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第95話 絵画展
妹の告白を聞いてから、佳央も佳純を意識するようになった。妹が佳純に異性として関心を持つなんて思いもしなかった。
自分の佳純に対する気持ちはわかっていたが、
普通に誰かが、佳純を好きになる事もあるのだ。
むしろそっちが普通だろう。
兄妹で同じ男を好きになる、なんて。
もう一歩進んで佳純が妹の佳奈を抱くなんて事があったら嫌だ。
誠だって、あのノッコたちだって佳純が好きなんだ。
「佳奈、この前の話だけど。
佳純はやめた方がいい。ライバルが多いんだよ。
もっと他に、同級生とか、いないのか付き合う奴。」
適当な彼氏はいないのか,と聞いた。
「いないよ。クラスの奴なんてみんなガキだよ。
ドキドキしないもん。」
(ああ、わかる気がする。俺もキスするたびにドキドキ、腰が抜けそうになるよ。)
佳純が俺の絵を見たいと言うので、県民ホールに行った。サッカーをサボって軽音もパスして遠出した。と言っても少しバスに乗るだけだ。
県展開催中の案内板が立っていた。佳央の絵は
県知事奨励賞というのをもらっていた。佳作より下の賞だった。
ヌードに腰の刺青が問題になって教育委員会からクレームが来て賞を逃した、と美術教師が残念がっていたらしい。
佳央は賞なんかいらない、と思っている。頭の硬い教師たちに評価なんかされたくない,と突っ張っている。
「やあ、意外とデカいな。
部屋の中で描いてるの見てたけど、完成したのをこういう所で見るとすごいな。」
佳純が喜んでいる。見に来ていた人たちが
「あら、この絵の人だわ。素敵ね。」
「モデルさん?背が高い。」
佳純は自分の裸を見られているので気まずい。
「お兄!あ、上田君も!」
友達と来ていた佳奈が赤くなっている。
「きゃーっ,上田君だ!」
「すごいですね、ヌード。」
「やめてくれよ。どこ見てんだよ。」
「やっぱり、描くときは裸になったんですか?」
女子中学生から質問攻めだった。佳奈が見つめて来る。
中学生と高校生。みんなであのファミレスに寄った。
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