26 / 64

第26話 何だよ。

 ギターを担いだ山口幸洋が佳純の肩を抱いて歩いている。二人とも180センチ越えでデカい。 「どこ行くんだよ。」  俺が不審な声をあげると一緒について来た誠が 「カラオケだよ。前から約束してたんだ。」  バンドの連中と佳純と誠が俺を誘ってカラオケに行くことになった。  駅の近くだ。俺の家とも近い。  カラオケで佳純が歌った。意外だった。上手い。運動神経のいい奴は歌が上手いというのは本当だ。  ユキがギターを出して聞いたことのない歌を佳純は歌い始めた。3曲歌って、俺に聞いた。 「どう、この歌。」 「あ、カッコいいです。」 「タメ口でいいよ。 俺たちそういうの苦手だから。」  ユキは話しやすい奴だった。2年だからって別に先輩風吹かしたりしない。 「この歌は俺たちのバンドのオリジナル。 CDになるんだよ。」  佳純の歌が配信されるらしい。 「えっ?それってプロってことだよね。 何で佳純?」  誠が 「ボクは佳純の個人マネージャーなんだ。 いつも、カラオケのあるホテルで練習してたんだよ。ボイストレーニングとか。  佳央は何かいやらしいこと想像してたでしょ。」 「えっ、そんなことないよ。 だけど、何で俺までここにいるの?」 「そりゃあ、佳央は佳純のお気に入りだからだよ。」 「えっ?」   ユキのギターで歌を聞かせてもらって,すごく感激した。これからデビューするバンドの曲を一番最初に聞けたんだ。 「じゃあね。デモCDで良かったら、これあげる。」    もらって帰った佳純の歌。一晩中聞いていた。 抱き枕代わりの佳純が置いて行ったTシャツを抱きしめて、佳純を想った。 「あの女子高の娘たちには、興味持てないけど、 何で佳純の事はこんなに気になるんだろう。」  誠と佳純がホテルに行っていたのが歌の練習のためだった事でずいぶんホッとした。 「何考えてんだよ、俺。」

ともだちにシェアしよう!