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第69話 悪質な犯罪
幸い、誠は命に別状はなかった。と言っても、腕と脚の骨折は完治までに時間がかかる。重症だ。
ギブス固定で当分サッカーなどは出来そうにない。資産家の父親が激怒して、個人で犯人探しを始めた。
すぐに特定された犯人は、S工業の生徒だった。
被害届を受理され、刑事事件になった。
そいつは軽い気持ちで今関にそそのかされ、誠を狙ったと、簡単に自供した。
「おもしれえジャン。
今関もサッカー部なんだろ。
試合に来るよな。」
キシたちが裏で選んだ転校生は、札付きの連中だった。みなサッカー経験者だ。
「あれ、おまえジュニアユースで一緒だった林田じゃね?」
「ああ、ユースチームは首になった。
ケンカとタバコで。」
辞める時仲間を連れて来たという。
タバコが見つかって連座でクビになった4人が転校して来たらしい。
あとの4人もクセの強い奴らだった。佳純の家の稼業を知っておもしろがっている。
「この時期にお声がかかって、わざわざ転校して来たんよ。
俺たちはキシさんに頭が上がらないんだよ。
昔、助けられた恩がある。だから声かけられたら、飛んでくるんだよ。」
意外だった。みんなそれぞれサッカーを愛してるのが練習風景でわかる。
「自己紹介します。
俺、林田。ずっとミッドフィールダーです。
足の速さには自信があります。」
「俺、加藤。林田と一緒にやって来ました。
ポジションは同じ。林田が右で俺は左のウイングです。」
「ポジションは変わる事もあるけど、得意なところは考慮するよ。
一応ツートップで2・4・4だね。」
監督の杉山が言った。
「ウチのフォワードはツートップで秋川と花田だ。秋川がキャプテン。」
「秋川です。本当は上田がキャプテンなんだけど、暫定で俺がやってます。」
「いや、秋川が向いてるよ。俺、極道だし。」
佳純は遠慮している
秋川と花田がツートップでフォワード、左右のウイングに林田と仲間の加藤。
ミッドフィールダーに山南と斉田。ボランチに石井浩司。ディフェンダーは左右が佳央と誠の代わりに佐藤富幸。センターバックが佳純。そしてゴールキーパーは河合。これがスターティングメンバーだ。5人の新入り。
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