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第37話 3人

「ヤマ、遅い。何やってたんだよ。」  キシが詰め寄って来た。 「みんなそれぞれ女の子を送って行ったんだろ。 その前にどこかに寄った?」 「ああ、食事とかしたよ。 若から軍資金たっぷりもらったから 高級レストランに連れて行った。 あの沙織ちゃんって言う娘、よろこんでたよ。」  キムの報告に 「それだけ? 頂いちゃったりしなかったの?」 「知ってるでしょ。僕のこと。」  キムはゲイだ。いや、3人ともゲイだ。 いや、ヤマはバイだな。 「キシはどうしたんだ?」 「ああ、高い寿司屋に行ったよ。 あの沙也加って娘、すげえ食うのよ。 俺ビビった。カネはあったから良かったけど。」 「二人ともそれだけ?」  キムがヤマに抱きついてキスをねだる。 「何もないよ。 僕、帰り際に沙織ちゃんにキスしただけ。 軽いやつ、ね。」  JKは物欲しそうだった、と口を揃えて言う。 キムの目に涙が光る。 「泣くなよ。ちょっとあの娘が,帰りたくないって言うからさ。魔が刺したんだ。」  キムを膝に乗せて頭を撫でている。」 「だから、嫌だったんだ。女の子と二人だけにするの。」  それにしても、この3人が揃ってゲイなのは驚きだ。ヤマとキムがカップルで、ヤマはバイだから、時々女の子をつまみ食いする。  純情なキムはいつも泣いている。 キシはずっと佳純ひとすじ。高校生の佳純は7才年下。キシが二十歳の時、組にゲソを入れた。  その時、中学生だった佳純を見て一目惚れだった。組長の息子なのだ。キシは気持ちを胸に留めた。それ以来ずっと佳純ひとすじ、だった。  3人は繁華街のホストクラブで働いていた時に知り合った。  デカい借金を抱えて今の組長に拾ってもらった。今思えばデカい借金も、ヤクザに嵌められたようなものだった。その店を仕切っていたのは半グレ,評判の悪いM会だった。  助けられた上田組とは、犬猿の仲の組織だった。派手な客が毎晩指名してくれて、大金を使ってくれた。太客だと喜んでハニートラップにかかってしまった。  彼女は風俗店を何軒も経営している女性実業家だと言った。実在する店は有名で遊び方も派手だった。

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