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第67話 久しぶり
「健全だなぁ。」
揶揄するように言うのは久しぶりに出て来た佳純だった。校庭10周のアップに
「疲れたぁ!もうダメだ。」
「鈍ってんな、身体。」
佳純は、昨夜もキシに抱かれて腰に力が入らない。
(こんな事じゃダメだ。情けない。
しばらく会うのはやめよう。)
と反省した。
「情けねぇなぁ。」
「ホントになぁ。お恥ずかしい限りだよ。」
「セックスのやりすぎって、なんだよ。
羨ましすぎるだろ。」
あけすけにからかう仲間たちに照れまくりの佳純だった。誠は悲しそうな顔をしている。
佳純は何も隠さない。それが誠を悲しませる。
佳央は、俺だって充分悲しいぞ、と思う。
あのJKたちは相変わらず見学に来る。秋川と花田がお目当てだ。佳純のところの若いもんも来るかも、とノッコと沙織と沙也加が顔を出す。
彼女たちは佳純がいないと来ない。佳純のボディガード目当てだ。今はキシが佳純に張り付いている。
M会の若い半グレどもはとんでもない言いがかりを付けて寄ってくるからガードは必要だった。
ガキのイジメがそのまま大人になったような半グレ集団。これこそ人間のクズ。
上田組は堅気に手を出さない、クリーンなヤクザを目指すがそんなきれいごとは通じない。
「今度、S工業と練習試合だって。
佳純大丈夫か?」
「走り込んでおけよ。
ゴール前の守護神はおまえだから。」
熱い目で語る秋川だ。
誠が走って来て佳純の手を握る。
「さびしかったよ。」
苦笑いの佳純。よしよし、と頭を撫でる。
「マコ、俺、恋人が出来たんだ。」
「うん、佳央が言ってた。
でも、僕たち友達だよね。」
その日、帰りに誠が襲われた。
佳純はキシの迎えで帰った後だった。
誠と佳央が帰りがけ、コンビニに寄ってそれぞれ別れた後の事だった。
後ろから来た原付バイクに当て逃げされたのだ。誰も見ていなかった。
一人になるのを待ち構えての犯行だった。
目撃者がいない。
コンビニで買った飲み物が潰れて飛び散っていた。誠の好きなミルクティー。
救急病院から、学校に連絡。
回り回って、やっと佳純に情報が入ったのは翌日だった。
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