。
彼女が寄ってきた。
「おつかれ!よしお、写メ見てくれた?
既成事実出来ちゃったね。」
腕を組んで、もうよしお、呼びだ。
「やめろよ、キモい写メ撮るなよ。」
横から佳純が顔を出した。
「おまえずいぶん、舐めたことしてんじゃね?」
佳純の顔面偏差値の高い顔を見て、彼女は焦っている。
「誰?」
「サッカー部の仲間だよ。」
佳純が、謝罪と取り消しのメールを出させた。
「めんどくせぇ女。」
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