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第44話 本気

 相手はこのタトゥーを知らないという。 「見せた事ねえもん。」 「本気で好きな人がいるんだ?」  誰にも話した事はないと言う。誠も知らない。 このタトゥーを見た事があっても、その経緯までは知らないと言う事だ。 「なんで俺に話してくれたんだ?」 「なんとなく。佳央なら俺の気持ちわかってくれるかな、と思った。」 「どんな人?ずっと好きなの?」  中学生の頃から好きだったそうだ。相手は大人佳純のことなんか恋愛対象だとは思ってないだろう、と寂しそうに笑った。  その顔の色っぽいこと。さっきのディープキスで勃起していた俺のペニスが萎んでいくのがわかった。 「俺、マコとラブホの風呂で抜きあいするんだぜ。並んで扱いて飛ばすの。  マコとはそこまで。 俺、男と致した事,ねえんだ。」  後ろはバージンだ、という。 「俺にそんな事話していいのか?」  誠はきっと期待して佳純を見ているだろう。 いつか佳純に抱いてもらえると。 「意外だな。そんな、胸に秘めてるなんて。 佳純のイメージと違う。」 「ヤリチンで誑しのイメージか?」 「まあ,そうだな。」 「俺、女だって順子しか知らないんだ。 もう人妻だしさ。 今日泊まっていい?」 「おふくろに聞いてみるよ。 たぶん大丈夫だと思うけど。」 パート中だと思い、メールした。思いのほか早く返信があった。おふくろは嬉しそうだ。  夕飯はハンバーグにするという。ありがたい母親だ。 「ハンバーグ作るって。」 「仕事で疲れてるのに申し訳ねえな。」 「佳純はおふくろに好かれてんだよ。 気にすんな。風呂掃除手伝え。」  二人で風呂場に行った。キスしながら風呂を洗った。新婚みたいで楽しい。 (いつか、佳純と二人で暮らしたいな。)  そんな大胆なことを考えた。 佳純が、驚くことに、心に大切にしまっている人の存在が気になる。  どんな人か、会ってみたい。 佳純ほどの男が刺青を入れるほど惚れ込んでいる人ってどんな人だろう。

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