93 / 109
第93話 とんだ茶番
「とんだ茶番だったな。」
「所詮はガキのケンカよ。
JKたちのやった事がエグイな。」
今関の事は組内で箝口令が敷かれた。
「1番怖いのは、闇に葬られる事だな。」
誰にも弔われず失踪した事にされているのは浮かばれないだろう。
今関の父親には、そっと耳打ちした者がいる。
生きたまま、海に沈められた事。さぞかし,それを動画に撮りたかっただろう。
キシのベッドの中で事の顛末を聞いた佳純は
「ヤクザってやっぱり嫌だ。」
「俺も嫌か?」
「ああ、ヤクザなんかやめて欲しい。
俺もあんな家、嫌だ。」
「親父が悲しむなぁ。世の中に必要な悪もある。」
「それは肯定したくない。極道なんていらない。」
佳純は因果応報という言葉を考えた。
「神様ってのは、長らく不在なんだよな。
俺たちみたいに代わりに手を汚す者が必要だって。」
(今まで泣き寝入りするしかなかった事も、
声に出せる世の中になればなぁ。)
佳純はバンドのメンバーに声をかけられ、軽音の部室に行った。サッカーもサボりがちだ。
「新しい曲、聞いて見て。」
綺麗なメロディの恋の歌だった。
「佳純が歌う体で作ったんだよ。」
「俺?無理!
こんな女の子を思う歌なんて歌えないよ。」
「そういえば、大変だったな。
小せえなぁ、イジメとか。」
「いじめじゃ済まないよ。あれは暴行事件だ。」
「みんな愛し合えばいいんだよ。」
みんなの恋愛事情を聞いてみた。
ユキは彼女がいるって言ってる。
京也はモテるのに,恋人はいらないって。
雅は赤くなって、彼女いるよ、と答えた。
ジローは、ピアノカフェの経営者の奥さんと不倫している、と小さい声で教えてくれた。
「佳純は?ま、知ってるけどな。」
「なんだよ、じゃあ言わなくてもいいか?」
女子の恋バナのようで照れくさい。
「恋人って言えるかな?」
「セックスしたら恋人だよ。」
「いいよ、言ったらみんな驚くよ。」
「俺、知ってるよ。」
ともだちにシェアしよう!

