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第28話 タオル

 佳純の汗の染み込んだタオルを持ち帰ってしまった。 (ああ、佳純の匂い。)  佳純はキス魔だ。誰とでもキスをする。それで勘違いする女の子が大勢いる。  ヤリチンといわれるほど女たらしではないと思う。男も女も関係なくキスしてくる。  俺も佳純と激しいキスがしたい。妄想の世界で佳純を描く。描いては破り捨てる。 「違う!佳純はこんな顔じゃない。俺の佳純。」 つぶやいて恥ずかしくなる。 (おふくろに花なんか買って、ホント女ったらしだな。おふくろが女の顔をしてたよ。  あんな顔見たの初めてだ。親父には言わないようにしよう。)  一晩中悶々として眠れなかった。 (男にときめくなんて、俺ヤバイな。)  寝不足で学校に行った。勉強なんか手につかない。あの国谷の技術の授業の時間、ずっと保健室で寝てた。  昼になった。 (弁当食おう。)  保健室に佳純が入って来た。 「佳央、具合悪いのか? 昼だよ。飯どうする?」 「保健の先生は?」 「どっか行った。」  そう言うとベッドに乗り上がって俺の頭を抱えて、なんとディープキスされた。 「わっ、何すんだよ!」  押し倒されてもっと激しくくちづけられた。 (ヤバいよ。何でこんな所で?)  佳純を突き飛ばした。 「佳純は保健室でやっちゃった事あるの?」 「なに?セックス?男とは、無いよ。」 (女とはあるんだ?)  抱き起こされてハグされた。今夜は家に帰っておかずがたくさんだ。これを膨らませて妄想しよう。漫画にしたい。 「昼飯行こうぜ。マコが何か買って来たから。 おふくろさんの美味い弁当と交換する?」  うれしい事を言ってくれる。俺はマザコンかもしれない。おふくろの飯を褒められるとうれしい。 「おっ、今日も美味そうだ。」  玉子焼きを箸でつまんだ。

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