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第47話 思い切り
佳純は決心したようだ。キシに思いの丈を打ち明ける事を。
佳純のそばで待機しているキシを見つけた。
(若が来た。今日はどこかに出かけるのか。)
「キシ、ちょっと買い物に付き合ってくれ。
キシの車で送って。」
キシは一瞬緊張した。佳純と二人で出かけるなど、滅多に無いから。
「どちらに行かれますか?
服装はこれでいいでしょうか?」
「タメグチでいいよ。友達の体で。」
今日もスーツが似合うキシに見惚れた。
「キシってホストだったんでしょ。
カッコいいからモテたんだろうな。」
キシの肩幅の広い姿にもうドキドキする。
車に乗った。キシはそんなに目立つ車じゃない、アクアに乗っている。謙虚な感じもいい。
「どこかのアウトレットまで,ドライブしよう。
景色のいいところ。」
車の中で話をした。
「この前、バッキーランドでは、ありがとな。」
「若は女の子が苦手なのか?」
「うん、めんどくさい。
バッキーランドから、ヤマは女の子とホテルに行ったって。女の子本人が言いふらしてて驚いたんだ。キシも、頂いちゃったのか?」
「いや、私は女性苦手なんで。」
佳純は嬉しくなった。
「付き合ってる女の人、いないの?」
「いないですよ。」
「セックスとかどうしてるの?」
期待でワクワクしながら聞いた。
「いや、まあ、時どき、プロの所に行くよ。
若は不自由して無いでしょう?」
「ううん、俺好きな人がいるから安売りしないんだ。」
キシは、佳純が兄の嫁になった順子と付き合ってたことを知っている。その頃はヤキモキしていた。
車は富士の裾野をドライブして行った。
「少しどこかでコーヒーを飲みたいね。」
裾野のカフェに立ち寄った。キシは慣れているようだ。
「ここはキシのデートコースなの?
慣れてんな。」
少し悔しい。誰かとこんな所をドライブしたりするんだ。
「俺とじゃドライブしても楽しくないだろ。
キシは仕事として、なんだな。」
「若は楽しんでる?」
「うん、デートだと思ってる。」
「相手が私じゃ役不足だね。」
(違うよ。キシがいいんだ。)
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